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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 249

 「串カツかぁ、美味しいよね。

 揚げたてにソース付けて、ハフハフ言いながら食べるの。

 二度漬け禁止な。」

 俺は、串カツを想像し思いを馳せる。

 「色んな具材あるけどさ、鯵フライとか海老フライ・烏賊フライ作っても美味しいと思うんだよね。

 ここなら新鮮な魚介類手に入るでしょ?

 帆立も美味しいんだけどなぁ。」

 「みさとさん、後で詳しく聞かせて欲しいな。

 そういう店があっても良いよね!」

 クレスタはそっちに行ったか。

 それはその通りなんだけどね。

 「クレスタ、それならカウンター席で揚げたて出す方がいいね。

 お客さん自身で揚げると、事故になりかねない。」

 俺の言葉を、噛み砕いて確認するみさと。

 「揚げが足りなくて食中毒…お腹壊すとか、下手すると火事になるってことかな?」

 「みさとの言う通り。

 個人的に楽しむなら自己責任だけど、店で提供するなら責任持たないとじゃない?」

 「成程ね、そういう解釈になるね。

 店を始める前で良かった。」

 頷くクレスタに、デックスから横槍が入る。

 「店はさて置き、道具は作る算段していいのか?

 先ずは試作品だろ?

 使い方は自由にしてくれ。」

 「ごめんごめん、試作品宜しく頼みます。

 これも売れそうだね、デックスさん、ルクラさん。」

 「おぅ。

 包丁も売れてるし、どんと来いだ。」

 「刻印は多分うまくいくから、楽しみにしといてくれ。」

 ルクラは、話を聞きながらもう考えていたようだ。

 「お2人共頼もしい!

 値段はまた今度決めましょうね。」

 「それな。

 作ってみて、材料と手間賃で考えるから、待っててくれや。」

 作る以外は面倒そうなデックス。

 ルクラは苦笑い。

 「欲がねえからな、デックスは。

 一定量の儲けしか付けないし。」

 「いくらつけたら良いかわからねぇんだよ。

 やりたい仕事ができれば、それでいいんだ。」

 デックスはポリポリ頭を掻きながら、そっぽを向く。

 それでいいのか?と突っ込みたいところだが、ありがたい話である。

 「武器以外を作ることを決めてから、面白いもんばかり作らせてもらってるよ。

 俺は満足だ。」

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