19 国王とチート転生者
翌日。
目が覚め、着替えようとした所に1人の来客が来た。
「あ、学園長」
「間に合ってよかったさね。ほら、これを着ていくがいい」
渡されたのは
「制服?」
これは?と目で問うと
「綺麗な服装で王宮に行くのは当たり前だろう。それは少しボロボロじゃないか」
確かに、最近ずっとこれで戦ってたせいかところどころほつれたりしている。
「ありがとうございます」
俺はそれを受け取り
「あれ?採寸は?」
俺の記憶が確かなら採寸を受けた覚えはない。
「学園長室の前にはスキャン魔法陣があってね、体格まで分かる代物さ」
なるほど、それでか。便利だな〜。
「にしても、あの娘もなかなかいい体格しておる」
ほうほう
「それはどのくら・・・グヘッ」
突如飛んできたバックが顔面に命中した。
「何聞いてるのよ!」
oh......恐ろしや恐ろしや。
「ま、まぁ、それは置いといて。制服で行ってきますよ」
制服は灰色を貴重としているもので、ブレザーみたいな感じだ。
俺は王宮についた。
「止まれ!何者だ!」
衛兵に止められた。
「えっと、王宮に呼ばれたハルキ・アイカワですけど」
伝わってないのかと心配になりながら尋ねると
「おぉっ!貴方様が!失礼いたしましたっ!」
と、どうぞと言いたげに道を開ける。
(なんかやりづらいな〜)
そう思いながら中に入っていった。
執事に案内され、ついたのはデカイ扉の前だ。
「入りたまえ」
その声と共に扉が開く。
(面接の豪華版だな〜)
特に緊張はない
(イヴ、礼儀作法知ってる?)
俺にはこの手があるのだ!
(すみません。長い間地下だったもので・・・)
手段は潰えた。
やばい。
とりあえず、俺は中に入る。
「君がハルキ・アイカワか」
玉座に座る1人の男性。大体30歳前後だろう。
まさに王という感じだ。
「衛兵。下がって良いぞ。」
その声に戸惑う兵もいたが、やがて全員去った。
「・・・・・・」
え、ちょっと俺何も言えないんだけど!何で下がらせたの!?
と、その瞬間。
ガラスの割れる音と共に1人の黒ずくめの男が王の元へ走る。
(これアサ〇ン・クリードのあのパティーンじゃねぇか!)
このままだと俺に罪が擦り付けられると思い 【瞬歩】で近づき
「神崎流格闘術︰【牙狼】」
男の鳩尾に掌打を打ち込み、男は来た道を戻るように飛んでいく。
途中で地面に落ち、止まった男は自分が飛ばされただけと思い体制を立て直そうとするが
「狼の牙は喰い込むものだぜ?」
瞬間、
水風船が弾けるような音と共に男は倒れた。
「・・・死んだのか?」
「いえ、死にかけですがまた生かしています。回復魔術を使えば明日には回復するかと」
俺は男の筋肉の一部を破裂させた。
そうすることで、戦闘意識が削がれると思ったからだ。
「ふぅ」
と、王が息をつく。
え?どゆこと?
「すまないな、試すような事をして」
「試す・・・とは?」
「あれは私が放った刺客でな。どのくらいの力があるのか見たかったのだ。」
よく見ると道案内してくれた執事さんだ。
あ、アワワワ。どうしよう、やっちゃったよ!
「良い良い」
そういい、チラチラと周りを見ると
「ハハハハ!君面白いね!」
!?
突如のキャラ変わりに困惑する俺
「あ、堅苦しいの無しでいいよ」
「え、えっと、はい?え?えっ!?」
「ちょっと君の話聞きたいな。少し会話しようか」
そういい、俺を引っ張って奥の部屋へ入っていった。
(え、あの人どうするの・・・)
「なるほど、闇の精霊王か」
なんだかんだ喋ってしまった。
もちろん、転生などは喋ってない。
「まぁ、そんな君に褒賞をあげようと思うがいまいち思いつかなくてね。何がいい?」
もはや親戚のおじさんのようである。
「え〜と、家がほしい・・・です。」
「家?ということは、ここに留まってくれるのかい?」
別に旅をしているわけでも無いし大丈夫だろう。
「はい、よっぽどのことがない限り出ていくことはまずないと思います」
「おぉ!それは助かるよ!しかも、そこ制服!アカデミーの生徒かい!?」
「い、いえ、入学は明日からで・・・」
(話それてるぅぅぅぅ!)
