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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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32/335

お試しにも程がある 32

 「こんにちはみさとちゃん、拓海さん。

 ご馳走になりに来たよ。」

 「いらっしゃい、ターセルさん・ラッシュさん。

 お待ちしてましたよ。」

 来てくれた2人を、家の中に案内するみさと。

 「こんにちは、ターセルさん・ラッシュさん。

 どうぞ座って待ってて下さい。」

 「ありがとね、拓海さん。」

 「いやー、こんな広い家なんだね。

 凄いなぁ。」

 「あはは、まぁまぁ。」

 「もうひとりお客さん来るので、もうちょっと待ってて下さいね。」

 みさとは2人にお茶を出してから、キッチンに戻る。

 俺はクレスタに今から行く連絡をする。

 部屋を移動してからクレスタの元に転移して、更に転移で帰ってくる。

 先にいた2人に、クレスタの紹介する。

 「もうひとりのお客さんです。

 こちら…」

 「あらあらクレスタさん、こんにちは。

 お客さんてクレスタさんだったの。」

 「クレスタさんにこんな所で会うとは。」

 「こんにちは、ターセルさん、ラッシュさん。

 今日は美味しい料理を頂けるのと、原材料提供者にも会えると聞いてきました。

 おふたりということは、鶏と豚ですかね。」

 3人とも顔見知りのようで、話が早くて助かる。

 「今日試して貰いたい料理は、鶏と豚の骨から取ったスープで作る料理です。

 美味しくできてるので、楽しんで下さいね。」

 「はーい、お待たせ!

 熱いから気を付けて食べてね。」

 みさとは、少し小さめの器で、鶏ガラスープと豚骨スープのラーメンを持ってくる。

 箸は使い慣れないだろうから、スプーンとフォークにした。

 餃子・春巻き・回鍋肉・青椒肉絲・唐揚げと大皿で並べる。

 「澄んでいるスープが鶏ガラ・白濁してるほうが豚骨です。

 それぞれに乗ってるチャーシューは、鶏と豚で作ってみました。

 味は醤油にしてみたのでお試しください。

 あ、熱いからホントに気を付けて!」

 湯気の立つ器2つに、3人とも興味津々。

 「鶏さんも豚さんも美味しいスープになったから、喜んでもらえると思う。

 ささ、美味しいうちにどーぞ!」

 自分たちの分も用意し、箸も持ってくる。

 取皿にする小皿も用意。

 単品料理についても説明するみさと。

 「唐揚げは鶏で、それ以外は豚肉にしました。

 唐揚げは塩胡椒も付けてみて。

 辛味が足りなかったら辣油もどうぞ。」

 皆で食事開始。

 来客3人は、スプーンでスープをそれぞれ試す。

 「あら、あっさりして美味しいわ。

 これが家の子たちから取れたなんて、嬉しいわね。」

 「しっかりしたスープだ。

 なんとなく豚の匂いも感じる。」

 「どちらも美味しいです。

 両方出して食べ比べはいいかもしれませんね。

 好みで別れるでしょうから、どっちもありだ。」

 俺はそんな3人を横目に、箸で麺を食べ始める。

 フーフーして、音を立てて啜る。

 「拓海さん。

 その棒2本は何ですか?」

 「これ?

 箸っていって、食べ物を掴むための物だよ。

 こんな感じで…」

 そう言いつつ、小皿に唐揚げ・回鍋肉等を乗せる。

 「各皿に大きいスプーン付けてあるから、それで小皿に取り分けてね。

 フォークでも食べられるメニューにしたつもりだけど、どうかな?」

 みさとは、隣のターセルに青椒肉絲をスプーンで取り分ける。

 俺も、ラッシュに回鍋肉を盛り付けてあげると、クレスタは自分でそれぞれ取り始めた。

 「あら、美味しいわねこれ!

 みさとちゃん料理も上手ねぇ。」

 「豚、美味いね。

 キャベツも甘いな。」

 「この唐揚げ、店で出してるのと衣違うよね?

 だから塩胡椒かな?

 これも美味しいね。」

 それぞれ楽しんでもらえて何よりだ。

 みさともニコニコしてる。

 シビックは我関せずで、フォークでラーメンを食べている。

 こんな大勢での食事もいいもんだ。


 ほぼほぼ料理もなくなり、食器を下げてからお茶とアイスクリームを出す。

 クレスタが待ちきれなかったようで、声を発する。

 「みさとさん、全て美味しかったです。

 早速ですが、店に出したいです。

 材料・作り方等、また教えてもらえますか?」

 「良いですよ。

 契約はたっくんに任せます。

 スープの材料の鶏ガラ・豚骨は、直接この2人に交渉してください。」

 「そのつもりです。

 ターセルさん・ラッシュさん、いくら位になりますかねぇ。」

 「ほんとに買うの?毎日捨ててるのに。」

 「骨に値段つけるとは思ってなかったから、わからんなぁ。」

 「ほらほら、言ったでしょ?

 美味しくできたら売れるかもよって。」

 「他の商売人に渡るのは困るので、きちんと買わせて頂きます。

 宣伝にもなると思うので、ちょこっとご配慮頂けると助かります。」

 ターセル・ラッシュは、顔を見合わせて大慌て。

 「ちょっとヤダよぅ、じゃあ今度うちに来てどれくらい必要かも教えてよ。

 その時値段も考えとくからさ。」

 「う、うちもそうしてくれ。

 いきなり言われても、なぁ?」

 2人して困り顔で頷く。

 クレスタは少し笑顔になって、話を続ける。

 「では、後日伺いますね。

 それから、今日の料理も店に出すので、鶏肉・豚肉も発注多くなりますので、そちらもよろしく。」

 「それは任せて、冷蔵庫取り入れたから捌いておけるよ。」

 「なんだい、その冷蔵庫って。」

 「拓海さんに教えてもらったんだけどさ、カリムさんとこでも重宝してるらしいよ。

 低温の部屋作って、そこで保存するのさ。」

 「へぇー、うちにも欲しいねぇ。

 拓海さん、今度また家にも来てよ。

 大き目の部屋で保存出来るなら、ぜひ欲しい。」

 「わかりました。

 豚は低温熟成で美味しくなるらしいから、丁度良いですよ、きっと。」

 「やっぱり冷蔵庫需要あるなぁ。

 早く軌道に乗せて販売しないと。

 今日は来て良かった!」

 

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