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転生チートの復讐劇  作者: 黒咲 夜羽
第2章 アカデミー編
25/51

25 知られてはいけない事

目が覚めたらそこは白い空間だった。

「なんだこのデジャブ感」

このパターンは

「私は女神エル。・・・って必要かな?」

そう微笑むエルがいた。

「待て、俺ベッドて寝たはずで死んでないはず・・・だよな?」

「もちろん死んでいません。あなたの意識たけをこちらにお呼びしただけです」

「・・・え、なんで?」

「え、・・・えーと、暇でしたから?」

「いやいや、女神の仕事は・・・」

「5時過ぎたので終わりです」

「公務員か!」

神の裏事情に触れた気がする。

「それはともかく、魔王を倒す気はありますか?」

「?やっぱりこの世界の人間として戦わないとダメなのか?」

「い、いえ、そういうわけでは・・・。ただ、もしかすると魔王を倒すと地球に帰れる可能性があるので」

「地球に?」

エルは静かに首を縦に振った。

「魔王幹部や魔王は時代と共に移り変わります。しかし、能力・・・スキルは変わりません。なぜだか分かりますか?」

「・・・同じスキルを持った奴が同じ役割をしてる・・・から?」

「違います」

バッサリと斬り捨てられた。

「魔王、魔王幹部は倒されるとその所持しているスキルを倒した相手に引き継ぐからです。そうすることでスキルを渡し、新たな魔王幹部が生まれます。」

「引き継ぐ?いや、待て・・・それならなんで俺には・・・」

そう、魔王と魔王幹部に「死後のスキル受け継ぎ」があるなら

「なんで俺には受け継がれてないんだ?」

そう、俺には何も受け継がれていない。

魔王幹部のアストを倒したにも関わらずだ。

「やはりそうでしたか。いえ、そう思っていました」

「思っていた?」

エルは近ずいてきて俺の頬に手を添えた。

「ずっと近くで見ていたのですから・・・当然じゃないですか?」

やばい、すごく可愛い。

綺麗な銀髪やエルナの時の幼く可愛い顔立ちではなく(それもかわいいが)綺麗な女性を思わせる顔立ちが目の前にあるのだ。

「ちょ、ち、ちかい・・・」

心臓の音が激しく鳴ってるのがわかる。

「あれ?顔が赤いですよ?」

エルはとても楽しそうに笑う。

「わ、わざとだな?」

エルは

「だって、エルナの時は全然意識してくれないじゃないですか」

「い、意識してないわけじゃ」

「本当に?」

「・・・お前ら全員かわいいからずっと見てるのは、男子高校生的に大変なんだよ」

と、正直な答えに

「う・・・あう」

エルは顔を真っ赤にしていた。

これは、仕返しのチャンスじゃね?

「エル」

俺はエルを呼んでこっちに向かせる。

耳元に顔を寄せ、囁く。

「エル・・・かわいいよ」

「・・・・・・っ」

と、ゆでダコみたいに顔を赤くしたエルは

「ちょ、か、から、からかわないで下さい!」

と、離れた。

「なら、からかうなよ」

と言うが俺も結構焦ってた。

(あ、あぶねー)

大事な何かが吹き飛ぶところだった。

何とは言わないけどな!

「も、もうそろそろ戻りましょう。夏純さんが呼んでます」

夕飯かな。

俺は戻してもらおうとして、ふと気づいた。

「そういえばさ」

「どうしました?」

「なんでエルって名前なんだ?エルって基本的に天使・ ・につくんじゃないか?ウリエルとか、ガヴリエルとかさ」

特に意味もないしただの興味だった。

しかし、エルにとっては驚愕するほどの事だったらしい。

目を見開き驚いているのがよくわかる。

「さ、さぁ?なんででしょうね?」

そう言い、無理やり俺の意識を落とした。


誰もいなくなった白い空間の中で、エルはまだエルナに戻っていなかった。

「なんでこういう時だけ鋭いのよ・・・バカ。」

この時、陽綺は気づいてなかった。

この名前にとんでもない意味があった事を。

「これだから困るのよ、ハル(・ ・)



