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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 235

 「結果、まだ開催は先になったね。」

 クレスタのところから解放され、転移で家に戻ってきた。

 「色々言いたい放題しちゃったからね、楽しみに待ってるよ。」

 みさとは、クレスタに問われるまま色々提案。

 どれもやろうとなり、日程を聞きに行く筈が、先延ばしになってしまった。

 「母さん、自分で店開けばいいじゃん。」

 「出た、その質問。

 お店やったら、作ることが仕事になっちゃうじゃん。

 仕事じゃなくて、楽しく料理したいの。」

 そう、みさとはいつもこれだ。

 俺も齷齪働くのは好きじゃないし。

 2人で過ごす時間を大切にしたい。

 「忙しくて、他のこと楽しめなくなるからな。

 クレスタみたいに仕事にする人もいれば、みさとや俺みたいに知識だけ伝えるのも仕事だよ。」

 「正にコンサルタントだね。」

 聡太は、うんうんと頷く。

 「ちゃんと冒険者もしてるもん!

 依頼こなしたり、ダンジョン潜ったり、ねぇたっくん。」

 「割合は何とも言えんが、やってるね。

 しかも、指名で依頼来るからな。」

 「凄いね、有名なんだ2人共。」

 武闘大会で優勝後は、そんな感じだったな。

 「最近はみさとの方が多いんじゃないか?

 料理関係で。」

 「たっくんは、面倒事ばかりに呼ばれてるよね。

 特にレジアスさんとかクレスタさんとか。」

 思い出し、クスクス笑うみさと。

 「しょうがないよ、できることバレちゃったんだもん。

 おかげで、知り合いも増えたしな。」

 「程々にやることがあって、楽しいよね。」

 まだまだ楽しみたい聡太が、声を上げた。

 「じゃあ、ダンジョン攻略再開?」

 前のめりな姿勢は買うが、今日はもういいんじゃないか?

 「明日にしようか、もう遅いし。」

 「チョコが上手く作れてよかったよ。

 ありがとね、たっくん、聡ちゃん。」

 「あれはあれで楽しかったね。

 結果、粉だけじゃなく豆の方も買ってたよね、母さん。」

 「よく見てたね、聡ちゃんは。

 家でも美味しいの作りたいじゃん?

 エクレアとか、アーモンドチョコとか、作っておけばいつでも食べられるしね。」

 「みさと、僕チョコ食べたい!

 美味しかったよ。」

 チョコの話に、食いつくシビック。

 「でしょ?

 作ってリュックに入れておけば、いつでも食べられるよ。

 食べ過ぎ注意ね。」

 「えー、大丈夫だよ。」

 遂にシビックはチョコレートを覚えてしまったか。

 食べ尽くされないように気をつけないと。

 「増えてる1袋分だけ、作っとく?

 時短できる工程あれば、魔法使うよ。」

 「覚えているうちにやっとこうか。

 練り練りが、時間かかったかな。」

 「ペースト状にするところと、他の材料混ぜた後の練りかな。

 うーん…」

 ねぇナビ、一瞬でチョコを作る魔法はできるかな?

 『全行程を経たものを出すことは可能です。

 味については、マスターがお確かめください。』

 了解、お試ししてみますか。

 「みさと、カカオ豆少し貰っていい?

 魔法で作れるか試してみるよ。」

 「何々、そんなことできるの?

 どーぞどーぞ!」

 「あくまでお試しね。

 上手くいくかな。」

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