お試しにも程がある 250
「今度こそ、ダンジョンへ!」
聡太は、昨日入り損ねた分張り切っている。
翌日になってから、仕切り直してプリメーラのダンジョンを訪れた俺達。
場所は下見済なので、迷わず転移。
誰の所かは、入口を見ただけではわからないので、入ってからのお楽しみ。
前回決めた通り、順番に倒していけるかな。
そもそも、1体ずつ出てくるとは限らないしなぁ。
「はーやっく出てこないっかなー。」
ご機嫌で先頭を行く聡太とシビック。
1分もしないうちに、ご希望の魔物に遭遇した。
「ねぇたっくん、このゴブリン、大きくない?」
「そうだねぇ。
最初に出てくる大きさじゃない感じするね。」
みさとと俺の会話は耳に入っていない聡太は、早速魔法を叩き込む。
風魔法で真っ二つになる。
「終わったけど、意外に硬かったかな。」
「割と大きかったからじゃん?聡太。」
聡太の感想に、肩の上のシビックが返す。
「じゃあ次私ね。
聡ちゃんは後ろ後ろ。」
何だかんだみさとも楽しみにしてたんだな。
俺と聡太がみさとの後ろを歩くが、それほど待たずに次が来た。
剣を構えたみさとは、大きめのリザードマンの攻撃を受け流し、全部見切ったうえで一撃の下に倒す。
「次はたっくんだね。」
「おぅ。」
俺が先頭に立ち、みさとと聡太が後ろに並ぶ。
「もっと数出てくればいいのにね。」
「まだ序盤だよ、母さん。
これからこれから。」
そんな話をするうちに、次の魔物がお出ましだ。
大きめゴブリンが、3体まとめて来た。
「これ、1回だから俺が全部倒していいんだよね?」
「良いんじゃない?
俺の時も複数出てきてくれるかな。」
「たっくん良いなぁ。
気を付けてね。」
これで、1体ずつではなく1回ずつで確定。
1体倒したらスイッチしなくて済む。
さて。
足止めしてから、木魔法で樹木化。
小さな実がコロンと落ちて、魔石も回収。
一巡して聡太の番に戻ってきた。
「やっぱさぁ、魔物の強さが他とは違うよね。
どんどん強くなってくのかな?」
聡太も思ってたか。
「聡ちゃんも思った?
最初の敵にしては、動きも良かったよね。」
みさとは、そこまで見ていたのか。
「わからんよ、進むに連れて弱くなるパターンかもだし。」
「「それは却下!」」
「こんなところでハモらんでも。
進めばわかるしね。
聡太、好きな方に進んで。」
「おぅ!」




