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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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93/335

お試しにも程がある 93

 「動かし方はこんな感じ。

 覚えた?」

 一通り動作を教えて、やって見せる。

 隣にデックスを乗せて、レクチャー。

 何だかデジャブな感じだけど、まぁ良いか。

 実際にデックスがやってみることになったが、身長差があったからもしかしてとは思ってたけど、ペダルに足が届かないし前を見るのも難しかった。

 「意外に難しいもんだ。」

 デックスはやれやれという感じだったが、俺は乗れる方法を考えた。

 そうだ、デックスサイズにすればいいんだ。

 試しに縮小してみる。

 少し小さくなった車に、もう一度デックスが乗ってみる。

 「ほぅ、これなら出来そうだぞ。

 拓海、隣に乗ってくれ。」

 エンジンをかけてない車で操作方法を確かめたデックスは、俺に声をかけた。

 助手席に乗り込むと、ちょっと狭いがなんとか乗れる。

 こっそり屋根を高くして、何事も無かったかのような顔をする。

 早速デックスは、ブレーキ踏みながらエンジンをかけ、シフトをパーキングからドライブに変更し、ブレーキから足を外してアクセルを踏む。

 1つずつ確認しながら操作して、ゆっくり進む。

 慣れてきてスピードも上げる。

 ハンドルの動きと車の動きを確認しながら操作して、右に曲がったり左に曲がったり、ぐるっと一回りしてみたり。

 隣に乗ってわかったけど、自分の運転じゃないと酔いやすいかも。

 オロチの時は早いけど緩やかな動きから大丈夫だったのかな。

 平面でジグザグは結構くる。

 端まで行くことはなかったが、気が済んだのか元の位置まで戻ってきた。

 「これは面白いな!

 俺もこんなの作りたいぞ。

 全く同じは確かにできんが、俺流でやる。

 ん?どうした拓海。」

 「…だ、大丈夫。

 なんでもないよ。

 楽しんでくれて何よりだ。」

 「そうか?なら良いが。

 参考資料、大事に使わせてもらうよ。」

 「うん、宜しくね。

 じゃあそろそろ帰るよ。」

 「何だ、急だな。

 遅くまで済まなかったな。

 また必ず来てくれよ!」

 「勿論、また来るよ。

 あ、忘れてた、ここの鍵ね。

 無くさないでよ。

 じゃあね!」

 そう言うと転移魔法で家に帰還、鍵を手にしたデックスを最後に見た。

 家に着くと、倒れるようにソファに座る俺。

 みさとは水を入れたコップを持ってきてくれた。

 「大丈夫?たっくん、顔色悪いよ。」

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