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5 初期装備ですって奥さん
「勇者様!テラスからの見晴らしが綺麗なのはわかりますが、初期装備を受け取りに行きましょう!」
その言葉で我に返った僕は現在宝箱の前にいます。
宝箱を実際にあける日が来るだなんて夢にも思いませんでした。
わたくし年甲斐もなく少々興奮しております。
いざ!宝箱オープン!
パカッ
お・・おおお。地味だ。
中に入っていたのはお金の入った布袋に、皮の鎧と鉛色に鈍く輝く剣。俺のワクワクを返せ。
まあ初期装備だからしょうがないとは思うものの、なんだかあんまりじゃないかとも思う。だって魔王退治しろっていう割にこれはあんまりじゃないか!よくありがちなRPGに対する不満がリアルに体現されておる!しかしながらそれも甘んじて受け入れてしまっているのはゲーム世代だからでしょうか・・・。
しぶしぶ皮の鎧を着たがある事に気づいた。これ誰かのお古だ。すっぱい。
柔道場のにおいがする。そして鉛色の剣に関しては柄の部分に名前が掘ってあった。おまけにだ、鏡を見て気付く。上は皮の鎧。下はすっかり薄くなったスウェット。
凄く・・・ダサいです・・・。