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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫
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お試しにも程がある 42

 「これは何処で売るべきか、何か案はありますか?」

 「ん?売り出すの?」

 「そりゃあこんな美味しいのを逃すわけないでしょ!」

 「材料は仕入れられるの?」

 「そこは腕の見せ所ですね。

 シルフィで見つけますよ。

 だって、彼処だけで売るより此方でも売れた方が収入になるし。

 それに、こういう食べ方もありますよって売り込みも出来るし、鰹節も売れるでしょ?

 お互いいい事だらけだ。」

 「成程ね。

 そうだ、そろそろ鰹節の様子見に行くけど、一緒に行く?」

 「行く行く!

 挨拶したかったんだよね。

 よろしくお願いします!」

 「じゃあ向こうの都合も確認して、連絡入れるよ。」

 「わかった、楽しみにしてる。」

 「取り敢えず挨拶だけだから、直接転移するからね。

 馬車じゃ時間かかるし。」

 「おぉ、直接行けるんだ!

 それも楽しみだねぇ。

 これから行く?明日とかは?」

 せっかちだなぁ。

 商人って皆こうなのかな?

 「…今聞いてみる?」

 「是非是非!」


 (ボンゴ、聞こえるかな?拓海です。)

 (おぅ拓海か、どうした?

 この間連絡貰ってから、鰹節順調だぞ。)

 (ちゃんと黴取りしたら大丈夫だった?

 良かった。)

 (音もいい響きになってきたぞ。)

 (良いねぇ。

 本題だけどね、購入希望の商人を連れていきたいんだけど、良いかな?

 挨拶したいって。)

 (おぅ、良いぞ。

 いつ来る?待ってるぞ。)

 (い、今からでも良いのかな?)

 (おぉ、良いぞ。

 前みたいに飛んでくるのか?)

 (そうだよ。

 じゃあ、連れてくから宜しくね。)

 

 相変わらずなんでも来いな人だな。

 こんなにあっさり行けるとは。

 「クレスタ、今から行こうか。」

 「あ、うん。

 話早くて助かるよ。」

 「言ってあったと思うけど、巨人の国だからね。

 俺は言葉わかるけど、クレスタはどうなの?」

 「巨人の国ね。

 前回は商談失敗したんだよな。

 話通じてた筈なんだけど。」

 「そっか。

 通じてなさそうなら補助するよ。

 みさと・シビック、出かけるよ!」


 かくして、あっという間に巨人の国。

 「ボンゴ、こんにちは。

 買いたい人連れて来たよ。」

 「おぅ拓海、よく来たな。」

 「此方、商人のクレスタ。

 鰹節を定期的に購入したいって。」

 「ク、クレスタです。

 以前もお会いしてますが、改めて宜しくお願いします。」

 「俺はボンゴだ。

 クレスタ、宜しくな。

 早速だが拓海、鰹節見てくれよ。」

 「うん、見せてよ。」

 皆でゾロゾロ小屋まで歩く。

 ボンゴの一歩が大きいので、俺達は早足で追いつく。

 辿り着いた小屋は、炭の薫りが程よくする。

 中に入ると、沢山の鰹節が並んでいた。

 ボンゴは2つ手に取り、打合せて音を立てる。

 いい音がして、出来の良さを物語っている。

 「漁師仲間がよ、鰹が取れると持ってきてくれるんだよ。

 捨てるよりは安くても買取って貰える方が良いとな。

 だから、取りにも行くが順調に鰹が集まる。

 いい循環になってるよ。」

 「ボンゴの人柄もあるんじゃないの?

 今後も期待できるね。」

 「ところで、いつ頃から買えるのかな?

 店に出す前に道具の調整と使い方の研修もしたいし。」

 「どうだい、拓海。」

 「そうだね…」

 ナビ先生、こんな事も分かるのかな?

 『以前取得した完成品の音域と一致してます。』

 ほうほう。

 「この音なら大丈夫じゃないかな。」

 「そうかい、じゃあこの音を目安に出荷するよ。」

 「私もそのように理解します。

 ところで、定期的に購入希望なのですが、どれくらいの期間でどれくらいの量対応いただけますかね?」

 早速仕事モードのクレスタ。

 こっそり巨人族の言葉が分かるようにしておいた。

 ボンゴとの話が弾む中、金額交渉の前に品質確認して欲しいとのことで、少し貰って帰ることになった。

 試作品として箱いっぱいに貰っけど、こんなに貰って大丈夫なのかな?

 そんなこと考えていたら、みさとがボソッと呟いた。

 「お魚あるなら、干物も作って欲しいなぁ。

 白いご飯と食べたい。」

 「それいいね。

 ボンゴ、ちょっと相談良いかな?」


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