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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫
27/263

お試しにも程がある 27

 「やぁやぁお待たせ、研修は進んでいるかい?」

 みさとを案内してから戻ってきたディグニティは、俺とレジアスに話しかけた。

 「順調…なのかな?レジアス。」

 「以前に比べたら、格段に出来るようになっとるわい。

 本当に来てよかった。」

 「そう言ってもらえて何よりだ。

 先生やってる2人も、成果が見える方がやる気になるだろうしね。」

 「戻った後の研修の参考にさせてもらうわい。

 ところで、魔法の在り方は体験した方が理解が早いと思うが、魔力が視えていないものでも実感するもんかのぅ。」

 「それは研修生達に聞いた方がいいんじゃない?

 私達は視えているから正直わからない。

 成長してるって事は、感覚でもわかってるってことじゃないかな。」

 「ふむ。

 今回は若い者達を集めたが、あまり上手に使えてない中年クラスも鍛えたいんじゃ。

 今回の研修生たちが先生になると、舐めてかかって上達しないかもしれんと思ってな。

 厄介な者を連れてくるつもりはないが、結果そうなったら申し訳ないと思っている。」

 「実力を示すのは得意だよ、あの2人。

 何なら私が教えてもいいけど、レジアスの立場もあんるじゃない?」

 「成長してくれれば私はどう思われても構わんよ。

 私が教えると、私だから出来ると思われて成長しなさそうでなぁ。」

 頂点二人の会話は、小難しいものになってきた。

 何事も簡単にはいかないんだね。

 ズルした訳じゃないけど、訓練も何もしてない俺は口を挟めない。

 「因みに、先生の貸出はしないからね。

 あの子達が危険にさらされるのは看過できない。」

 「無論じゃ。

 来てくれるなら万全を期すが、絶対ではないから理解できる。

 因みに、次回以降は転移魔法教えないつもりじゃろ?

 部外者が来られるようになると困るじゃろうて。」

 「理解が早くて助かるよ。

 今回は特別だからね。

 これは内緒だけど、うちの結界は転移の阻害もできるよ。

 指定した人しか入れない。

 本当に便利だよね、魔法って。」

 「そんな使い方もあるのか。

 勉強になったぞ。」

 「想像力が大事かな。

 何でもは出来ないけど、出来るものの組合せは自由でしょ。」

 その通り!

 隣で聞いてた俺は、心の中で頷いた。

 俺は思うだけで出来ちゃうけど、どこまで出来るのやら。


 あっという間に研修終了、転移魔法は半数以上が覚えられた。

 「上出来じゃない?」

 「全員できないとは情けない。」

 「二人共、有難う。

 先生上手だったよ。

 教え方良かったから、できる人多かったんだから。」

 「「はい!」」

 ディグニティから褒められ、エルテナ・スタリオンは笑顔になった。

 「その通りじゃ。

 先生方、有難う。

 本当に世話になった。

 感謝してもしきれん。」

 レジアスからの謝意に、戸惑う2人。

 研修生達も集まり、全員で口々に感謝を述べる。

 それを少し離れて見ている俺達は、顔を見合わせ笑顔になる。

 「やっぱ知らない事を学習出来るって良いよね。」

 「ほんとだね。

 私も、調理場のエルフさん達と仲良くなったよ。」

 「みさとはそういうとこ上手いよね。」

 「良い人達だったからね。

 帰ったらお料理に取り入れてみるよ。」

 「楽しみにしてる。」


 無事に研修は終了、レジアスの魔法で帰ってきた。

 「レジアス様〜!

 無事にお帰りになられて、何よりです。

 心よりお待ちしておりました!」

 「アイシス、留守番御苦労じゃった。

 何も変わりないかの?」

 「勿論です。

 レジアス様の不在の間は、このワタクシめが目を光らせておりましたっ!」

 「流石、頼りになるのぅ。

 有難う、アイシス。」

 「勿体無いお言葉です!

 何と甘美な響き、心が洗われるようです。」

 アイシスとの会話は一区切り、研修生達に声をかけるレジアス。

 「それでは、研修御苦労じゃった。

 3日間の休息を取るように。

 体力が回復しても、魔力が回復してるとは限らんから、無理はしないように。

 解散。」


 研修生達は帰宅、レジアス・アイシス・俺達が残った。

 「アイシス、以前話した通り、今回の研修生に指導役をやってもらおうと思う。

 そこでじゃ、お前にも統括として関わってほしい。

 研修で主に行ったことは、魔力の扱い方じゃ。

 ディグニティが言うには、前回の使者・つまりお前は直ぐに魔法を覚えて優秀だったとの事じゃ。

 単刀直入に聞くが、お前は魔力が視えるかの?」

 「魔力が視えるか、ですか。

 正直視えません。

 でも、存在は感じてます。

 なので、レジアス様の膨大な魔力もそうですし、拓海もかなりの魔力持ちであることはわかります。

 慣れると視えるものなんですね。」

 「そうなんじゃよ。

 全身に纏わせる形になるが、感覚でわかる事でも良いんじゃ。

 実はお主は、それが出来ておる。

 自然に出来るので、視えているかと思ったんじゃが…視えていなくても、そこまで出来るのは凄いことじゃ。

 感覚だけでそこまで出来るなら、指導者として申し分ない。

 なので、引受けてくれんかの。

 勿論何かあれば、直ぐに相談してくれ。」

 「承ります!

 レジアス様のお役に立てるよう、精進します!」

 「お前は、既に私の役に充分たっておるから、安心せい。」

 「有難うございます!」

 やはりアイシスは優秀なんだな。

 改めて思うが、視えたり無詠唱も覚えたら更に凄いことになるんじゃなかろうか。

 「ねぇレジアス、アイシスに視えるようになるか・無詠唱できるかを、レジアスが教えるのはどうかな。

 アイシスは基礎がもうできてるんでしょう?」

 「ふむ…そうじゃな。

 国内での研修メニューも一緒に考えてもらえるかの、アイシス。」

 「勿論、喜んで!

 直々に御教授いただけるとは光栄です!」

 「期間は研修生達の休みが明ける3日までじゃ。

 何処まで出来るが楽しみじゃわい。」

 

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