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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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240/335

お試しにも程がある 239

 「早速だが、渡していいか。

 革で鞘も作ったが、運ぶのに苦労しそうだ。」

 ルクラは、自分より大きな革の鞘を外し、刃の部分を俺達に見せてくれた。

 「綺麗だね、たっくん。」

 「本当だ、触るのが怖いくらいだ。」

 「この文字みたいの、ルーン文字ってやつかな?」

 それぞれ感想が漏れ出てくる。

 聡太の呟きに、ルクラは即座に反応。

 「そうだよ、ルーン文字だ。

 今回の刻印は、慎重に尚且つ多く入れるため、時間がかかったのさ。」

 「凄いですね、刻印はルクラさんの仕事ですか?」

 初対面の聡太に、キラキラした目を向けられ、悪い気はしないルクラ。

 「そうだ、刻印は俺の仕事だ。

 デックスが作って、俺が刻印する。

 拓海からの仕事は、注文が多いからな。」

 「その分、金にもなるがな。」

 ルクラとデックスで、ガッハッハと笑い合う。

 「商売相手も探してきてくれるし、願ったり叶ったりだ。

だから聡太も、遠慮するなよ。」

 デックスとルクラから、バンバン背中を叩かれる聡太。

 迎え入れてもらえたようで、俺は安心した。

 「試し斬りは買い主にしてもらった方が良いよね。

 デックス・ルクラ、一緒に行く?」

 「注文主のところか。

 挨拶に行くか、宜しく頼む。

 因みに、金額はもう言ってあるのか?」

 「まだだよ。」

 「思いの外作るの大変でよ、金貨1枚にしたい。」

 「そうだよね、大きい包丁とも差をつけないとだしね。

 じゃあその金額で伝えるよ。」

 鞘は戻して、包丁をウエストポーチに入れる。

 全員で、目的地に転移する。


 向かった先は、ボンゴの家。

 ミレーニアが、掃除しているところだった。

 「こんにちは、ミレーニアさん。

 ボンゴさん居る?」

 「おやみさと、いらっしゃい。

 その辺に居るはずだよ。」

 その辺て、大らかな巨人族らしい返しだ。

 家の中って意味かな?

 (ボンゴ、拓海だけど、今何処?

 大きい包丁仕上がったから、ボンゴの家まで持ってきたよ。)

 少しして、返事が直接返ってきた。

 「おぅ拓海、よく来たな。

 包丁できたって?」

 家の奥から、大きな足音を立ててやって来たボンゴ。

 その様子は、デックス・ルクラ・聡太も含め、驚かせたようだ。

 見上げるような大男、デックス達にすれば何倍も大きな人間。

 ボンゴは、俺とみさとには気付いた様子。

 「待たせたね、ボンゴ。

 紹介したい人も連れてきたよ。」

 「ん?誰だい?」

 キョロキョロと、俺の周囲を見るボンゴ。

 そこには、表情が固まった3人がいた。

 「先ずは、包丁の製作者のデックス、刻印をしてくれたルクラ。

 2人は、切れ味の確認も含めてきてくれた。

 最後に俺達の息子の聡太だ、宜しくな。」

 ボンゴは、床に胡座をかいて座り、3人に挨拶する。

 「俺はボンゴだ、皆よく来たな。

 デックス、ルクラ、包丁すげぇ使いやすいぞ、助かるよ。

 聡太は2人の息子か、苦労すんなぁ、お前は。」

 3人の目線に合わせ、声を掛ける。

 やっと動けるようになったデックスは挨拶と同時に手を出した。

 「デックスだ、宜しくなボンゴ。

 今回の注文は、楽しかったぞ。

 大きくて苦労もしたがな。」

 「ルクラだ。

 刻印もしっかりできてる筈だから、試し切りしてみてくれ。」

 「初めまして、聡太です。

 両親がいつもお世話になってます。」

 挨拶の順番に、ボンゴと握手(?)していく。

 「丁度良かった、昨日揚がった大物で試そうか。

 ついてきてくれ。」

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