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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫
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お試しにも程がある 81

 「うわぁ、わかってたけど広いねぇ!」

 「こんなに広いとはな。」

 「でも船出せないんでしょ?

 水上輸送とかできないんだよね。」

 「そんなこと言ってたな。

 魔物が住んでるかもよ。」

 そんな話をしながら、湖の上を車で飛んでいる。

 ひょんな話から、湖の広さを確認しに行こうとなったのだ。

 確かに、ラルゴからもミストラルからも向こう岸が見えないし、かなり広いんだとは思う。

 車で向こう岸まで行ってみることにした。

 一応対岸にはドワーフが居るそうな。

 その昔誰かが訪ねた時に、時計を貰って街に設置したものが今でも動いているとか。

 他では見かけないが、動力源は謎だった。

 修理とか調整とかしてないと聞くと、どんだけ高性能なんだと疑いたくなる。

 そんな物を創り出したドワーフに会ってみたい。

 好奇心の赴くままに、車を飛ばしてきた。

 だが、この湖は不思議だ。

 魚影は全く見えず、船もなく、何も浮いてない静かな湖面。

 深さで青の濃さが違うのか、神秘的な感じもする。

 「世界の果てまで行けるのかなぁ。」

 「いやいや、行くのはドワーフの国だから。」

 「すごい技術のある人達なんでしょ?」

 「らしいよ。

 楽しみだね。」

 車は自動運転にして、おやつや飲み物を楽しんでいる。

 シビックの口は、食べる方に忙しいようだ。

 車を走らせてから2時間程で、対岸が見えてきた。

 「おぉ、やっと見えてきた。」

 「ねぇ、何処に降りるの?

 勝手に降りて良いのかな?」

 「それな。

 降りて怒られたら謝ろうと思う。」

 2人で笑いながら、近づいてくる陸地に目を移した。


 なるべく人の居なさそうなところに降りたつもりだが、早速近寄ってくる小さな人影が見えた。

 「すみません、何処に降りて良いかわからなくて、勝手に降りました。」

 「そんな事はどうでもいい!

 これは何だ?どういう仕組みだ?」

 その人は、車をマジマジと見て回る。

 透明化しとけば良かったな。

 見えないだろうと手を抜いたのが間違いだった。

 「すみません、俺は拓海といいます。

 こっちは妻のみさとです。

 お名前聞いても良いですか?」

 「あぁ、俺はデックス。

 なぁ拓海、これは何というものなんだ?」

 「車だよ。

 本来は地上を走るものなんだ。

 俺は魔法使って飛んできたけど。」

 「何、地上を走れるのか?

 やって見せてくれ!」

 こんなものにも興味持つのか、流石ドワーフ。

 「後ろでよければ乗ってみる?」

 「良いのか?是非頼む!」

 「目的地あればそこまで行くけど、どうかな?」

 「それなら、家へ来てくれ。

 歩くと30分位で着くところだ。」

 「じゃあ後ろに乗って。

 道は教えてくれる?

 この車の幅で通れる道が良いんだけど。」

 「そうだな。

 森を抜ければ原っぱみたいなもんだが…」

 「森を抜けるまでは飛んでも良いかな?」

 「願ってもない!宜しく頼む。」

 「因みに、また誰かに見られる可能性あるよね。

 透明化の魔法もかけようか。」

 「それは心配ない。

 この湖周辺は、安いが人気はない。

 湖の潮で錆が出やすいからな。」

 

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