表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/335

お試しにも程がある 39

 「どーもどーも、ご無沙汰してます。

 前回はお取引有難うございました。

 今回も宜しくお願いします。」

 目的の場所に着くなり、クレスタはお仕事モード。

 既に4箇所目だが、疲れは感じない。


 転移装置での転移後、直ぐに検問所があり中に入る。

 検問所の作りとしては地方毎に少しずつ違うことに気づいた。

 俺は見分けつかなかったが、クレスタが検問所を見て来た場所が合っていることがすぐにわかったそう。

 何度も来ているからなんだろうな。

 4箇所比べて、やっと気づく程度。

 看板つけて欲しいくらい。

 普通は移動に時間かかるから、前のとこ忘れてそう。

 今回は転移装置で簡単に移動したから、比べられたんだと思う。

 取引先を回る度、馬車の荷物は増えていく。

 クレスタが交渉の間、俺達は荷物番している。

 「平和だね。」

 「あ、あそこに鳥が飛んでるよ!」

 「みさと、僕おやつ欲しい。」

 転移装置作動させるだけで、後は留守番。

 検問所の中は危なくないところが多い。

 護衛料要らないんじゃなかろうか。

 買い付けた荷物運びは、率先してやる。

 既に3回やっている流れなので、慣れてきた。

 それにしても、クレスタは交渉が早い。

 そうでなくては、幾ら地方間は転移で移動できても、交渉が長ければその分遅くなる。

 目的地が検問所から少し距離があるので、その移動が長く感じるほどだ。

 一応依頼されてるので、浮遊と速度加速はかけている。


 この調子じゃもうすぐ依頼終了かな?

 日当たりも良くウトウトしそうになった頃、クレスタが戻ってきた。

 「お待たせ、これで終了だよ。

 ありがとう、早く済んでよかった。」

 「お、お帰りクレスタ。

 お疲れ様。

 もう首都に戻るで良いのかな?」

 「最後序だからもう1箇所寄りたいところがあるんだ。

 いいかな?」

 「まだ時間あるし、行こうか。

 ここでは持って帰る荷物無いの?」

 「あぁ、ここはお願いに来たからね。

 次に来た時には、大荷物になるよ。」

 「そうか。

 じゃあ、検問所まで行こう。」

 皆馬車に乗込み、来た道を戻る。

 門番に挨拶して、転移装置の下まで来る。

 「何処に行く?」

 「シルフィまでお願い。」

 「シルフィ・シルフィっと。

 じゃあ、転移するよ。」


 転移先の感じは、山が近い。

 ルキノの山より、大きい山。

 先ずは検問所から入り、クレスタの指示通り道を進む。

 どんどん山を登っていくと、開けた所になった。

 畑が並び、家も疎らに建っている。

 ちょっと大きめの建物があり、そこが目的地のよう。

 馬車を停め、クレスタが中に入る。

 戻ってきたクレスタは、何かが載った皿を持ってきた。

 「お待たせ、前に言ってた黒い麺がこれだよ。

 荷物あるから皆で店には入れないけど、持ち帰り出来る物で試せればと思って。」

 俺とみさとは皿の上を覗き込む。

 「ちょっと薄いけど、見た目お蕎麦だね。」

 「そんな感じするな。」

 「良かったら食べてみてよ。

 はい、フォーク。」

 俺とみさとはクレスタからフォークを受取る。

 細い麺というより、平たいラザニアが小さく切られてる感じ。

 フォークで刺して口に入れると、蕎麦のいい香り。

 味付けは塩と葱と辛味のある何か。

 「これ、山葵じゃない?」

 「本当だ、そんな感じする。」

 「こっちの方なら作ってるのかな?」

 山なら水綺麗そうだし、あり得る。

 「山葵って?」

 「この辛味出してる緑のやつ。

 食べるとちょっとツンとする感じが、山葵だと思いたい。」

 「あぁこれ?

 何かのソースだと思ってた。

 単体の食材なの?」

 「作ってる人に聞かないとわからないけど、多分合ってると思う。

 クレスタ、ちょっとだけ店に行ってみていいかな?」

 「良いよ、今度は僕が待ってるから。」

 「ありがとう。

 行こう、みさと。」 

 2人で店に入り、店の人に聞く。

 先程持ち帰りしたものについている辛いものは、なんという名前か。

 回答はやはり山葵。

 近くで栽培してるらしい。

 こんな所で出会えるとは!

 お礼をして、店を出る。

 「お帰り。

 どうだった?思った通りだったの?」

 「あぁ、やっぱり山葵だった。

 クレスタ、連れてきてくれてありがとう。

 びっくりだよ。」

 「喜んでもらえて良かった。

 みさとさんがあれだけ気にしてたから、美味しいものだろうと思ってね。

 正解だったかな?」

 「はい、大正解です!

 お蕎麦も山葵も、あることがわかってすごく嬉しい。

 次回のメニューに取り入れましょう。」

 「お、早くも新商品宣言!

 楽しみにしてますよ。」

 「任せて下さい!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