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転生チートの復讐劇  作者: 黒咲 夜羽
第2章 アカデミー編
28/51

26 仲直り

「・・・んん」

重いまぶたを開くとカーテンの隙間から光が差し込んでいた。

「・・・あれ、俺いつの間に寝てたんだっけ」

昨日の夜は確か・・・

「王様と会って、夕食食って・・・そのまま寝てしまったのか」

思い出してみれば大したことなかった。

「ということは昨日入浴してないのか。・・・今日も学校・・・じゃなかった、アカデミーだし入っとくか」

俺はベッドから起き上がり1階の浴場を目指して歩いた。


ある程度の着替えも準備されていたので服に困る事はあまり無かった。

下着を右手に握り、更衣室の扉を開けた。

「・・・・・・」

「「「・・・・・・・・・」」」

更衣室のドアを開けると、夏純・エルナ・リンドがほぼ産まれたての状態でいた。

いや、幸運(不幸?)にも見えてはいけないところはバスタオルや、やけに眩しい光によって隠れていた。

「・・・え、えーと」

弁明を、考えるが間に合わなかったらしい。

「ハルー?朝から何してるのかな〜?」

「い、いや、風呂に入ろうと・・・」

「へー?私達と〜?ふ〜ん?いったい誰の裸を期待してたのかな〜?エルナ〜?リンド〜?」

「・・・・・・ごめんなさい」

俺は深々とDO・GE・ZAをした。

「ちゃんと〜」

ベシっ

「更衣室やお手洗いの時は〜」

ベシっ

「ノックして〜」

ベシっ

「人が居ないか確かめようね〜?」

ベシっ

(・・・痛い)

しかし意図的ではないにしても俺が悪いことは悪いので反論できない。

「そのー悪気はございません。断じて、はい」

なんとか切り抜けねば!

「ほぉ〜?私達には興味無いと?女子に興味無いと?」

「なぜそうなる!?」

と、顔を上げたのが間違いだった。

目の前に立つ夏純を下から見上げ

「・・・っ!【フラッシュ】!」

突如目の前に小さな太陽みたいなのが現れ、俺の目を一時的に失明にした。

「な、何見てるのよ!」

パシン

夏純のビンタが俺の左頬に直撃した。


「あー、酷い目にあった」

俺はリンドと2人でアカデミーに登校していた。

「にしてもナイスタイミングだったねー。もしかして狙ってた?」

ニヤニヤしながら聞いてくるリンドに

「んなわけ無いだろ・・・」

と、若干呆れながら返した。

なぜリンドだけなのかというと、あの後顔を赤くした夏純はエルナを引っ張って屋敷を出ていったからだ。

制服きていたしアカデミーに先に行ったんだと思うが。

「・・・何か買っていくか」

俺は昔から夏純の機嫌をとる時は何かを買っていく。まぁ、今回は今回だけに効くかはわからないが。

「悪いリンド。先に行っててくれ」

「ん、りょーかい」

そう言ってリンドはアカデミーへ歩き始めた。

「さて、何買うか」

俺は近場の店を巡っていた。

「夏純か好きそうな物か・・・。あいつ何かとコレクト趣味があるからな〜」

夏純は好きなぬいぐるみがあると全色集めようとする。ほかにも珍しい物などの収集をしていた。

「異世界だから珍しい物が多いんだよな〜」

そこら辺の店を見ると、フリーマーケットに置いてありそうな物やアンティーク(?)っぽい物まである。

時には本当に効果があるのかわからないような

『魔道具あります』

と書かれた店まで。

「珍しい物が多すぎて困るな」

そこで俺は気づいた。

「あ、金・・・」

記憶を振り返り、机の引き出しに忘れてきたのを思い出した。

「やっちゃったかー」

あれ?その後何したんだっけ。

確か、エルと白い空間で喋って・・・最後なんか怒ってたんだよな。

「いや、その後何かしたはず・・・俺がエルが怒ったまま放置するわけ・・・」

しかし、放置した記憶以外無い。

「でも、今日の朝エルナは何でもないような顔してたな。一眠りして気でも晴れたのかな?」

まぁ、触れないにこしたことは無いだろう。

そう、結論づけアカデミー日行こうとした時だった。

「おい、君ぃ。かわいいねぇ?俺達と遊ばねぇ?」

「い、いや、そのアカデミーがあるので」

「そんなの無視して遊ぼうぜ?俺達これでも冒険者だからよぉ」

「い、いやです」

・・・修学旅行ではしゃぐヤンキーかよ。

まぁ、助けるか。

俺は声が聞こえた路地裏に入った。

そこには3人の男に囲まれた少女が1人いた。長い黒髪を三つ編みにしておりアカデミーの制服をきている。

そして赤色のメガネをつけていた。

(・・・なにやってんだ)

そう、変装している(?)があれはどうみても夏純だ。

「そこの3人さん、1人の少女を囲んで何してるんだ?」

(まぁ、助けるか。てか、1人でどうにかできるだろ)

夏純がこの程度の相手に恐れることは無いと思うが。

「あ?んだてめぇ」

3人がこちらを向き、それぞれ短剣や長剣を構える。

「もうその流れ飽きたから」

そう言い、瞬時に全員の腹部に掌打を撃ち込んだ。

声も出せず倒れた3人を無視して

「・・・大丈夫?」

夏純は一瞬ピクッとし

「だ、大丈夫です」

声を変えたつもりなのか頑張ってる。

「・・・いや、夏純。バレバレだよ?」

こんどはビクッと反応した。

「え、えーと」

気まずいのだろうか、言葉が出ないようだ。

「あー、そのアレだ、朝は悪かった。確認すべきだったな」

「ううん、私も言いすぎたかなって・・・」

「・・・そういえばどうしてここにいたんだ?」

このままだと2人でずっと黙っていそうだったので空気を変えようと質問した。

まぁ、普通に気になっていたが。

「えと・・・そのクラスメイトの前だと謝りにくいからこの辺りで声かけようとしたら・・・」

絡まれたわけか。

「可愛いんだからその・・・気をつけろよ・・・」

「か、かわいいって・・・お世辞はいいよ・・・」

「いや、お世辞じゃないんだが・・・そろそろ行くか」

路地裏から見える時計塔の時間は既に授業が始まる10分前だった。

「無遅刻無欠席。目指そうぜ」

「うん」

そう言って俺達は急いだ。

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