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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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78/335

お試しにも程がある 78

 「早速握っていきましょう!」

 中に入れる具も周りに巻く海苔、塩も用意。

 炊けたご飯を釜ごと持ってきたブレイドを見て、みさとはボウルに水を入れる。

 ご飯をほぐし、作りたい種類分に分ける。

 まずは塩むすび。

 ブレイドも握るのを手伝ってくれた。

 鯖と鮭は、中心に大きめのものを入れるのとほぐした物をご飯に混ぜ込む2種類ずつ。

 炒り卵を混ぜたおにぎり、中に生姜焼きを詰めたもの、天むす、唐揚げおにぎり、おかかと醤油を混ぜて焼おにぎりにもする。

 あっという間にお釜のご飯も空になり、沢山のおにぎりができた。

 「作りすぎたかな?」

 「みさとさん素晴らしい!

 次回の新商品は決まりですね。

 みそ汁とセットがいいかなぁ。」

 「お漬物も付けるとなお良いですよ。」

 「おぉ、新米限定にしようかと思ったけど、通年行けそうだ。

 後でまた担当者との打合せの時間取りますね。

 拓海さん、調整お願いね。」

 「はいはい。

 今は味見が先だよね。」

 「美味そうだなおい。

 みそ握り以外にもこんなふうに出来るとは。」

 見た目も違うおにぎりの山を、まじまじと見るブレイド。

 「新米の美味しさも引き立つよね。

 おにぎり大好き!」

 寸胴に作ってあったみそ汁をリュックから出すみさと。

 俺が温め、みさとがお椀に持って配る。

 皿と箸を各自に手渡し、試食開始。

 「塩むすびは新米の美味しさが分かりやすいよね。

 噛んでると甘みが広がって美味しい!」

 「この海苔ってやつも良い香りだな。」

 「相変わらず鮭美味いね。

 俺はかたまり派かな。」

 「混ぜ込んでる鯖も美味しい。

 魚を変えて店に出せるか試さないと。」

 それぞれ好きな物を手に取り、食べ始める。

 みさとの2つ目は、天むす。

 「たれがご飯に染みて美味しい!」

 「今回は玉葱だけど、他の天婦羅入れても美味しいよね。

 素材によっては塩でも良いかもね。」

 「たっくんそれ有りだ。

 かぼちゃとかさつま芋も良いかもね。

 流石に海老はないからなぁ。」

 「あはは。

 魚介の天婦羅出来たら、幅が広がるね。」

 「そうなの?ボンゴさんにとって貰えば出来るの?」

 「とり方が特殊だから、安定供給は難しいんじゃないかな。」

 「そうか、残念。

 一応後で聞いてみよう。」

 そんな話をしている間に、ブレイドは試食をどんどん進める。

 「この肉の入っているのも美味いな。

 味が濃くて飯が進む。」

 「生姜焼きかな?

 香りもいいしね。

 おかずでも美味しいけど、おにぎりにも合うよね!」

 「唐揚げも食べ応えあるね。

 これもまた美味しい。

 店の塩唐揚げでも良いかも。」

 「炒り卵はほっとする味だね。

 胡麻もプチプチしていい食感。」

 「しまったたっくん、梅干し作らないと!」


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