お試しにも程がある 50
「じゃあ、また来るね!」
元気にベゼルは消えていった。
こちらからの連絡手段ないので、次はいつ来るやら。
「まだ帰れなさそうだから、これからもこの生活をゆっくり楽しもうね。」
「そうだな。
帰れたらラッキーくらいかな。」
「シビックも一緒に居てくれるんでしょ?」
「もちろんだよみさと。」
「聡ちゃんも呼べたらいいのにね。」
「遊びに来るくらいならいいけど、あいつにはあいつの人生もあるんだよ。
全部俺達と一緒って訳にはいかないだろう。」
「そうだよね。
もう独り立ちしたもんね。」
「代わりの息子できたじゃん。」
「可愛い息子だね。」
「僕?これでも歳上だよ!」
「そうらしいな。
色んな物知ってるし、頼りになるよ。」
「歳は関係ないよ。
存在が可愛いからね、シビックは。」
「じゃあそういうことで。」
何故か胸を張るシビック。
こういうところだよ、可愛く見えるのは。
小さくなれるのもポイント高い。
「ご飯にしますか。」
「僕ハンバーグ!」
味覚もお子様か。
俺も大好きだけど。
「ポテトも付くよね、みさと。」
「勿論付けるよ、たっくん。」
こうして今日も和やかに、1日が過ぎていく。
ある日、レジアスから念話が来た。
(拓海、少しいいかのぅ。)
(どうしたのレジアス、良いけど。)
(そろそろ私も時間取れるので、例の新メニュー伝授して欲しいんじゃ。)
(わかった、みさとにも伝えるね。)
(その、なんじゃ、あ奴らも来るでな。)
(あぁ、魔王様達来るんだっけ。
わかった。
ん?もしかしてそろそろって急かされた?)
(流石拓海じゃ、よくわかっとる。
奥方がせっついとると言うとった。)
(あはは、魔王様も奥様には弱いんだね。)
(そういうことじゃ。
明日でどうじゃ?)
(了解!
時間は昼間でいいの?夜かな?)
(私としては、その日のうちに帰ってもらうため朝から予定しとる。)
(成程。
じゃあ今日のうちに教えるもの再チェックするように伝えとくね。)
(よろしく頼むの。)
久し振りの魔王様で、初めましての王妃様も来ると。
レジアスに関わるなと言われた筈なのに、巻き込まれたから仕方ない。
「みさと、明日の予定決まったよ。」




