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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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229/335

お試しにも程がある 228

 「あれ、箱がまだある。」

 最終層に戻ってきた俺達は、開けたままの箱3つを確認。

 「消える所見たいでしょ?

 まぁ、消えると同時に追い出すんだけどね。」

 クスクス笑いながら、解説するジェミニ。

 宣言通り、箱が薄くなって消えていきそうなところで、俺達も地上に追い出された。

 「空が青いね、たっくん。」

 「そうだな、外だな。

 聡太とシビックも大丈夫か?」

 「「大丈夫!」」

 皆揃って出られたようだ。

 辛うじて夕方前の時間帯だと思われる。

 「じゃあ、冒険者ギルドに報告してさっさと帰るか。」

 「何か、長かったね。」

 「みさとは、ダンジョンの中はついて行くだけだったからな。

 聡太とシビックは、お疲れ様。」

 「中々斬新なダンジョンだったね。

 樹の実も良い感じだし。」

 「数が出過ぎないところもいいよね。

 持つの大変だもん。」

 聡太とみさとの会話で、俺は思い出した。

 「あ、樹の実が中身戻るか確認するの忘れた。」

 「次のダンジョンで覚えてたらね。」

 「食料確保は、命題なんだぞ、みさと。」

 「わかってるよ。

 たっくんが試さなくてもいいじゃんてだけだよ。

 他の人の好奇心を奪ってるんだよ?」

 「うーん、じゃあ、わかっても報告しない!

 これでどう?」

 「自分で知りたいだけなら、協力します。」

 意外に頑固なところがあるみさと。

 やっと決着がついた。

 「シビック、夫婦喧嘩は犬も食わないって言うんだよ。

 関わらないに限るね。」

 「ねぇ聡太、喧嘩って食べられるの?」

 「そういう諺なんだよ。

 終わって良かった。」

 離れて話していた2人だが、しっかり聞こえていた。

 「ちょっと聡ちゃん、喧嘩じゃないし。」

 「そうだぞ、意見を言い合うのは大事なことだ。

 ちょっとした食い違いで、大きな溝に発展するんだからな。」

 「そんなもんなんだ。」

 「「そうそう。」」

 シビックが、知ったような口を聞く。

 「なんだかんだ仲良いよね、拓海とみさとは。」

 改めて言われると、ちょっと照れ臭いな。

 「さ、移動するぞ。」

 俺達は、宣言通り冒険者ギルドに向かった。


 冒険者ギルドでは、完全制覇したこと・樹の実が出ること・知能問題も出ることを伝えた。

 報告している最中から、周囲が騒がしくなった。

 この辺りの冒険者では、殆ど階層を降りられなかったそうなので、下の階層に行っただけでも凄いとのこと。

 因みに、オッティのダンジョンは知能問題出ないということも言っておいた。

 それなら挑戦してみようという声も聞こえてきた。

 検問所に転移装置があるので、簡単に移動できることもさらっと宣伝。

 魔道士含めたチームと思われる数人が、早速出ていったようだ。

 よしよし、やはり情報は大事だな。

 徐々に浸透して色んな所で人数増えると良いな。

 言いたいことは全部言ったので、ここでの任務は終了。

 樹の実と出た魔石も鑑定という名目で披露・他のドロップの一部も出した。

 どうやらお宝認定されたようで、ざわめきが大きくなる。

 更に出ていった人数が増えた。

 やっぱお宝は魅力的だよね!

 ガッポリ儲かるものが出ると分かれば、行かない冒険者は居ないだろう。

 健闘を祈るのみである。

 「さて、帰るか。」


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