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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 68

 「これで最後かな? 

 他に店はなさそうだし。」

 「が、頑張ったよね、食べるの。」

 「これさぁ、明日も来たら良かったんじゃない?」

 「俺、明日はゆっくりしたいよ。」

 ようやく全店舗周り、手に持った袋には投票券になるものがパンパンに詰まっている。

 街中数カ所で、祭り対象の店の並びがわかる地図が、大きな立て看板になっている。

 その中で、投票所の場所を探す。

 中央に広場があり、いくつか投票箱が設置されている。

 並ばなくても投票できるように、じゃが芋用・さつま芋用を1セットで複数、間隔をおいて円形に設置してある。

 真ん中には、今までの累計が表示されたボード。

 毎日表示を変えているそうだ。

 概ね3等分して、それぞれ投票箱に向かう。

 全じゃが芋の俺、さつま芋8割のみさと、半々くらいのサイノス。

 帰ろうとした頃に、レジアスから念話が来た。

 (拓海、すまんの。

 兄貴を連れてきてくれんかのぅ。

 話を聞かんといけなくなった。)

 (わかったよ、連れて行くね。

 今レジアスがいるところでいいの?)

 (もう家に居るでな、大丈夫じゃ。)

 (了解。)

 「サイノス、一緒に帰ろうか。」

 「良いよ、行こうか。」

 何処に行くかは言ってないが、付いてきてくれるみたいだ。

 ゴネられなくて良かった。

 

 転移後、レジアスの家と気付き首を傾げるサイノス。

 「あれ?ここなの?」

 「よく来たな兄貴。

 拓海、みさと、連れてきてくれて感謝する。」

 「次の用事あるから、もういいかな?」

 「あぁ、勿論じゃ。」

 「そんなー!」

 サイノスの悲しそうな声を背に、俺達は次の場所へと向かった。

 行き先は、クレスタの店。

 お腹はいっぱいなので食事ではなく、クレスタに会いに来た。

 忙しいよね…と思っていたが、店の運営はスタッフに任せて、見回っているだけらしい。

 逆に見つかり、こちらに来てくれた。

 「こんにちは、拓海さんにみさとさん。

 今日はどうされたんですか?」

 「こんにちは、さっきまでグロリアに居て、投票もしてきたよって報告さ。」

 「参加してくれたんですね、ありがとう。

 凄かったでしょう?皆張り切って準備したからね。」

 「ほんとに凄かっよ!

 お料理も増えてたし、内容わかりやすかったし。

 美味しく全部試しましたよ。」

 「マークツーとチェイサーにも会ってさ、来客だけでなく参加店舗も楽しんてる感じがして、凄く良かったよ。

 今後にも繋がりそうだね。」

 「みさとさん、お腹いっぱいでしょう。

 よく入りましたね。

 拓海さん、いいとこ見てますね、相変わらず。

 そうなんだよ、必要なのは継続して来客がある事。

 なので、毎年盛り上がるように仕込みました。

 今回の祭りが終わったら、近隣にも打診しようかと。」

 「周囲も続くようなら、全国大会的な感じかな?」

 「お見通しですか。

 それです!

 それに向けて、この出張店もその地方で祭りやる際にはそこの名物の料理と壁の広告を変更も予定していることを伝えて、全面協力する体制。

 地方毎に重ならない日程ですれば、お客さんの取合しなくて済むし、メニュー変更という意味でもいいでしょ?」

 「抜け目ないな、クレスタ。

 そういえば、地元に毎日帰ってるんだって?」

 「それは今だけだよ。

 売上報告は毎日更新だからね。

 明日が最終日だから、最後まで盛り上げるよ!

 日毎に優位が変わるの見ると、面白いでしょ?」

 「視覚効果は大きいよね。

 何処から見ても確認できる設置方法も凄い。」

 「あれはね、地元の人の意見貰ったの。

 やりたいことがある事で、得意なことが顕になった感じかな。

 今まで農作業が多かったけど、こういった事で能力伸ばせる人も居るからね。」

 「やってみないとわからないな、得手不得手は。」

 「そうだよね。

 農業以外でも発展できればと思ってるよ。」

 


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