目覚め
ついに異世界に転生したタケルは…
ん〜、ここはどこだ?
翌朝、西園寺タケルが目を覚ますと、見知らぬ部屋にいた。
小さな窓から朝陽が注いでいる。いい天気だ。
ぴーっ、ぴーっ、と小鳥?の声が聞こえる。
そういえばあのクソ女神、早起きがどーたら言ってたよな。
女神との会話を思い出して、タケルはベッドから起き上がった。
部屋の隅に小さな机と椅子がある。
机の上には小さな巾着袋。
これ、もらっていいんだよね。
中には、硬貨が10枚と、小さな黒いキューブが1つ入っていた。
3cmぐらいの大きさのキューブは、使い道がわからない。
少しさわってみたが、何も起きなかった。
巾着袋を懐にしまって、部屋を出る。
今出た部屋の入り口には「りんどうの間」と書かれた札がかけられていた。
右隣は「ききょうの間」、左隣は「つばきの間」。
まあ、隣の部屋の名前なんてどうでも良い。
「ききょうの間」の先の「ひまわりの間」のさらに先に、下に降りる階段が見える。
ちょっと待て。何か違和感…。
「ひまわりの間」の文字だけ字が下手?
そして、他の部屋のは木の札に部屋の名前が書いているのに、「ひまわりの間」だけは札に貼られた紙に書かれてた。
…ま、いっか。
階下に降りていくと、小学校低学年ぐらいの女の子と目が合う。
あ、お客さん、早いねー、おはよー。
朝ごはんはもうちょっとだからその辺に座って待っててねー。
ナターシャの元気な声が響く。