表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

254/335

お試しにも程がある 253

 「ミノタウロス?」

 俺は思わず声に出してしまった。

 そう、筋骨隆々の牛が、斧を担いで待機している。

 呼んだ訳ではないがこちらに気付いたようで、一歩一歩近づいてくる。

 地響きを感じつつ、魔法発動。

 まだ魔法は変えなくて良さそうだ。

 足止めして、樹木化して終了。

 落ちた魔石は、前回よりは色が濃くなっていた。

 「ほい、終わり。」

 倒したら魔物の後ろには、下へ降りる階段が見える。

 その手前には、やはり樹の実が成っていた。

 しかも、3つ。

 開けると、唐揚げ・ハンバーグ・カレーライス。

 量は前回よりも多め。

 皆で少しずつ分けて、丁度いい感じ。

 食べ終わって殻を地面に置いて消えたところで、やっと進めるようになった。

 「これはやっぱり、食べ終わらないと進めない仕様なのかなぁ。」

 お腹いっぱいの様子のみさとは、ポツリと呟いた。

 「じゃあ、次試してみるか。

 食べずに取っといてみよう。」

 「次は俺だね、さぁ進もう!」

 聡太の順番になり、先頭に立って階段を降りていく。


 次の階層も、3人で順番に倒していく。

 出てくる魔物も、徐々に強さを増していく。

 まだ浅い階層の魔物とは思えない強さになってきた。

 苦労せず倒せるところは変わらないが、他の冒険者達なら降りてくるのは大変だろう。

 階段前のボスは、大きなコカトリス。

 俺達の3〜4倍位の大きさ。

 「食べたら美味しいかなぁ。」

 「鶏なの?蛇なの?」

 みさとの呟きに、思わず突っ込んだ俺。

 倒したら消えるから、どちらにしろ食べられないけど。

 対峙する聡太は、相手をしっかり見て魔法発動。

 即死魔法は板についたようだが、魔法名を叫ぶのは面倒くさくなったようだ。

 あっさり倒して、先に進むとやはり樹の実が3つ。

 実を取って食べずに進もうとすると、階段は見えるが透明な壁に遮られて進めない。

 樹の実を下に置いても変わらない。

 仕方がないので、樹の実を開けて食べようとなった。

 中身は、とんかつ、メンチカツ、カツ丼。

 「あれ?カツ丼なんて教えたっけ?」

 みさとは首を傾げる。

 「スプーンで食べられる物の件で、話してたかもよ。

 誰に何を話したかは覚えてないけどね。」

 俺は、その時聞こえていた話を思い出し、可能性を示唆する。

 「考えて作ってくれても良いんだけどね。

 色々教えたから、組み合わせればカツカレーだってできるじゃん?」

 みさとの分はシビックにお願いしたので、本人は飲み物だけ飲んでいる。

 「カツ丼に追いカツは考えてるかもよ?」

 まだまだ美味しく食べられている聡太は、フォークに刺したとんかつをみさとに見せる。

 「肉々しいねぇ。」

 「僕、こういうの好きだよ。」

 まだまだお腹に余裕のあるシビックは、どんとこいな感じだ。

 「お肉好きはロデオさんだったかな?

 言われてみれば、お肉ばっかりな気がする。」

 みさとは思い出しつつ、口にする。

 俺は自分の分を完食し、みさとに声をかけた。

 「最後まで攻略したら、誰のダンジョンか確認に行こうか。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