「・・・はっ!」

目を開くと屋敷の自分の部屋だった。

「・・・おはようございます、マスター」

隣にはイヴが寝て・・・

「いや、なんで隣で寝てるの?」

「起こしに来たのですが眠っていたので」

「いや、起こしに来て寝ちゃダメだろ」

「それもそうでした」

そういい、イヴは起き上がり

「夏純さんが1階でマスターを呼んでいました。」

「あいよ、一緒にいくか」

「はい」

そういい、2人で部屋を出た。


1階には夏純、リンドがいた。

「凄いよここ!ご飯が凄いの!豪華なの!」

リンドが子供の様にはしゃいでいる。

「豪華?俺たちそんなに金あったか?」

「なんか王様が屋敷のついでだ!

とか言ってくれてたらしいよ?」

「・・・・・・」

(絶対あの王様なんか企んでる)

あの王様はかなり陽気に見えたが、会話の端々で打算している感じがあった。

つまり

「金渡したからなんか引き受けてくれって事か・・・」

「え、何か言った?」

夏純は気づいてないが・・・というより会ってないからしょうがないか。

「なんか色々もらいすぎてる気がしない?」

・・・夏純は夏純で感が鋭いのな。

「ま、まぁ、貰える物は貰っとこう・・・」

あの人も無理強いはしないだろうし。

「あれ?そういえばエルナは?」

夏純はうーんと、悩む顔をして。

「なんかご飯いらないって。何かあったのかな?」

「・・・さ、さぁ?まぁ、一応俺が後で届けとくよ」

「そう?ありがと。・・・変な事しないよね?」

「する訳ないだろ!?」

多分俺が原因だけど・・・。

「と、とりあえず食べに行こう」

俺達は食堂に向かった。


「なんで王様がここに?」

そう、食堂に何故か王様がいた。

「ハッハッハ、住み心地を聞きたくてな!」

「住み心地って・・・まだ半日すらたってないのですが?」

「そうだったな!ハッハッハ!」

テンションたけーな。

「本当はお願いがあったのだが・・・今度にしておこう」

そういい、俺達とすれ違うように出ていった。

今でもいいのに。

俺達が席につくと

「どうぞ、召し上がり下さい」

と、セシリーが食事を運んできた。

・・・いや、本当に豪華なのな。

目の前に並べられた食事が

どこの星5レストランだ!

というような物だった。

これは・・・うまそうだな。

「さて、食うか

いただきまーす」

そういって食い始めた。


俺は食べ終わった後、軽いご飯が盛られたお盆を運びエルナの部屋の前まで来た。

「エルナ?入っても大丈夫か?」

扉の前で呼びかけると

カチャ

と、鍵が開く音がした。

(・・・入ってもいいってことか?)

俺は躊躇いながらも扉を開けた。

「・・・なに?」

暗い部屋の中、エルナは枕を抱えてベッドに座っていた。

「・・・ほら、腹減った時でいいから食べてくれ」

そういい、机に食事を置きながら思っていた。

・・・気まずい。

聞いちゃダメだったのか?名前のこと・・・。

「別に怒ってるわけではないですよ?ただ・・・陽綺さんは陽綺さん何だなって」

「俺が・・・俺?」

何を言ってるか、言葉はわかるのに意味が分からない。

「いつも、そう言うあなたが私は・・・好きです。」

「いつも?好き?ちょっとまってくれ、いつもって?」

何かがおかしい。

「・・・これは世界の誰も知らない、私だけが一度見た、本当の世界。ハルはまだ、知ってはいけない。その時が来るまで・・・」

次の瞬間、【縮地】て俺の目の前に来たエルナは自分の唇を俺の唇に重ねた。

「ん!?」

突然の事で反応できず、体が完全に動かない。

「ごめんね。これがとの約束だから」

そういい、エルナは俺の額にキスをした。

「【記憶封印メモリードシール】」

瞬間、俺の意識は途絶えた。

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