お試しにも程がある 78
「早速握っていきましょう!」
中に入れる具も周りに巻く海苔、塩も用意。
炊けたご飯を釜ごと持ってきたブレイドを見て、みさとはボウルに水を入れる。
ご飯をほぐし、作りたい種類分に分ける。
まずは塩むすび。
ブレイドも握るのを手伝ってくれた。
鯖と鮭は、中心に大きめのものを入れるのとほぐした物をご飯に混ぜ込む2種類ずつ。
炒り卵を混ぜたおにぎり、中に生姜焼きを詰めたもの、天むす、唐揚げおにぎり、おかかと醤油を混ぜて焼おにぎりにもする。
あっという間にお釜のご飯も空になり、沢山のおにぎりができた。
「作りすぎたかな?」
「みさとさん素晴らしい!
次回の新商品は決まりですね。
みそ汁とセットがいいかなぁ。」
「お漬物も付けるとなお良いですよ。」
「おぉ、新米限定にしようかと思ったけど、通年行けそうだ。
後でまた担当者との打合せの時間取りますね。
拓海さん、調整お願いね。」
「はいはい。
今は味見が先だよね。」
「美味そうだなおい。
みそ握り以外にもこんなふうに出来るとは。」
見た目も違うおにぎりの山を、まじまじと見るブレイド。
「新米の美味しさも引き立つよね。
おにぎり大好き!」
寸胴に作ってあったみそ汁をリュックから出すみさと。
俺が温め、みさとがお椀に持って配る。
皿と箸を各自に手渡し、試食開始。
「塩むすびは新米の美味しさが分かりやすいよね。
噛んでると甘みが広がって美味しい!」
「この海苔ってやつも良い香りだな。」
「相変わらず鮭美味いね。
俺はかたまり派かな。」
「混ぜ込んでる鯖も美味しい。
魚を変えて店に出せるか試さないと。」
それぞれ好きな物を手に取り、食べ始める。
みさとの2つ目は、天むす。
「たれがご飯に染みて美味しい!」
「今回は玉葱だけど、他の天婦羅入れても美味しいよね。
素材によっては塩でも良いかもね。」
「たっくんそれ有りだ。
かぼちゃとかさつま芋も良いかもね。
流石に海老はないからなぁ。」
「あはは。
魚介の天婦羅出来たら、幅が広がるね。」
「そうなの?ボンゴさんにとって貰えば出来るの?」
「とり方が特殊だから、安定供給は難しいんじゃないかな。」
「そうか、残念。
一応後で聞いてみよう。」
そんな話をしている間に、ブレイドは試食をどんどん進める。
「この肉の入っているのも美味いな。
味が濃くて飯が進む。」
「生姜焼きかな?
香りもいいしね。
おかずでも美味しいけど、おにぎりにも合うよね!」
「唐揚げも食べ応えあるね。
これもまた美味しい。
店の塩唐揚げでも良いかも。」
「炒り卵はほっとする味だね。
胡麻もプチプチしていい食感。」
「しまったたっくん、梅干し作らないと!」




