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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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64/335

お試しにも程がある 64

 「どれも美味しい!」

 「じゃが芋サイコー!」

 「さつま芋の甘みが引き立ちますね。」

 料理はどれも好評なようだ。

 「うちの店でも出したい位だ。

 地方に持っていくのは勿体無いかも。」

 「いやいや、何の為に作ってもらったんだよ、思い出せよ!」

 「そうですよクレスタ、しっかりして。」

 「じゃあ、その地方の料理が食べられる店として出せば?

 出張店みたいで、いい宣伝じゃない?」

 俺の声かけに、3人が振り向いた。

 「それありですね。

 そのためにも地方で盛り上げて貰わないと。」

 「それはよう、俺達でじっちゃん達に交渉するよ。」

 「作り方もありますし、作ってもらえば美味しさわかって貰えるでしょう。」

 地元のために、皆やる気である。

 「序にさ、じゃが芋対さつま芋対決して、名物決定戦やれば?

 1週間位で食べた物に特定の物付けて、それが投票券になるようにして、集計取るの。

 他の地方からの集客も見込めるんじゃない?

 転移してお知らせは国中に貼れるでしょ。」

 「拓海さん、その案頂きます!

 面白そう!」

 「対決となりゃ、それぞれの店でも張り切るだろうな。」

 「その期間中に来た人全員が参加出来ると。

 良いですね。」

 更なる提案に、頷く一同。

 「投票券はお箸って理由にはいかないよねぇ。

 スプーン・串・スナックの入れ物で、同じ印付いてるものだけカウント対象とか?」

 「時間決めて日毎に計上して、どっちが優勢かを出すのも面白いね。」

 「それこそ出張店での売上もカウントするとか?

 お知らせをお店の外に貼れば、効果あるんじゃない?」

 「名物決定したら、1年は名物名乗れて、翌年また対決で決めれば毎年お祭り出来るよね。」

 「そんな楽しいお祭りなら、国中から行きたくなるかも。

 他の地方でももっと売れるようになるかもね。」

 「好きな物は人それぞれだから、対決は盛り上がるな。」

 みさとと俺が勝手に意見を出し合うと、クレスタは真剣に検討・チェイサーはニヤニヤ・マークツーはメモを取る。

 「地元での周知・対策がこれくらいの期間で…」

 「他の地方に告知を…」

 「出張店を出すには…」

 3人で活発な話し合いに発展。

 俺とみさとは、味見しつつ見守る。

 「これさ、祭りが成功したら、他の地方でもやりたいんじゃない?

 やり方を教えるのも売れるかもね。」

 「たっくん、そこまで考えるんだ。

 いろんな地方でやれば、それぞれ盛り上がるだろうね。

 でも、時期をずらしてもらわないと、人の取り合いになっちゃうよ。」

 「他の地方でもやるならさ、何年かに一度とかで、全国名物対決すればいいじゃん。

 郷土愛は皆あるでしょ。」

 「名物での料理も、もっと増えるかもね。」

 「首都で出張店も増えそうだ。」

 「美味しいお店増えるのは、大賛成!」

 気が付くと、3人共こちらの話を聞いていた。

 「そういった展望も考えられますね。

 拓海さん、みさとさん、本当にありがとうございます。

 町おこしも出張店も、成功させます!」

 「対決の際は、是非お越し下さい。

 さつま芋が勝ちますから。」

 「じゃが芋に決まってんだろ!」


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