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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 256

 「さて、宝箱を開けようか。」

 ダンジョンに戻ってきた俺達は、宝箱に目を向ける。

 「聡太、開けるか?」

 「俺が開けていいの?」

 「いいよいいよ、聡ちゃん開けなよ。」

 やはり子供には甘いようだ。

 ミミックではないことは魔法で確認済。

 聡太が宝箱に手をかけ、俺とみさとは後ろから見守る。

 中身は、指輪だった。

 シンプルなデザインで、大きめサイズ。

 聡太が指にはめてみると、ピッタリサイズになった。

 「どういう効果だろう?」

 はめた手を眺めながら、聡太は呟く。

 俺が鑑定しようとした時、天の声ならぬロデオの声がした。

 『その指輪は、力が強くなる指輪だ。

 怪力になれば、魔物も倒しやすくなるだろ?

 ハッハッハ!』

 脳筋ここに極まれり、力が全てなんだな。

 「ありがとうロデオ、大事に使わせてもらうよ。」

 俺は声に出して、ロデオにお礼を言う。

 そして、宝箱が消えつつ、俺達は外に戻された。

 「終わったねぇ。」

 「終わったな。」

 みさとと俺は、確認するようにお互いを見る。

 「ねぇ、この指輪どうする?

 リュックに入れて増やすなら渡すけど。」

 指輪を外した聡太は、掌に載せて俺達に見せてくれた。

 「そうだな、増やしとこうか。

 借りるぞ。」

 聡太の掌から指輪を取り、俺はウエストポーチに入れる。

 直ぐに取出し、聡太の掌に戻す。

 念の為鑑定すると、確かに力が増すようだ。

 相対的な数字ではなく、固定値。

 みさとが使用しても微々たる差だが、聡太が使うには効果がありそうだ。

 「聡太、効果あるものだから、使い方気をつけろよ。

 普段の倍以上の力になるようだ。」

 「そうなの?ヤバいね。

 気をつけるよ。」

 戻ってきた指輪を自分でもショルダーバッグに入れてから、取り出してはめる。

 改めて指輪をはめた手を動かして、何か確かめているようだ。

 「うーん、あんま強くなった感じしないね。」

 「数値は上がってるから、本当に気をつけろよ。」

 「何見てんだよ、父さん。

 俺にも教えてよ。」

 そっちかい!と言うより、見えてないのか。

 「鑑定かな?色々な数値見えるよ。」

 「俺にはその能力ついてないのかな。

 寧ろつけてよ。」

 「見たいと思えば見られるかもよ。

 ナビにでも聞いてみ。」

 俺も聞いたしな。

 何とかなるだろう。

 「ほんとだ、見れた。

 親切設計だね、ちゃんとプラス表記にしてくれてる。

 俺、元はこんな低かったんだ。」

 自分のを見終わって俺を見て、みさとも見たようだ。

 「母さんヤバいね、勝てる人いないんじゃない?

 俺も力比べしないようにしよっと。」

 ふぅとひと息ついてから、シビックを見る。

 まじまじと見て、抱き上げて更に見る。

 「可愛いだけじゃなくって、強いんだ。

 シビックはやっぱり特別個体なんだな。

 底がじゃなくて見えない部分もあるってことは、そういうことなんだろ、シビック?」

 そんな聡太の問いかけに、のほほんとシビックは応える。

 「敵じゃないから安心して。

 聡太のことも守るからさ。」


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