お試しにも程がある76
「それでは移動しまーす。」
職員たちが準備する間、飲み物やおやつを食べて待つこと20分。
序なので追加物資も用意したのと、移動要員を纏めて連れて行くことになった。
先程対応した山中の開けた場所に移動。
毛布に包まった人達が多くいた。
いきなり現れたのでびっくりしたようだが、希望してた物資もあるとわかり、大喜び。
薬・包帯・松葉杖・追加の食料等々。
一緒に行った職員達は直ぐ様動き出し、対応に当たった。
山を降りる希望あるか聞いてみるが、やはり居なかった。
もう大丈夫とのことで、俺達は先に戻った。
元の世界なら自治体とか政府とかで、救助隊やら仮設住宅とか用意するけど、こっちはそこまで無いんだなぁ。
魔法で移動できるのがこんなに楽だとは、思ってもみなかった。
普段使いしてるから、ありがたみが減ってきたかな。
取り敢えず、任務完了で冒険者ギルドに戻った。
一応報告して、終了。
受付した職員はやっぱり呆れ顔だった。
「あの人数の転移って、凄いですね。」
「いや、レジアスでも出来るし。」
「それ、比べちゃいけない人ですよ。
一般人じゃないし。」
「あれ、俺は?」
「一般人…ですかね?」
何故疑問形?
「まぁ、今回は本当に助かりました。
急な依頼受けていただき、有難うございます。」
「いえいえ。
じゃあまた来ますね。」
「あ、次の依頼ありますよ!」
「「え?」」
「はい、拓海さん指名です。
クレスタさんからですよ。
詳細はこちら。」
俺が何も言わないうちに手渡された内容は、新米出来たから食べに行こうとの事。
「受領します。」
クレスタの所に直行した。
「やぁやぁ拓海さんみさとさん、お待ちしてましたよ。
じゃあ新米食べに行きましょうか!」
「行く行く!
荷物持って帰る?馬車も一緒かな?」
「はい。
前回行ったときに、次は新米だよって言われたから楽しみで。
拓海さん達もどうかなと思い誘いました。
あ、運搬もお願いね。」
「喜んで!」




