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転生チートの復讐劇  作者: 黒咲 夜羽
第3章 決戦
38/51

36 開幕

夏純はまず、エルフォード周辺全てに掘りを作らせた。

本来なら何日もかかるはずの作業だが、ここは魔法が常識の世界。

土属性魔法か使える人を総動員で掘った。

そして、掘って出てきた土を壁に再利用し、二重トラップにした。

さらに壁の上に攻撃魔法が得意な人を配置し、壁の上から一斉攻撃ができる体勢にまでした。

さらに、エルフォードの敷地内に救護スペースを作り、負傷者を直ぐに回復させる手段を整えた。

ここまでを1時間30分。

全ての人をまとめあげ、ここまでの体勢を整えるのは陽綺でも不可能だろう。

夏純の人望、観察眼があってこそ初めてなせる事だ。

残り30分。

これが魔王軍がトラップまで接近する予想時間だ。

しかし、夏純はここまでの対策をしても安心できなかった。

(この軍勢て攻めるつてことは・・・幹部クラスが絶対にくる・・・。早く来てよ、ハル・・・どこまで耐えれるかわからないんだから)


──────────────────


「俺はBランク冒険者のザックだ!

ここにいる約100人は俺の指揮下に入ってもらう!勝手な行動は死を招く!その1人のせいで全員が死ぬ可能性もある!だから絶対に隊を乱すな!いいかっ!」

『『『『はいっ!』』』』

約100人の返事が重なる。

(この戦い、絶対に幹部クラスがいる。ソイツの相手はこいつらはもちろん、俺も無理だ・・・。あのお嬢ちゃん1人だと倒せるかもしれねぇが・・・複数人の幹部の可能性が高いからな・・・ハルキ早く帰ってこいよ・・・)


──────────────────


こうして始まった魔王軍VS人類の戦いは・・・人類の優勢で始まった。

夏純の狙い通りトラップにかかった動物型などの魔物は魔法の餌食に、空を飛んでいた翼竜・鳥類型の魔物も呆気なく倒されていた。

『いけるぞぉぉぉぉぉ!』

『おおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

全員の士気が上がる中、夏純の予感は的中した。

『前方より巨大な魔力反応!

これは・・・っ!幹部クラスですっ!

繰り返します!前方より幹部クラスが接近中!数は2人!』

「っ!早速来たわね・・・。周辺の冒険者を下がらせて!・・・私が行きます。ここの指揮は騎士団長に委託します。」

そう言い、夏純はキャンプテントから飛び出した。


──────────────────


走りながら腰元へ手を伸ばす。

そこにあるのは・・・日本刀だ。

夏純は帝国との試合前に、定着する武器を決めようと露店を漁っていた。

そのとき、見つけたのがコレである。

しかも、最安値だ。

理由は簡単だ、この日本刀には刀身が無いのだ。本当は半ばで折られていたのだが、それすら捨てて刀身を取り除いた。

その理由は。

「『魔刀まとう氷霞ひょうか』抜刀!」

刀身が無いなら、創ればいい。

このメリットは刃こぼれなどで武器が使えなくなるとこが無いことだ。

そして、属性を付与して作成できる事だ。

今回は氷属性。

鋭く、軽いイメージで作られた刀は夏純にピッタリだった。

「・・・っ!」

突如、視界を埋め尽くすほどの紫炎が吹き荒れる。

「・・・地獄の焔、魔王軍幹部第2階梯イナフ。で、あってるかしら?」

しかし、返事はない。

「そして・・・その土のハンマー。せ

第3階梯クロイスかしら?」

事前に授業で習っていた通りの2人に確信するも不思議に思っていた。

この2人・・・なんなの・・・。

間合いが読めない・・・。

幹部の実力?わからないが・・・。

「"神崎流居合術 絶"」

先手必勝と言わんばかりの高速の太刀。

その太刀はクロイスの胴に命中し・・・僅かな抵抗する感触が少ししたところで断ち切った。

「え?」

あまりの呆気なさに言葉を失う夏純。

(いや、違うダミーなんじゃ!?)

そう思い周りを見渡すも・・・イナフしか居ない。

「・・・【ブリザード】」

突如として吹き荒れる吹雪。

イナフは右手を夏純に翳し、魔法を撃とうと──。

「させない」

一瞬でイナフの前まで移動し、"氷霞"でイナフの喉を刺し貫いた。

「咲き誇れ!【凍華】!」

喉を貫いている場所から、前後で合計2輪の花が咲く。

形状はスイレンのようでとても綺麗だ。

「ふっ!」

勢いよく引き抜く・・・が、刀身の氷を使用した為、根元しか氷の刀身は残っていない。しかし、鞘にしまい魔力を込めると中でピキピキという音を立てて刀身が復活した。

「え・・・、呆気なさ過ぎない?」

そう思った瞬間。

自分の内側で何かが起きた。

なんとも言えないが、何か異物がある様な感じだ。

「・・・もう戻らないと」

ただ1人、まるで天変地異でも起きたかのような異様な戦闘跡地から去り始めた。


──────────────────


「汝に救済あれ・・・はい、定型文言ったからね?んじゃ、消えてもらうよ」

そういい、少女は右手の平を相手・・・魔王軍幹部第1階梯、クライへと向けた。

「【天理・ホーリースピア】」

突如白い槍が生成され、クライの心臓部は刺し貫かれた。

「これで終わり・・・と」

魔王軍幹部を倒すという勲章ものの仕事を片手間で終わらせたエルナは未だ残っている魔王軍を見据える。

「早く行かないとっ!」

エルナは単独で魔王軍本陣へと進む。

だが、当たり前だが魔王軍の雑兵がその行く手を阻もうと──。

「邪魔だって・・・言ってんのよ!

【ホーリーブレイドレイン】!」

光で生成された無数の剣が、敵の集団を死体へと還す。

「なんでっ!なんでこんな所にいるのよっ!」


──────────────────


「GAAAAAAAAAAAAAAAAAA」

そんなら雄叫びと共に炎が吹き荒れる。

私だっているんだがら!

そう叫びながら暴れるドラゴンの姿は・・・リンドである。

敵の真上から炎を吹く姿は、それこそラスボスの様だ。

「も~、いくら他の人に見られないようにするためだからって・・・こんな離れた所で魔王軍残党処理なんてさせないでよ~」

ブツブツ文句言いながらでもしっかり処理する辺りリンドらしいのであった。

今週は正月で忙しいので来週投稿できるかわかりません(>_<)

できたら投稿しますが、できなかったら次の土曜の12:00に投稿します!

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