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幸せが約束された白色の婚約はその嘘により手から零れ落ちる。  作者: 唖々木江田
幸せが約束された白色の婚約はその嘘により手から零れ落ちる。

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振り払われた自分の手を確認しながら、愉しそうな笑みを深めて畳みかけてくるファーレのどこか気持ち悪さを感じる表情に、また雰囲気に呑み込まれそうになるのを必死に耐える。



そして婚姻を結ぶ以上は求められるだろう逃げられない問題についてなら、確実にこの婚姻申し込みを撤回するしかなくなるだろうと、足に力を込めて射抜くように相手を睨むように見据える。




「そう、なら!嫁ぐにあたって白い婚姻でと言ったらどうするの?それとこれは私の意向で、エクソルツィスムス子将家には関係ないことよ。」




何でも叶えると言うが、流石に嫁いでも責任も責務もこなさい花嫁など論外だろう。




ただ作り話()で呼び出されてここまで連れて来られているファーレに、どんな思惑があるかは知らないが、何故かこの作り話()を真実にしようとしてくる彼が怒り狂い、虚仮にされたと父に責任を追及される可能性も高く、あくまでも自分個人の意思だと先に主張した。




(家にかかる責任の取り方なんて分からないけど、個人でなら、エクソルツィスムスの名を捨てた後で考えれば良いわ。)




ファーレから愉しそうな笑みが消え、手を口元に寄せ、視線を斜め下に向けたその仕草と表情に、ようやくこの茶番が終了しそうな気配を感じ取り、相手を見つめたまま扇で口元を隠しため込んでいた息を吐くと、今尚悩み続けている相手が口にするその答えに期待を込めた。




「………流石にそれは、理由を聞かずに直ぐに良いよとは言えないけれど、それなりの理由があるなら勿論君の望みを叶えるよ。」




「…………。」




「それともし子供が出来ない事を想像しての話しなら、養子を取れば問題ないし、ちゃんと2人で話しをしていこうよ。ふふっボイティの望むことを僕が全て叶えてあげられそうで、嬉しいな…。ほら、ボイティ後は?」




相手がようやく出した答えはやはりとも、意外とも、言えないものだった。




ただ、確かになったのは、別の道に通じる筈の自分の後ろにあったはずの道は崩れ落ち、道のない崖に落ちるか、目の前の人物の腹の中に入るしかない状況まで追い込まれている事だけだった。




(今、ここで理由を言った所で、そんな事は気にしないよと、返してくるのは目に見えている。これ以上の理由……だめだ▓▓▓▓はきっと私が言った事を全て叶えてしまう……。ならいっその事……)




足元が音を立てて崩れていくのが分かり、これの腹の中に入るくらいなら、道連れにして崖から落ちようと、全て嘘だった事を告白するために、父の方を振り向こうとしたが、素早くファーレに両腕を取られた。その不愉快な行動に、上目遣いで見上げたファーレ顔は、見たことの無い柔和な表情にをしていて背筋が凍った。




「【今この場での話しで終わりそうに無いのなら、使いを頼んで父を呼んで貰っても良いんだよ?そうなれば君が何故僕を呼んだのか、理由を父にしっかり説明できる。そうなれば、最後の意向はボイティ(子将家)(公将家)の話しになる。きっと困る事になるよ?それなら今ここで話しを終わらせた方が良いと思わない?】」




顔を近づけ耳元で囁くその言葉に誰がとは聞かなくても直ぐに分かる。




そして、呼ばれたらどうなるかは火を見るより明らかだった。




(この▓▓▓▓…本当に何が目的なの?)




「………。」




耳元からまた正面に戻ったファーレの変わらない表情に、取られた腕を先程のように振り払う事もその言葉に何か返すことも出来ず、ただ黙って睨見つけるしかなかった。



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