お試しにも程がある 51
「おはようございます!
今日は宜しくお願い致しますしまーす。」
「みさと、よく来たのぅ。
こちらこそ宜しく頼む。」
「俺も居るんだけど?」
「おぅ、拓海は違う方で頼むぞ。
相手してやってくれ。」
「まだ来てはいない?」
「いや、楽しみらしくもっと前に来てたわい。」
「あはは。
じゃあ挨拶してこよう。
みさと、一緒に行こう。」
俺はシビックを肩に乗せたまま、みさとと挨拶に向かう。
「おはようございます、魔王様。
あれ?王妃様も居るって聞いてたけど。」
「おはよう拓海、奥方。
あれは少し支度に時間がかかるんだ。」
「支度?」
「うむ。
料理教わる気満々で、着替えをしている。
楽しんで貰えると良いんだが。」
「成程、魔王様のために料理覚えたいんですね。
素敵な方だ。」
「そうなんだ、可愛いところあるんだ。
…オホン、まぁなんだ、そのうち来る。」
「じゃあ、それまでゆっくり待ちましょうか。」
レジアス・オロチ・俺達で茶を飲みながら待っていると、王妃が準備が終わりやってきた。
「皆様、お待たせしました。
あら、貴女がお料理上手と噂のみさとさんね。
旦那様も宜しくお願いしますわ。」
「こちらこそ初めまして。
みさとです。
こっちは旦那さんの拓海です。
宜しくお願いします。」
「さぁさぁ、早速ですが教えてくださる?
楽しみにしてたの!」
俺が挨拶する前に、みさとは連れ去られた。
「とても明るい方だね。」
「すまんな、拓海。
何分真っ直ぐなやつで、集中したら俺でも存在忘れられる。
あれが、王妃のヒミコだ。」
「うちもそんな感じなので、変わらないですよ。
出来上がるまでかなり時間かかるはずなんで、お茶でも飲みながら待ちましょうか。」
「楽しみじゃわい。」
あれこれ話していると、オーパとタンクが朝ご飯にとお粥と春巻き・焼売・鯵の日干し・大根おろし・温泉卵・辛くない辣油を持ってきた。
「みさと様が、時間かかるので先に朝ご飯を出そうということで、お持ちしました。
熱いのでお気をつけ下さい。
食べ方は拓海様がわかるとのことで、どうぞ宜しくお願い致します。」
テーブルに料理が並び、美味しそうな香りがする。
「ありがとう、オーパ・タンク。
この料理も作り方覚えたかのぅ?」
「勿論です、レジアス様。
メモも取りましたので、何時でも出せます。」
「頼もしいわい。
今回も品数豊富と聞いているから、頑張って覚えてくれ。」
「「畏まりました。」」
お辞儀をすると、2人はキッチンに戻っていった。
向こうでもご飯食べてかららしく、賑やかになっている。
「気が利く奥方だな、拓海。」
「でしょ?」
「連れて帰ると言い出さないといいのだが。」
「えっ!それは困るよ。」




