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転生チートの復讐劇  作者: 黒咲 夜羽
第1章 転生
14/51

14 魔王幹部第4階梯 アスト

とうとう夏純の登場ですね!

メインヒロインが登場したことでこれからもっと話の展開が凄いことになっていきます!


「私は気づいたら牢屋にいたの」

夏純は転生した時のことを教えてくれた。

「待って、とりあえずこれ着てくれ」

そういい、俺は着ていたフード付きマントを渡した。

「水着で説明されても・・・な?」

夏純は、顔を少し赤くしながらマントを羽織った。

「じゃ、じゃあ、説明するね」

そういい、コホンとわざとらしく席をし、説明を始めた。

「意識も記憶も怖いくらいハッキリしていたの。周りを見たら私の他にもたくさんの人が閉じ込められてたわ。暗くて狭い、本当に何も無いところだったの。とりあえず、氣を使って鉄格子を破壊できるか試そうとした時にアイツは来たわ」

「アイツ?」

「えぇ、アストって名乗っていたわ」

アスト、この城の魔王幹部の名前だ。

「アストは全員に、こう質問したわ。『あなたのお名前は?』って・・・」

「記憶が残っているかの確認か」

俺の問に夏純は

「そうみたいだった」

肯定した。

「自分の名前を言えた人は牢屋から出してもらえてたの。でも、私はどうしても嫌な予感がして記憶が無い振りをしたの。そしたら『なるほど、良い逸材だ。少し待っていたまえ。』そういって、他の人全員に聞き終えたあと、記憶がある人全員連れていかれたの」

「っ!どこに!?」

「・・・分からない。部屋の外だったから・・・。でも、1つだけ言える事があるわ」

夏純は真剣な顔で

「連れて行かれて人達をこの3日間それっきり見た事ないの。そして、アイツは夜中は絶対に自室にいない。こっそり、後をつけてみたら地下に行ってたの。地下室があるみたいで、私も入ろうとしたら・・・」

「・・・入ろうとしたら、どうしたんた?」

「中から断末魔が・・・聞こえてきたの・・・」

「・・・まさか」

「殺されてるならあんな声はしない・・・と思う。あれは、実験に使われていた・・・」

「な・・・うそ・・・だろ?いや、見てないんだよな?何でそんなこと言えるんだ!?」

「ハルは、下から登ってきたんだよね?」

「え、あ、あぁ。そうだけど」

見なかった?」

「っ!?お、おい、夏純。まさか、アレがだって言うのか!?」

「わからないよ!でも、そうとしか考えられないの!だって、連れていかれた人と同じ服を全員着てるなんて事あると思うの!?」

夏純がこんなに大きな声を出すのは珍しい。

「ごめん。ずっと1人だったんだもんな。こんな追い詰めるような事言ってごめん・・・」

「ううん、私こそ大声出してごめんね」

「ん、まて。アストはどこにいるんだ?」

「アストは、『野暮用』って言って出ていったわ」

「野暮用?」

おかしい、いくら何でもタイミングが・・・まてよ。なんで、アストがいないのにあんなに魔物の統率が取れているんだ?っ!まさか!

その時だった。



ドォォォォォォォォォォンンンンンッッッッッッッッッ



と、激しい爆発音。いや、衝突音がした。

「おやおや、ハエが1匹俺の部屋までたどり着いている様だなぁ〜」

屋根を突き破って侵入してきた城主。

(いや、自分の城だろ!?入口から入れよ!?)

アストは、城の中に着地すると同時に深々とお辞儀した。

「どうも初めましてぇ〜、魔王幹部第4階梯アストでぇ〜す」

舐めた口調で挨拶や話してくるアスト。しかし。

(なんだこの魔力量っ!夏純を上回ってやがる!)

そう、アストの魔力量は夏純を追い越していた。

「おやおやぁ〜?こっちが挨拶をしているというのに挨拶を返さないんでっー!?」



ギィィィィィィィィィン



と、突如鳴り響く金属の衝突音。

「なかなか速いですねぇ」

「お前が遅いんじゃねぇのか?」

軽い挑発。これが俺流の敵に対する挨拶・ ・だ。

「面白い。遊んであげようじゃねぇのぉ」

アストは、俺の復讐刃リベレーションを受け止めていた杖を振り抜き俺と距離を取る。

しかし、その距離は。


「神崎流抜刀術奥伝 ぜつ!」


一撃必殺。まさにそれが1番適している抜刀だろう。散咲波さざなみとは比べ物にならない速度の抜刀。体の向き、腰、肩、肘、手首、そして、敵まで近づく加速。全てをリレーすることによって素早さと鋭さのみを追求された必殺が完成する。それが、魔力により限界まで強化された体で行われる。まさに、神速の抜刀術だろう。しかし。

「ふぅ、危ないですねぇ。もう少しで死ぬところでしたよ」

そう、防がれていた。神速の一撃を。

「私は、いつも戦う時は体の周りに魔力障壁を随時張っているんですよぉ。マグレで命拾いしましたねぇ。」

見ると障壁が張られていた。しかも、1枚や2枚ではない。60枚近くが体を囲んでいた。

「なら、全部叩き斬るだけだっ!」


神崎流戦闘補助術 縮地しゅくち


アストの前に文字通り瞬間移動のような距離の縮め方をして。


「神崎流剣術奥伝 烈閃桜華れっせんおうか修羅しゅら


全ての戦闘をアシストする縮地。剣術の手数を重視した奥伝。人は意識と意識が連続で点滅しているようなものだ。縮地は相手の意識と意識の間に0からトップスピードに一気に上げ瞬時に死角に入り込む。

俺の計算だと修羅の一撃で2枚は破壊できる。修羅は30連撃。つまり、撃ち終えた後にすぐに斬れば俺の勝ちだっ!

