お試しにも程がある 230
「これ毎増えてるの?
株とか定期預金より効率良いね。」
「ギャンブルじゃなく、確実に増えるからな。」
「毎日増えてると、スペース足りなくならない?」
聡太の疑問は最もだが、正直心配はしてない。
念の為、ナビに確認。
『問題ありません。
魔力の増加に伴い、容量も増えてます。』
えっ、俺の魔力増えてたの?
『その通りです。
数値にも反映してますので、ご確認下さい。』
ご丁寧にどうも。
ホントや、知らないうちに桁が上がってた。
見なかったことにしよう。
「スペースは問題ないって、ナビが言ってる。
聡太も聞いてみれば?付けたんでしょ?」
「そうだった!
ちょっと待ってて。」
聡太は自分の中のナビに、確認しているようだ。
「大丈夫だって、まだまだ余裕ですって言われた。」
「じゃあ、一部が金貨になっても大丈夫だな。
入れとけば稼がなくても問題ない。
好きなことやれば良い。」
「それはそれで困るから、父さん達の様子を見たい!」
自主性ないんかい!と言いたいが、まだまだ不安だよな。
「わかった、明日クレスタにも紹介しよう。
朝から出掛けるぞ。」
翌朝、俺達はクレスタの元に向かう。
今日は家にいるようなので、そちらに転移。
「来たよ、クレスタ。」
「拓海さん・みさとさん、お待ちしてました。
おや、そちらの方は?」
「うちの息子の聡太だ。」
紹介を受けて、聡太がクレスタに挨拶する。
「初めまして、星野聡太です。
いつも両親がお世話になってます。」
「聡太さんだね、初めまして。
お世話になってるのはこちらの方さ。
いつも頼りっきりだよ。
今回もそうだしね。」
クレスタから手を差し伸べ、聡太と握手する。
「一緒に来たということは、良い知恵を拝借できるのかな?」
「内容にもよるかと思います、宜しくお願いします。」
「じゃあ早速だけど、みさとさん!
実はね、四角パンでも違いを出したいし、調理パンでも色々出したいってことになってさ。
何かいい案ないかな?」
「四角パンでの特色を出すのか。
前回やった以外だと、そうだなぁ。
小さく切ったチーズを混ぜるとか、干し葡萄を混ぜるとかどうかな?」
「ほうほう、チーズに干し葡萄ね。
流石みさとさん、すぐ出てくるね。
他には?」
「胡麻かな、個人的に香ばしくて好き。
そうそう、りんご・さつま芋・南瓜を小さめに切ったものを混ぜるのも美味しいよ。
そのままだとあまり甘くないなら、甘露煮に…甘く煮てからでも良いよね。」
「へぇ、果物や野菜も入れていいんだ。
すごい発想だね。」
クレスタは、みさとの呟きを全てメモする。
その様子を見ていた聡太が、おずおずと意見した。
「チョコは入れないの?母さん。」
「チョコはね、まだ見たことないんだ、こっちでは。」
「そっか、残念。」
みさとと聡太の会話で、聞き慣れない単語に反応するクレスタ。
「みさとさん、チョコってなんです?」




