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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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28/335

お試しにも程がある 28

 「お疲れ様、みさと・シビック。

 明日はゆっくりしようね。」

 「たっくんもお疲れ様。

 シビックもね。

 明日お休みなら、ラッシュさんとこに行きたいな。

 豚骨スープにチャレンジしたい!」

 「良いね、行こうか。

 味見は任せて。」

 「それ僕のセリフ!

 勿論僕も味見するよ、任せて。」

 「二人共有難う。

 昨日みたいにお茶でもする?」

 「みさと、僕ご飯食べたい。

 あの量じゃ足りないよ。」

 「そっか、何作ろうかな。

 あ、この間の鶏ガラスープで醤油ラーメンしてみる?」

 「俺も食べる!」

 「僕もそれ!」

 「了解。

 少し待っててね。」

 みさとはリュックから、前回作った既に濾してあるスープを鍋ごと取出した。

 麺と具材も取出し、テキパキ作っていく。

 いつの間に用意したのやら。

 やがて良い香りが漂い、出来上がったことを知らせる。

 俺は待ちきれず、箸とラーメンを取りに行く。

 「持ってって良い?」

 「有難う!

 熱いから、お盆に乗せてね。」

 「お任せあれ。」

 3人分のラーメン・箸+フォーク・スプーンを乗せて、テーブルに運ぶ。

 熱々のラーメンを人数分乗せ、それぞれ箸・フォーク・スプーンも並べる。

 具はお肉と海苔・葱とまとめてある。

 皆で席に着き、手を合わせる。

 「「いただきまーす!」」

 「どうぞ召し上がれ。

 熱いから気を付けてね。」

 俺はスープを一口飲んでから、麺を箸で持ち上げフーフーする。

 シビックはそれを見て、真似してスープから試してみる。

 スプーンでスープ飲むと、スプーンを運ぶ手が何往復も止まらなかった。

 「美味しいねぇ!」

 「良かった。

 ゆっくり食べなよ?」

 「うん!」

 俺は黙々とラーメンを味わう。

 めっちゃ美味しい、流石みさと。

 「みさと、完璧ラーメンだ!

 すごく美味しい!

 お替りある?」

 「あるけど、まだ食べ終わってないじゃん。

 じゃあ、お湯沸かしとくね。

 気に入ってくれて良かった。」

 クスクス笑いながら鍋に水を入れるみさと。

 「あ、直ぐ熱湯にするから今から火をかけなくても大丈夫だよ。

 みさともゆっくり食べようよ。」

 「有難う。

 じゃあ、お言葉に甘えて…」

 お鍋はコンロに乗せて、フライパンは火を止める。

 何かをお皿に載せたらしく、胡麻油の良い香りがしてきた。

 「餃子も一緒に楽しもうよ!

 辣油とポン酢持ってくるね。」

 「何この至れり尽くせり!

 最高の組み合わせだね。」

 「僕も食べる!」

 結果、大満足で眠りに就けた。


 次の日、予定通りラッシュのところに向かう。

 鶏ガラスープのあっさりもいいけど、豚骨スープのこってりも良いよね。

 前回同様大きな鍋持参。

 呼びかけると、本人が出てきた。

 「いらっしゃい、みさと・拓海。

 久し振りだねぇ。

 今日はどうした、何かあったかい?」

 「ラッシュさんご無沙汰してます。

 あのね、豚さん解体後の骨を売ってくれませんか?」

 「骨?何するんだ?」

 「美味しいスープになるかもと思って。

 ターセルさんとこの鶏の骨でもやったんだけど、凄く美味しいスープ出来たんだ。

 なので、豚骨も試したいなーと思って。

 どうでしょう?」

 「勿論良いよ。

 捨ててるからあげるよ。

 好きなだけ持っていきな。」

 ここもそうか。

 みさとは苦笑い。

 価値がないと思うとそうなるよねぇ。

 「ターセルさんにも言ったんだけどね、美味しくできたら商品になるかもしれないよ?」

 「やってみないとわからないんだろう?

