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4 もうなんか開き直った

なんだか遅刻とかどうでもよくなってきた。

勇者という言葉を真に受けた訳じゃないけれど、目の前に広がる景色を見ればこんなありえない状況を受け入れざるを得ない。


ボーラ城のテラスから見下ろすと、映画のセットだとか、どこかのテーマパークだとか、そんな風に考えていたものが全て払拭されてしまった。

眼下には決して清潔な雰囲気とは言い難いものの、遠目に見ても香ばしそうなパンを店に並べ、威勢の良い声を飛ばす婦人に、色鮮やかなフルーツを器用に積み上げられた奥には、置物のようにかたまったままの店主。買い物をしている人々の隙間を縫うように子供達が駆け回る。そんな活気あふれる城下町が広がっていた。

そして城壁の先に視線を移せば、緑一色に塗り広げられたような草原に、太古の昔から育ち続けたような森、青空の下そびえたつ山々とは対照的に、一際高く今にも噴火しそうな山は周囲の空を重く染めていた。息をのみ遠くを見続けているとテラスの縁に何かが降り立った。それは炎を体現したような、なんとも形容しがたいものであったが、目を奪われるような美しい鳥だった。


勇者と呼ばれることに関しては未だに疑問が残るものの、今目にしている光景は現実なのだと思い知らされてしまった。遅刻というものがどうでも良くなると同時に少しワクワクしている自分がいる。本来であれば慌てたりするべきなのかもしれないけれど、元来物事を深く考えない俺にとってはその程度の事なのだ。


というかめっちゃワクワクする。冒険?勇者?ニア?ニアがお供!?ヒャッホーーーーーーーーーーイ!


仕事しなくて良い上に彼女ゲットーーーーーーーーーーーーーーーー!



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