カレーと魔女
えっ、カレー?
(カレーって異世界にもあるの?)
タケルが宿に戻ると、ナターシャが声をかけてきた。
おかえり、タケルさん。お昼食べてく?
もうそんな時間か。
ふと気づくとカレーのいい匂いがただよっている。
はい、いただきます。あの、お代は…
銅貨2枚、前払いだよ。
とナターシャ。
タケルは巾着袋から硬貨を取り出して、
これ、銀色だし、銅貨じゃないよなぁ…。
と悩んでいたら、ナターシャがタケルの手から硬貨を1枚持って行った。
銀貨なら一枚で大丈夫だよ。お釣り渡すからちょっと待ってて。
そう言ってナターシャは厨房の奥に入って行って、お釣りの銅貨8枚を持ってきた。
銀貨1枚で銅貨10枚なんだ。
金貨もあるのかな?
おかみさんがお皿にご飯を盛ってカレーをかけて、茄子と半分に切ったゆで卵のトッピングをのせてくれた。
ごくり。美味しそうだ…。
タケルがカレーを味わっていると、隣のテーブルでも妖しい人物が美味しそうにカレーを食べていた。
そのいでたちは…絵に描いたような魔法使い用の帽子とローブ。
どちらも濃い紫色で、帽子にはオレンジ色のリボンが巻かれている。
ローブの内側からはオレンジ色のベルト?がのぞいている。
先の尖った黒い靴。紫色のきれいに整えられた長い髪。
テーブルには先がクルッとなった杖が立てかけてある。
ハロウィン用のコスプレ衣装みたいだ。
タケルがそうつぶやくと、魔女が振り向いた。