一撃目、2枚破壊。2撃滅、2枚破壊。

それが続き30連撃目・・・魔力障壁に袈裟掛け斬りが命中し。障壁を削りきった。

「ここだっ!」

俺は、ほぼラグ無しで撃ち込んだ。

「【紫電】!」


神崎流細剣術 紫電しでん


構えから打ち出しまでが1番短い技。心臓を適確に狙い済ました一撃は、アストの胸に近づき・・・。小さな魔力障壁に弾かれた。

「んなっ!?」

「ふむふむ、君は強い」

急に褒めだした。

「しかし、圧倒的に実戦経験が足りていなぁ〜い」

「クッ!」

そうだ。60枚張っているから60枚が限界とは限らない。むしろ、突破された時を考えて予備を持つのは当然の事だ。言い訳じゃないが、ここに来るまであの平和な世界、日本に居たんだ。実践なんてする機会すらないあの環境。そこから、ここまでの戦闘ができる分他の奴らよりも才能と呼べる何かがあったのだろう。しかし。

「才能の持ち腐れだねぇ」

そう、どんなに腕力が強くてもボクシングが強いわけじゃないのと同じ。経験が足りていないのだ。打開策を発案する発想力・・・あらゆる可能性の想定・・・足りないものが多過ぎたのだ。

今の会話の中で、既にアストの障壁は全て元通りになっていた。さっきの会話も時間稼ぎだったのだろう。まんまとめられた。

(マスター、大丈夫です)

えっ?

(経験を打ち砕くほどの力を・・・今あなたは手にしているじゃないですか)

手元には1振りの剣。復讐に染まった・・・いや、復讐心によって生み出された復讐刃リベレーションとイヴだ。

(血が頭に上るのは分かりますが考えてみてください。私は反物質を生成できる精霊王、出来ることは多いはずです)

そうか・・・。なるほど、簡単な話だ。

障壁が邪魔なら、障壁ごとに消し飛ばせばいい。


「イヴ、行くぜ」


(はい、マスター。あなたの御心のままに)


復讐刃リベレーション 【ナイトメアライン】!」

復讐刃リベレーションの刀身から闇色のオーラが溢れ、刀身を包むに収まらず、刀身が20m近く拡張された。

「ま、まさか、お前っ!」

アストもこれがどんな物かを理解したのだろう。

「や、やめろぉぉぉぉぉぉっ!」

何重にも張られる魔力障壁。その数89枚。普通なら破壊できない魔力障壁でも。

「オラァァァァァァァァ!」

横に一閃。

普通ならここまでデカイ刀身だと遅く、回避も容易いだろう。しかし。


神崎流大剣術 大凪おおなぎ


テコの原理を利用した様なバランスで重い剣を素早く振る。

アストの魔力障壁は全て叩き斬られ、アストの上半身と下半身がサヨナラしていた。

長すぎる刀身によって、城の俺の腕より高い位置が全て切断された。

「クッ、ガハッッ・・・はぁ、はぁ・・・、まさか、闇の精霊王・・・とはな・・・」

「お前からは、いろいろ勉強になった。感謝したいくらいにな。」

このままこの世界で、実戦経験摘まずに生きていたら確実に死んでいただろう。その面ではこいつには感謝だ。しかし。

「お前が人にやった事は許されることじゃない」

「ハァ、ハァ・・・ッガハッ・・・俺を倒した褒美に教えておくが・・・そいつを・・・転生させたのは・・・ハァハァ・・・俺の・・・意思じゃ・・・ねぇ・・・」

「なに?」

「魔王様・・・直々の命令さ。いや、今は新魔王様と・・・いったほうが・・・いいか・・・」

「新魔王?どいうことだっ!」

「・・・知りたいか?なら、魔王様に・・・直接会いにいくんだな。」

「てめぇ・・・」

「幹部全員を・・・倒せたら・・・可能性は・・・ある・・・と・・・思う・・・ぜ・・・」

「おい、まだ」

アストからは完全に死んでいた。そこに、階段から大量の足音が聞こえる。

「夏純、俺の後ろに隠れてろ」

夏純にそう指示し、階段に注意すると。

「あ、いたぞ!」「おい、誰か倒れてるぞ!」「あれ、幹部のアストじゃないか!?」「あいつ、1人でやったのか!?」「いや、もう1人いるぞ!」

と、様々な声が飛び交う。

1階から登ってきた冒険者達のようだ。

「どうやら助かったみたいだな」

夏純に優しく声をかける。

「うん、やっと解放される」

夏純は嬉しそうに笑顔を向ける。

あぁ、どうして気づかなかったんだろう。

人は失ってから初めて気づくことがあるという。

俺は、それを実感した。

(俺、夏純の事が・・・)

そこで、俺の意識はプツンと切れた。

「ハル!ハルッ!ハ・・・ッ!・・・・・・ッ!」

次第に声が遠くなり、やがて暗い意識の底へ落ちていった。

これで、第1章が完結の予定です。

第1章を転生編とするなら第2章はいよいよ学園(アカデミー編)です!

あと、ブクマしてくれた方達ありがとうございます!物凄くうれしくてモチベがかなり上がりました!笑

もし、初めての方でも気に入ってもらえたり、少しでも面白いと思って頂けたのならブクマしてもらえると嬉しいです!

もっと、上手に書きたいと思うので良ければコメントお願いします!

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