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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 226

 「精霊の常識と人間の常識が違うんだろうから、知らないことだらけで良いんじゃないか?」

 「向こうの商品だし、知らなくて当然だよね、きっと。」

 「それを言うなら、向こうには無いけどこっちにはあるってものも多いし、お互い様じゃないかな。」

 俺とみさとで、ジェミニのフォローする。

 「何が無いの?」

 ジェミニは食いついてきた。

 「精霊って存在も確認されていないし、魔法も無いよ。

 魔石とかダンジョンも無いな。」

 「エルフもドワーフも魔族も居ないね。

 寿命も永くて100歳位だし。」

 「えっ、不便過ぎない?その世界。」

 俺とみさとからの情報で、ジェミニは驚く。

 更に情報追加。

 「その代わり、魔法が無くても便利に暮らせる道具は沢山あるんだ。」

 「どっちが良いかと言われると、困るよね、きっと。」

 楽しそうに話す俺達を見て、溜息をつくジェミニ。

 「本当に異世界ってあるんだ。

 知らなかったよ。」

 「俺達にとっては、こっちが異世界だからな。

 そう思うのは当然だと思うよ。」

 「拓海達は、たった100年で居なくなっちゃうの?」

 ジェミニは、寂しそうに聞いた。

 「俺とみさとは、不老不死ついてるから大丈夫。

 聡太は…」

 「俺も付けといた!

 多分できてるから、見てみて。」

 食い気味の聡太に、俺は目を向ける。

 確かに、不老不死付いてる。

 他にも、色々盛り過ぎなくらい付いてるわ。

 「うん、聡太も大丈夫だな。

 たださ、向こうで年取らないのは怪しまれるんじゃないか?」

 「そうかも。

 でも、付けちゃったもん、どうにかするよ。」

 「なら良いけど、気を付けろよ。」

 俺と聡太の会話を聞いてたジェミニは、ちょっとホッとした顔をしている。

 「良かった。

 知合いが居なくなるって経験、まだ無いんだよね。

 ほら、うちらは死なないからさ。

 アスコット様もずっと居てくれるし。」

 他の種族と関わらないからかな。

 確かに、仲良い人が居なくなるのは辛いことだ。

 「それは幸せなことだな。

 これからも宜しくな、ジェミニ。」

 俺の一言では、カバーしきれなかったようだ。

 「さ、折角お料理増えたんだから、皆でもう一度食事にしましょうか。

 シビックも食べるでしょ?」

 雰囲気を変えるように、みさとは明るい声を出す。

 「勿論!

 みさとの料理は、お残ししないよ。」

 「お代わりも出せるから、好きなだけどうぞ!」

 「母さん、俺ご飯欲しいな。」

 いつの間にか、ジェミニ含め一家団欒の食事に変わっていた。


 「みさと、相談乗ってくれてありがとう。

 内容は皆には内緒だけど、大成功だったって伝えとくね。」

 「あはは、あんまり期待値上がると大変だから、程々にね。」

 「そっか、皆が頼らなければうちがまた相談しても良いのかぁ。」

 いたずらっ子ジェミニが、顔を出した。

 「でも、ダンジョンに出したら、皆わかっちゃうんじゃないの?」

 俺の質問にも、ニコニコ応えるジェミニ。

 「そこはそうなんだけどさ、最初に出すのは気持ちいいじゃん!」

 「自己満足で良いんだね。」

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