ずっとこんな調子である。
その後、1時間ほど話に付き合わされ
「いやぁ〜、君との話楽しかったよ。やっぱり堅苦しいのは嫌だよな〜ハハハハ」
「で、ですねぇ」
(解放される!よっしゃ!)
「褒賞は家でよかったね?思いっきり素晴らしいのを用意しよう!」
「はい!」
俺は後に後悔した。
日本で一般庶民として過ごしてきた俺の『素晴らしい』と国王の『素晴らしい』の差に気づけなかったことを。
「はぁ〜。やっと解放された」
俺はアカデミーに戻りながらしみじみ思っていた。
まさかこの歳で家を買うとは!
「しかも、女の子2人と!いや、まて。1人は幼馴染。もう1人は神。・・・・・・」
まともな娘がいない!
少し落ち込みながら戻っていると。
「あ、ほら!陽綺さん来まし・・・きゃっ」
「ハルーーーーっ!」
「グヘッ」
考え事してたせいか、夏純の接近に気づけなかった俺は衝撃をもろに喰らった。
「な、なにがあったんだ?」
夏純の尋常じゃない状態に戸惑いながら聞く。というか、あたってます。気持ちいいです。ありがとうございます。こいつと暮らせてうれしいです。
先ほどの考えなどどこかへ飛んでいき思考がユートピアへと
「陽綺さん!陽綺さん!」
はっ!俺としたことが・・・夢を見ていたようだ。
「どうしたんだ?」
「あとちょっとで夏純さんが王宮破壊しに行くところだったんですよ!?」
・・・はっ!?
「なんで!?なんでそんなことになってんの!?」
「あまりにも帰りが遅いから、陽綺さんが無礼な事してそのまま打首になったと思ったらしく・・・」
「ねぇ、それ1番無礼なの夏純だよね?」
さっと、目を逸らす2人。
「いや、流石にそんな無礼するわけないだろ?・・・してないよな?」
途中疲れて、タメ口だった気が・・・ま、まぁいいさ
「あ、そうそう。家貰えるってさ」
「本当ですか!?」
「本当本当。てか、夏純。いい加減はなれろ。じゃないとキスするぞー」
・・・いや、上目遣いでこっち見んな。
「・・・・・・」
「いや、冗談だからな?」
いまのドン引きするとこじゃないのかよ・・・。
また一つ勉強になっ・・・なった?
「とりあえず、宿に戻ろう」
「あ、そうそうハル」
復活した夏純が
「明日、7時までにアカデミー学園長室まで来いって」
「早くないか?てか、7時?この世界、時間の概念あるのか?」
「ありますよ?ほら」
そういい、エルナが指を指す先。
・・・時計台だわ。
「な、なるほど。それじゃあ明日から・・・また学生という地獄が始まるのか」
その一言に全員が笑った。
翌日、学園長室にて。
「3人には1-3のクラスに入ってもらう。空きがそこにしか無くてね。」
「「「はい!」」」
校舎は3階建てで1年は1階。2年が2階。3年は3階となっている。
「高校生リスタートか〜」
「でも、楽しみなんでしょ?」
「私も学生気分を味わえるの楽しみです!」
「いや・・・どうだろ。楽しみ・・・かな?」
複雑な気持ちとはこの事だろう。
たぶん、使いどころ間違ってるけど。
『1-3』と、書かれたプレートの前で止まる。
「ここか」
俺は教室のドアを開けた。
ブクマ、コメントお願いします!
ちなみにハルキに吹き飛ばされた執事さんはしっかり回復魔術を受けて生きてます!




