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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 79

 「美味しかったです、みさとさん。

 ブレイドさん、新米良いですね。

 想定より売上上がってお米の消費も上がっているので、今後も買付の量増える筈です。

 これからも宜しくお願いしますね。」

 「任せろ、クレスタ。

 隣近所も売れて喜んでる。

 品質は確認して渡すから安心しろ。

 この辺り一帯で、美味いもの作ったところから声をかけると言っているから、皆張り切ってるぞ。」

 「上手いなぁブレイドさん、頼もしい。」

 2人で握手して、これからの商売も順調に行きそうだ。

 試食後余ったおにぎりを見て、みさとはふと思った。

 おにぎりなら、災害現場でも食べやすいのではないかと。

 「クレスタさん、ブレイドさん。

 この余ったおにぎり、一度リュックに入れても良いですか?」

 「あぁ、別に構わないぞ。

 美味いから、うちの者にも食べさせたいと思ってたところだが。」

 「はい、入れたら直ぐお返ししますね。」

 「どうしたの?みさと。」

 「今日の災害現場に持っていったら喜ばれるかなぁと思ったんだ。

 現地の人には食料持っていったけど、現地に入った職員さん達は何もなさそうじゃん?

 おにぎりなら簡単に食べられるかと思って。」

 「成程ね。

 クレスタ、先にメニューバレするけど大丈夫?」

 「そういうことに使うなら、問題ない。

 寧ろ、あの時の味だって言うのが宣伝になるかもね。」

 「了解。

 クレスタとブレイドからの提供と伝えるから、宜しくね。」

 「俺は何もしてないが、そういうことになるのか?」

 「美味しい新米提供者じゃないか。

 いいかな?」

 「そうか、そうなるのか。

 俺は構わないぞ。」

 「ありがとう。

 じゃあ両者の了解も貰えたし、行こうかみさと。」

 リュックからおにぎり出してブレイドに手渡していたみさとに声をかけた。

 「クレスタ、戻ってくるから待ってて。」

 「わかったよ。

 馬車に荷物積んどくね。」

 みさとと2人で、災害現場へ転移した。


 物資が持込まれて一段落はしていたが、職員達は疲れた様子を見せていた。

 「お疲れ様です。

 職員の皆さん用に食事持ってきましたが、如何でしょうか?」

 「えっ、ホントですか?

 誰か帰って持ってくる算段をしてましたよ。

 頂けるのであれば、凄く嬉しいです!」

 「良かった!出しますね。」

 「因みに、品物は商人のクレスタと米農家のブレイドからの提供です。

 俺達は持って来ただけですので。」

 ここに来る前に増やしておいたおにぎりと、寸胴の味噌汁を出す。

 お椀とスプーン、それに手で持つためにキャラメル包むときに貰った油を通さない紙も出す。

 温かい味噌汁を口にして、ホッとした面持ちを見せる一同。

 最初は見慣れないおにぎりに戸惑いつつも、食べてみたら美味しかったのかどんどん食べ進める。

 食事を済ませた職員が、他の職員と交代に行くようだ。

 「ご馳走様でした。

 これでこの後も頑張れる!」

 

 


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