30 勇者との因縁
今回は短めです。
すみません。>_<
今、俺達は特設会場にいた。
もちろん、帝国側と戦うためだ。
今日は決戦日。
勇者対策は俺の考えれる範囲やったはずだ。
「ハル・・・がんばってね」
「・・・夏純こそ。がんばれよ」
結局俺は夏純に明かすことが出来なかった。勇者の正体を。
5つある闘技場。全て円形上でコロッセオの様な雰囲気だ。
暗い通路を通り、俺は闘技場に入った。
「さぁて、これから対戦が始まるのは勇者VS英雄だぁ!」
おおおおおおぉぉぉぉぉぉ!
と、歓声が上がる。
「実況は俺、Bランク冒険者、ザック・レイニアスが送るぜ!聖剣の勇者と精霊魔剣の英雄・・・となんか沢山剣持ってるな・・・まぁいいか。果たしてどちらが勝つのか見ものだァ!」
(説明雑だな~。まぁ、ザックらしいけど)
俺は今、合計5本の剣を持っている。
白銀の剣を2本背中に、漆黒の剣2本を両腰に、そしてイヴの剣形態である復讐刃(鞘なしver)を手にしていた。
(精霊魔剣て・・・)
確かに授業ではその分類に入っていたが。
いや、それはもういい。
俺は今から勇者を動けなくなるまで叩き潰さなければならない。それが夏純のためだからだ。
「まさかこっちでも会うとはなぁ、ハルキ」
「こっちのセリフだコウキ。どの面さげて俺達の前に現れてんだよ」
「まぁまぁ、過去のことは水に流してくれよ。お互い様だろぉ?」
「てめぇ」
俺達が憎しみあっている間にザックの説明は終わったらしい。
「長い説明はここまでだ!みんなもみたいよなぁ!?英雄VS勇者を!それじゃあ初めてもらうぜ!READY START!」
(速攻で決める!)
そう思っていた。
しかし、
(どうしてこいつの顔が、こんな至近距離にあるんだ?)
接近され───
その瞬間、俺は横方向に飛ばされた。
観客席はフィールドよりも高い位置にあるため、観客席には傷一つない。
場外などの設定もないため、このまま続行だ。
「クッ・・・!」
俺は瓦礫の中から飛び出した。
全速力だ。
「神崎流剣術 破月!」
破壊を重視した、刺突がコウキに触れる直前。
「【聖域】」
丸で硬いものにぶつかったような感触を受け、そこで止まった。
「お前みたいな嘘つき野郎がこっちに来るんじゃねぇよ」
気づいた時にはコウキの回し蹴りが俺の側頭部を捉えていた。
俺は側転の容量でできるだけ威力を流すも、
「重っいっ!」
速度、威力。共に俺を遥かに上回っていた。
「バカじゃねぇの?そんだけ剣あっても邪魔だろ。体育でいつも1位やMVPとってたくせにそんな事もわかんねぇのかよ。なんでお前みたいなやつを夏純さんは選んだのかなぁ?」
「それほどてめぇに魅力が無かったんじゃないのか?」
嘲笑うように言った瞬間
「・・・もう死ねよ。幸いこの世界は殺人による取り締まりが軽いからな。行け、〈フラガラッハ〉」
瞬間刀身が柄から離れ、こちらに飛んできた。
「っ!」
俺は復讐刃で上に弾き飛ばすも、空中で回転しまたこちらに飛んでくる。
「クソッ!」
弾いても戻ってくる剣。意外とめんどくさい。叩き折ろうとしても折れない。
「けど、これを狙ってたんだよな!」
俺は復讐刃をコウキに向かって投げつけた。
【聖域】は聖剣をもっていたからこそ頑丈さが高かったのだろう。
でなければ"破月"で突破できないはずが無い。しかし、今〈フラガラッハ〉はこちらを攻撃している。
つまり、あいつはなにも持っていない!
だが、
「【聖域】」
復讐刃はコウキを360°囲んだ光の壁に突き刺さり止まった。
「どうせ、その剣がなければ俺に当たると思ったんだろう?バカだなぁ。」
「なら、もういっちょ!」
そういい、背中の白銀の剣を2本。
復讐刃と同じように投擲した。
しかし、復讐刃と同じく障壁に突き刺さった。
「・・・その程度でこれが崩れると思っているのか?」
「いいや、だから」
そう言った瞬間
「私が切り裂いて見せましょう」
復讐刃はイヴへと変化し、両脇に刺さっていた白銀の剣を2本握る。
「なにっ!?」
「闇を纏え【絶対斬】」
突如白銀の剣は闇のオーラに包まれ、さらに【聖域】を切り刻んだ。
「交代だ!」
俺は空中に浮いている(エアドライブを使っている)イヴの股下を通り抜け、
「これで終わりだ!」
コウキの首に剣を振り下ろした。
勝った。そう確信
「でもしたかぁ~?」
右手の剣と首の間に1本の大剣が割り込み、黒塗りの剣を切断した。
「バーカ。こっちが本物の聖剣だっての」
そういい、無造作に振り抜いた。
その大剣は俺の腹を深く切り裂き・・・俺の上半身は下半身と離れた。
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