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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫
45/263

お試しにも程がある 45

 「拓海さん、うちの専属魔道士になりませんか?」

 クレスタ、何を言っている?

 「いやいや、転移装置で簡単に行けるでしょう?

 他の高ランクの人雇いなよ。」

 「いやいや、やっぱり違うから。

 同じようには行かないんだよ。」

 話を聞くと、巨人の国に行く為に、一番近い

ミストラルまでは移動できたが、そこからは時間がかかって仕方ないとのこと。

 浮遊も速度加速もかけてるそうだが、遅いと。

 干物が駄目になる前に帰りたいと…

 「俺で慣れちゃ駄目だって。

 じゃあ、馬車に冷蔵庫付けとく?」

 「そうか、その手があったか!」

 「冷蔵庫毎持運び出来るように、軽量化しないとかな。

 移動できるように車輪付けるかな。」

 「軽量化でお願いします。

 温度を保つために、箱の材料に手が抜けなくて。」

 そうだよね。

 発泡スチロールとかないもんね。

 「わかった。

 どの大きさがいいかは、クレスタ決めて用意して。

 冷蔵庫の機能と軽量化はするから。」

 「やっぱり困った時の拓海さんだ!

 有難う!」

 「雇ってる魔道師さんも、慣れてくれば上手くなるよ、きっと。」

 「それを願ってます。」

 クレスタは大人しく帰っていった。


 久し振りに冒険者ギルドに顔を出したら、クレスタと鉢合わせした次第。

 片がついてから、改めて何か依頼あるか聞いてみる。

 「最高ランクの冒険者指名で、依頼があります。

 息子さんのダンジョン探索を手伝ってほしいと、貴族からの依頼です。」

 あらあら、久し振りにお守り系の依頼来た。

 「一応聞くけど、俺達以外でもSSランク居るんだよね?

 そっちに振っても良いんじゃない?」

 「そう言うと思って、他のSSランカーの動向確認しときました。

 この首都に居るSSランカーは、拓海さん達だけです。」

 「えー。」

 正直面倒くさい。

 お貴族様ってあまり良いイメージが無い。

 以前レジアスから聞いた話だと、旧王制時代の貴族が支配していた土地をそのまま維持、今はその土地を貸して生活できるほどの収入あるそう。

 息子は何故ダンジョンに行くのだろう?

 「じゃあ受けるよ。

 早めに行った方が良いの?」

 「どうやら宿題のようで、早急にとのことです。」

 「宿題!?」

 「なんでも冒険者になりたくて、養成所に通ってるそうですよ。」

 「それって、仲間作ってやるやつじゃないの?」

 「どうなんでしょうね?

 これ詳細です。

 後はよろしくお願いしますね!」

 こんな案件あるんだ。

 宿題のズルを手伝うようで気が引けるな。

 取り敢えず、受けたからには行ってみないと。


 指定の住所に行ってみると、大きな建物がさらに大きな囲いの中にあり、門番も立っていた。

 「俺達必要かな。

 お抱えで強い人も居そうだよね。」

 「話聞いてみないとわかんないよ。

 先入観ダメダメ。」

 「みさとは優しいなぁ。

 よし、行くぞ。」

 門番に、依頼を受けてきたことを告げると、中に通してもらえた。

 広い中庭を抜けて建物に近づくと、メイドらしき人が扉の前で待っていた。

 「お待ちしておりました、冒険者様。

 こちらへどうぞ。」

 建物の中もこれまた広く、普通の家ならエントランスに丸々入るのではなかろうかと思う程。

 通路を暫く進み、豪華な扉の前で立ち止まる。

 「御主人様、依頼を受けたと言う冒険者様方をお連れしました。」

 「待ってましたぞ!」

 メイドが扉を開ける前に、中から走って来る音が聞こえ、勢いよく開けられた。

 これにはメイドも面食らったようだが、そこはできる方のようで取り繕っている。

 「私はヴォルツ、この家の主人だ。

 今回は依頼を受けてくれてありがとう。」

 「ご依頼ありがとうございます。

 私は星野拓海、魔道士です。

 こちら妻のみさと、剣士です。

 宜しくお願いします。」

 それぞれ握手を交わし、部屋の中に入る。

 「始めまして冒険者様方、私はセリカです!

 一緒にダンジョン攻略宜しくお願いします!」

 「お恥ずかしいのですが、依頼は息子と書きましたが、護衛対象はお転婆な娘でして。

 どうしてもと聞かないもので、依頼した次第です。」

 「大丈夫ですよ、変わらずお引受けします。」

 

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