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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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316/332

お試しにも程がある 315

 「あらおかえり拓海、ひとりかい?」

 みさとの待つカムリの家に転移で戻ると、家主が迎えてくれた。

 「えぇ、ナディアさんから、製品できるまで気長に待っててねって伝言預かったよ。」

 「話聞いた限り、手間かかりそうだしねぇ。

 忘れた頃にやって来るだろさ。

 それにしても、疲れた顔してるね、拓海。

 何かあったのかい?」

 カムリの観察眼は流石である。

 いやでも、そんなに顔に出したろうか?

 「あはは、ナディアさんとアベンシスさんから逃げてきた感じかな。

 俺、いらなかったよね。」

 「あぁ、そういうことかい。

 アベンシスは、ナディアにぞっこんだからね。

 ナディアはナディアで、気にもしないけどさ。

 あははは。」

 その情報、行く前に欲しかったな。

 「あ、皆わかってる感じなんだ。」

 「そうだねぇ、ナディアがいつ気付くか、アベンシスから告白が先かって、皆でヤキモキしてるくらいさ。」

 納得である。

 まぁ、いつまで経っても平行線な気がするけど。

 「仕事は受けてもらえてたから、会う機会増えるんじゃないかな。

 仕事も恋も上手くいくといいね。」

 はっきりと口にしたことで、やっとみさとは理解できたようだ。

 「えっ、そんな感じなの?

 お相手見たかったなぁ。」

 シビックを抱えて座っていたみさとは、わくわくした顔をしている。

 「傍から見るだけならいいんだけどさ、巻き込まないでほしいよね。」

 みさとの隣に座る俺。

 やっぱりここがいちばん落ち着くよ。

 「たっくん、プリン食べたらね、弟さん紹介してもらう予定なんだ。

 牛さん仕入れて、今日のご飯に組み込もう!

 何がいいかなぁ。」

 「お、いいねぇ。

 ステーキ・ビーフシチュー・すき焼きもいいな。

 またレパートリー増えるね、みさと。」

 「うんうん!

 今から楽しみだよ。」

 お茶とプリンを持ってきたカムリは、聞き逃さなかったようである。

 「また美味しいものの話かい?

 牛なんて焼く以外に使い道あるの?」

 「カムリさん、色々美味しいのありますよ。

 作ったら持ってきますので、弟さんとお試ししてね。」

 「あらあら、それは楽しみだ。

 こっちも気長に待ってるよ。

 お茶にしようかね。」

 いちばんプリンを待っていたのは、大人しく待っていたシビックのようだ。

 尻尾は正直である。

 それが目に入ったカムリは、顔を綻ばす。

 「おやおや。

 留守番してくれてたこの子に、一番にあげようかね。

 みさと、この子もプリン食べられるんだろう?」

 「はい、楽しみに待ってたみたいなので、この子にもひとつください。」

 許可が出たので、シビックの前にプリンを置くカムリ。

 「さぁさ、召し上がれ。」

 目の前に置いてもらい、自分用のスプーンも貰ったので、器用に食べる。

 「おや、上手だねぇ。

 もう1個あげようかね。」

 食べる様子が気に入ったのか、子供のように接してくれる。

 「カムリさん、際限なく食べる子なので、程々にお願いしますね。」

 みさとは、念の為カムリに声をかける。

 「あっはっは、流石小さくてもドラゴンだ。

 みさとと拓海の分も置いとくから、なくなる前に食べとくれ。」

 「「いただきまーす!」」


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