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幸せが約束された白色の婚約はその嘘により手から零れ落ちる。  作者: 唖々木江田
逃げ場の無い黒色の婚約は執着により旅立ちを迎える。

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「お父様達はこれからパフィーレン姫様のお輿入れでお忙しくなるのですよね?何故日程が延期ではなく、こんなに余裕がない日程で変更になるのですか!?!」




婚姻式は準備に10日も残されていない程に前倒しされ、既に公将家によって日取りの変更についての案内は各将家に送られていると言う。

その予想もしていなかった話に、不満が入り混じった疑問を口にすると、父は呆れた顔で首を左右に振り口を開いた。




「……順番に説明をしようとしている!少し黙って聞けないのか!…婚姻式の予定が早まったのは光家の呪い師達(キロマンテラー)がニ日に渡り日取りを導き出したからだそうだ。」




「?……光家の…呪い師達(キロマンテラー)が?…光家と関係の無い婚姻式の日程を占ったのですか?……それは事実ですか?」




その説明で疑問は更に深いものになり、最早スヘスティー公将家が捏造した話を父は聞かされてきたのではないかと疑ってしまう程だった。




(…そんな事できるのかしら?)




光家の呪い師達(キロマンテラー)はその名の通り光家の吉凶や政の占いを行う為だけに存在している小集団で、表舞台に姿を現すのは稀だが、式典などで見かけ彼らは頭まで覆う淡桃色の装束に、濃桃色の帯を腰に巻き、顔を長い白色の綿布で隠していた。

その素性は光家の者しか知らず他から見れば謎に包まれた存在だった。




「はぁ…。まぁ、そうだ。」




「………。」




(パフィーレン姫様が婚姻相手なら分かるけれど…?でも、光家の方々が婚姻式に参加される為に吉凶を呪い師にお願いされたのなら、何とか納得は出来るけれど、それならパフィーレン姫様のお輿入れが終わってからの方が……)




このあり得ない現状に答えを求めたいが、小さな溜息を吐いた父の姿に黙り込み、勝手に憶測を巡らせる。




「ボイティよ、お前も光家と三公将家の結び付きが強いのは知っているだろう?」




「?はい。」




「パフィーレン姫様の婚姻によって忙しくなるだろうからと、光家の家長様がスヘスティー公将家に婚姻祝いで欲しい物を尋ねられたそうだ…。」




「……はあ。」




「その際に、ファーレ殿が直近でお前との婚姻の良き日を光家の呪い師達(キロマンテラー)に占って欲しいと望んだらしい……。」




「!!?!!?!!?」




当たり前の事を聞かれ憮然としたが、父が少し悩みながら口にした今回の顛末は想像した以上に衝撃的なものだった。




(一体あれは何なの!?頼まれたからと言って光家以外の人間を光家の呪い師達(キロマンテラー)が占ったなんて、何処からも聞いたことが無いわ!)




この国のみならず諸外国の要人でも、その導き出される精度の高い結果に、占いを望む者は多くいたようだが、光家家長は柔和な笑顔で話を流し、誰一人その望みが叶った者はいないと、サロンで耳にしたことがあった。




「今回、何故占ってくれたのかは、スヘスティー公将家家長様も理由は分からないそうだが、パフィーレン姫様のお輿入れも重なり、光家家長様に何か思う所があったのではないかと言っていた。勿論他言してはならないぞ。聞いているのか?…本当にお前を会談の席に着かせなくて良かった。これじゃあ話が先に進まなかったな。それと……」




そのまま呆れたように話しを続ける父の言葉は、目の前ではなく、まるで水の中で聞いているかのように遠く響き内容が耳には入ってこなかった。




執務室から出た後も、まだ呆然とする頭は、取り敢えず婚姻式の日程の変更をモイヒェルに伝えなければと、握らされたあれからの手紙を手に部屋に戻り、日程変更のみを書いた手紙を、呼び出した伝書バトに括り付けて放った。




(それにしても高々公将家と子将家の婚姻式の日取りを頼まれたからと言って、何故国が誇る光家の呪い師達が占ったの?…光家家長様に思う所が有ったとしても不自然すぎるわ……。)




その後スルジャが用意したお茶を部屋で一人飲みながら、考えても仕方が無い事に頭の中は支配され、悩み続けたが、ふと大事な事に気がついた。




(怒涛のように過ごしているけれど、まだ学院を卒業して6日しか経って無いじゃない!!……このままでは教師も付けずに終わってしまうわ……。)




元々嫁ぐ予定で卒業後は花嫁修業の最終確認の為にほとんど予定は入れていなかったが、侯将家と公将家では内容が違いすぎると教師に辞退され、現在変わりの教師が決まるのを待っていた。

しかし、婚姻が早まる事で、何も確認されずに嫁がなければならない不安と苛立ちに、“親愛なる僕の人魚と”書かれた手紙を読むこと無く破き捨て、寝室でありったけの枕を投げ散らかした。




ーーボッフ!…トサッ!




最後に投げた枕が虚しく床に落ちる音を聞きながら、私はとうとうこの思いを叫ばずにはいられなかった。



「アイツは一体どれだけ私の予定を邪魔する気なのよーーーーーー!!!!」


その叫びは誰に届くこともなく、静まり返った部屋に虚しく響いた。


ーーーーー


ーーーー


ーーー


ーー


ーーバサッ!バサッ!


(はぁ…。また駄目か……。)



皆様新年あけましておめでとうございます。

今年中にこの話を書き終えて次を載せる!!と意気込んでおりましたが度重なるアクシデントに心が折れてしまいました。

ただ安心して下さい。

基本的に機械音痴な私と猫が何かよく分からないボタンを押して勝手に青ざめているだけです…。

ですので来年もこのお話にお付き合い下さると嬉しいです。


そして以前混ぜて投稿していた話よりも、流れを戻した加筆内容になっているで伝わりやすくなっていると思いますがいかがでしょうか?

ただ一つ悩みなのは…加筆したものを投稿している内にこのお話って恋愛なのかな?と少し疑問が湧いてきたところです。

でも、恋愛と名がつく形に進む道は一つじゃないよね…?と言い聞かせながら載せてます。

黒色が終わり次のお話を投稿次第前のお話は下げますが、初投稿から温かな反応のお陰で再び投稿をする事が出来ております。

ありがとうございます。

始める時に焦りすぎて何もご挨拶が出来ませんでしたのでこちらに書かせて頂きます。

それと、題名間違えていたので修正しました…。

今後も楽しんで頂けますと幸いです。

では、皆様にとってよい年でありますように。

では、おやすみなさい。

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