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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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30/335

お試しにも程がある 30

 「レジアス様、失礼します。」

 アイシスが戻ってきた。

 他の人に連れてきてもらったらしい。

 「アイシス、良い所に戻ってきてくれた。

 早速じゃが、これを試してもらえんか。」

 例のモノクル眼鏡を、ケースから出して差出す。

 アイシスは、震える手で受取る。

 「よ、喜んで!

 これは何が出来るのですか?」

 「魔力が視える様になってるはずじゃ。

 試してもらえるかのぅ。」

 「畏まりました。

 では早速…」

 最初はレジアスを見る。

 濃くハッキリとした輪郭を持って、魔力と感じる形が視える。

 「この輪郭のことですかね。」

 「多分その通りじゃ。

 拓海も同じように視えるはずじゃ。」

 そう言われて、アイシスは拓海を見る。

 レジアスの言う通り、同じように輪郭が視える。

 その肩に載ってるドラゴンは、更に大きな輪郭が視えて驚く。

 「た、拓海、そのドラゴンは大丈夫なのか?」

 「大丈夫って、何が?」

 「何がって、かなり強大な、物凄い力持っている個体だろう?

 制御出来るとは思えない。

 洗脳されて操られてるのか?

 はっ、レジアス様逃げないと!」

 「落ち着けアイシス。

 それは拓海のペットじゃよ。

 心配ない。

 ところで、自分の手を見て貰えるかの。

 何か視えるか?」

 言われて直ぐに、自分の手をモノクル眼鏡越しに見る。

 レジアス程ハッキリした輪郭ではないが、薄い色で自分の手の周りに視える。

 「薄い色の輪郭が視えます。」

 「よしよし、理解してもらえて何よりじゃ。

 この道具は、研修以外での使用を禁ずる。

 鍵のかかる所で保管するべし。

 しまう際には、今のように利用出来る本物であるか確認してからしまうように。

 他の者に貸すのはいいが、あくまで研修内でのみ、目の前で使ってもらうこと。

 用が終わったら、直ぐに回収。

 ここまでは良いかの?」

 「はい、レジアス様。

 運用は、レジアス様の仰っしゃられた通りに致します。」

 「うむ。

 因みに、ひとつしかないので、無くさないように。

 壊れた・失くした・奪われた等あれば、直ぐ様私に知らせるように。」

 「畏まりましたっ!」

 「では、それはお主に預けるとしよう。

 宜しく頼む。」

 「ありがたき幸せ。

 この命にかけまして、レジアス様の仰っしゃられた通りに管理・使用致します!」

 レジアスはモノクル眼鏡を入れるケースを取出し、アイシスに渡す。

 「命はかけんでいいので、大切に扱ってくれ。

 悪用される事がないようにな。」

 「ははーっ!」

 「では、他の者にも説明できるよう、研修内容も詰めようかのぅ。」

 「畏まりました。」

 「…じゃあ俺はこれで失礼するね。

 後はよろしく、レジアス。」

 「おぅ、助かったぞ拓海、またな。」

 俺は転移魔法でみさとの居る自宅に戻った。


 「ねぇ拓海、あれホントに1個しかないの?」

 「いや、レジアスは増える箱に一度入れたから、増えてる筈。

 あそこまで言っておけば、大事に扱うんじゃないかな。」

 「成程ね。」

 「お帰りたっくん、シビック。

 お疲れ様。」

 「ただいまみさと。

 そっちは一段落?」

 「そうだね、灰汁取りが落ち着いたかな。

 後は煮詰めて美味しくなるのを待つ!」

 「じゃあ、早く試したいから時短しよう。」

 「お願いしまーす!

 ん?水分減って濃縮されるの?」

 「そういうことなの?」

 「うん。

 鶏ガラの時以上に水分飛ばしたいかな。」

 成程ね。

 ナビさん、如何でしょうかね。

 『可能です。』

 「大丈夫らしいよ。

 やってみるね。」

 頑張れ豚骨スープ!

 美味しくなってくれ…

 「どうかな、みさと。」

 「おぉ〜!半分位になってる。

 骨もスカスカ。

 こんな感じになるんだね。」

 鍋の中身は、白濁したスープになっていた。

 別の鍋にザル乗せて、濾してみる。

 「何とも言えないいい香りするね。」

 「ラーメン屋に来たみたい。

 懐かしい感じ。」

 「じゃあ、味見してからリュックに入れよう。」

 みさとは小皿に3つ味見として入れる。

 「味しないね。」

 シビックは首を傾げる。

 「いやいや、これはこれは。

 シビックには食べ慣れない味だからじゃないかな。」

 「これ、イケるよね、たっくん。」

 「うん、豚骨ラーメン楽しみだ!」

 「今晩にでも早速食べよう!

 あ、チャーシューも作らないとね。」

 「おぉー!

 本格的ですな、みさとさん。」

 「勿論!

 美味しく食べたいしね。」

 「僕も食べるー!」

 


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