 実験は大事だから、美味しく作ってやってくれよ。

 出来たら食べさせてくれるんだろう?」

 「喜んで!

 そうとなったら、今回は有難く頂戴します。

 ホントに食べてくださいよ?」

 「あはは、いつでもおいでよ。

 気長に待ってるからさ。

 こっちこっち。」

 骨置き場に連れて行かれ、選び放題。

 「一通りの骨貰いますね。

 そうだ、チャーシューも作りたいから豚肉も欲しい。

 こっちは買います!

 美味しいとこお願いします!」

 「お、わかった。

 前教えてもらった豚カツとメンチカツ、美味かったぞ。

 あれが街の店でも売れてるんだろう?

 最近忙しくなって嬉しいよ。」

 「ラッシュさんとこの豚さんが美味しいんだよ。

 カムリさんとこと協力して、ホエー豚上手くいったんでしょ?」

 「そうなんだよ。

 買いに来る人も食べ比べてこっちがいいと選んでくれたそうだ。

 ホエー様様だな。」

 「ラッシュさんとこもそうだけど、カムリさんもターセルさんも、建物も敷地も大きくしてるね。

 忙しそうで何よりじゃん!」

 「はっはっはっ、そ~なんだよ。

 でも、丁寧に育ててやりてぇんだよな。」

 「愛情たっぷり豚さんだから美味しいんだな、きっと。」

 「ありがとな。

 スープ、楽しみにしてるよ。」


 家に着いて、早速豚骨スープ作り。

 これもPCで検索。

 「何々…洗って、煮て、灰汁取って、出なくなったら半分くらいまで煮詰める。

 焦がさないよう注意か。」

 こういう時のみさとの集中力は凄いと思う。

 早速洗って、たっぷりの水を張って、香味野菜も投入し、火にかける。

 黙々と作業を進めるみさと。

 シビックは、興味津々で見ている。

 灰汁を取る作業はシビック的には面白くなかったらしく、つまらなさそうな顔で俺の方に飛んできた。

 「ねぇ、あれ美味しくなるの?」

 「みさとはそうする予定だよ。

 昨日のラーメン美味しかったろう?」

 「美味しかった!

 今日も食べたいくらい。」

 「あれは鶏のスープだったんだけど、今日は豚でスープ作ってるんだよ。

 きっとまた美味しいの作ってくれるよ。」

 「そっか、楽しみ!」

 そんな会話中もみさとはせっせと灰汁取りしている。

 耳に入っていないかも。


 そんな時、レジアスから念話が入った。

 (拓海、今いいかのぅ。)

 (どしたのレジアス、どうぞ。)

 (アイシスがなぁ、無詠唱出来たんじゃ。)

 (流石アイシス、凄いねぇ。)

 (でも、まだ魔力は視えないらしいんじゃ。

 そこで、前みたいに視えるような道具を作ったらどうかと思ったんじゃが、頼めるか?)

 (あぁ、モノクルで視られるようにするのか。

 良いよ。

 どれに付けたいかは、レジアスが選んでね。)

 (わかった。

 研修の時だけ使うよう厳命しとくわい。

 時間できた時にでも来てもらえるかの。)

 (わかったよ。

 その時は連絡するね。)

 (宜しく頼む。)


 レジアス、諦めたな。

 どういう仕組で視られるかもわからないから、良いけどね。

 「みさと、ちょっといい?」

 「どしたの、たっくん?」

 「レジアスに呼ばれてさ、直ぐ戻るけど行ってきてもいいかな。」

 「良いよー!

 こっちはまだ時間かかるし、どうぞどうぞ。」

 「戻ってきたら、また時短魔法するからね。」

 「はーい!」

 これで良しと。

 「シビック、お前も行くか?」

 「暇だし、お家の中ならみさとも危なくないでしょ。

 行く行く!」

 「了解。

 じゃあみさと、行ってくるね。」

 「いってらっしゃーい!」


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