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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 52

 「さて、ご飯も食べたし、本命に取り掛かりますか。

 今日のお料理はこれです。」

 普段クレスタに渡すような形で、料理名・材料・作り方等書いたものを配る。

 「セプターさんの分もあるから、渡してね。」

 「ありがとうございます、みさと様。」

 「成程、初めて見る料理ばかりですわ。

 朝御飯も美味しかったし、本当に楽しみ。」

 「じゃあ早速行きましょう。

 時間のかかるものから始めますよ。

 ここはコンロたくさんあるから、助かっちゃう。」

 鶏ガラと豚骨スープの仕込み方から教える。

 洗って、煮立たせて灰汁取り、再度沸騰させる。

 そこまでやれば、煮詰めるので後は放置。

 次に、鰹節を削る。

 それから、辛くない辣油の具になるものを作り、胡麻油と辣油はリュックから取り出す。

 これらの作り方も、先程渡した物に書いてあることを伝える。

 瓶に詰めてまた放置。

 それから、麺と皮作りに入る。

 材料を混ぜ、捏ねて、寝かしておく。

 塊肉を取出し、叉焼用と餃子・焼売用で切り分ける。

 先に叉焼用を下拵えし、紐で括って仕込む。

 餃子・焼売用は挽肉にする。

 包丁で細かく切ってから叩く方法と、拓海に作ってもらった肉を挽く道具で手早くやる方法と両方行った。

 肉を挽く道具は大絶賛で、ヒミコもオーパ達も買ってもらおうと心のメモに書き足した。

 少し残しておいた肉は、回鍋肉・青椒肉絲にする。

 挽肉に味付け等して餡の仕込みが終わったところで、一休み。

 「皆さん大丈夫?

 少しお茶にしましょうか。」

 みさとの一言で、3人ともホッとした顔になる。

 ひと言も聞き漏らすまいとしつつ、作業も頑張る。

 そんな緊張感が緩んだ感じ。

 「では、お茶の用意をさせていただきます。」

 「私は、レジアス様達にも用意してお持ちします。」

 オーパ・タンクが、それぞれ動き出す。

 「じゃあ、こっそり甘いものでも出そうかな。」

 みさとはリュックから、クッキーを取出す。

 2つに分けて皿に盛り、1つはタンクに渡す。

 程々にしないと、折角作った料理が入らないので少し控えめにした。

 タンクが用意したものを、執事のコルサに託した。

 コルサは主人のいる部屋に運ぶ。

 「レジアス様、お茶をお持ちしました。」

 「おぉコルサ、ありがとう。

 丁度貰おうと声をかけるところじゃった。」

 「キッチンでも一休みのようです。

 みさと様からお茶菓子も頂きました。」

 「何から何まで、気が利くのぅ。」

 「いい奥方だな。」

 「そうなんだよ。」

 レジアスとオロチに褒められ、嬉しくなる俺。

 決して謙遜するところではない。

 「あれで剣も達人とは、人は見かけによらないもんだ。

 レジアスから、この間の人間の大会で優勝したと聞いたぞ。」

 「あれは、腕試ししただけだから、もう次は出ないよ。」

 「お前とそのドラゴンもか?

 多くの者が次こそはと息巻いておったぞ。」

 「いやいや、出ちゃ駄目でしょ。

 ある意味反則だからね。」

 「まぁ、確かにのぅ。」

 「何が反則なのだ?

 そのドラゴンが強いのか?」

 「この子は特殊個体らしいから、他とは比べられないね。」

 手づかみでクッキーを食べているシビックを、膝に乗せる。

 そこで、クッキーが無くなりそうなことに気付く。

 「おいお前、殆ど食べちゃったのか?」

 「うん、美味しいから止まらなかった。」

 「朝食もしっかり食べただろう。」

 「お粥は美味しいから、更にお腹空くんだよ。」

 「よくわからない理論だな。

 ごめん2人共、お茶菓子なくなった。

 貰ってくるよ。」

 「いやいや、美味しい料理の為に食べないという手もあるぞ。」

 「私も同感じゃ。

 楽しみじゃわい。」

 「そう言ってもらえるとありがたい。」

 そうこうしている間に、全てクッキーは無くなった。

 「美味しかった!

 次のご飯も楽しみだな。」


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