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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫
224/263

お試しにも程がある 223

 「できたものから出してくね。」

 シェフとアシスタントの息はぴったりで、速やかに料理が進行しているようだ。

 出来立てのコーンクリームを冷やしたり、ロールキャベツと角煮の時間短縮したりと、アシスタントは魔法での補助もやってのける。

 「おいおい、何処で教わったんだ、聡太。」

 「母さんがさ、父さんが鰹節やチーズの時間短縮とかジャム冷やしたりとかしてたよって言ってたからね。

 俺もできるでしょ?ってやってみた。」

 聡太め、有能だが可愛くない。

 「速くて助かっちゃった。

 ありがとね、聡ちゃん。」

 みさとは、聡太に礼を言う。

 思ったより作業は捗っているようだ。

 出来立てのロールキャベツをテーブルまで運んでくるみさと。

 「熱いから、急いで食べると危ないからね。」

 俺は、角煮と肉巻きおにぎりと小皿と箸・フォーク等運んだ。

 聡太は、お椀に盛り付けた揚げ出し豆腐を、トレーで運んできた。

 「こっちも熱いから気をつけてね。」

 もうひと往復したみさとは、コーンクリームコロッケを持ってきた。

 「ソース・マヨ・唐辛子もあるから、好きなの使ってね。

 じゃあお試しあれ。」

 「「いただきまーす!」」

 俺は、コーンクリームコロッケから食べる。

 やっぱり美味いなぁ。

 聡太は、揚げ出し豆腐から。

 葱や生姜・鰹節も載せて、半分に切ったものをパクっと一口。

 やはり熱かったらしい。

 自分で言ってたのに、やらかしてる。

 「あふあふ、美味い!」

 「聡太、気をつけなよ。」

 そういうシビックは、熱さに強いようだ。

 難なく揚げ出し豆腐を、美味しそうに食べている。

 まぁ、忘れてたけど火も吹けるって言ってたしな。

 ジェミニは、ロールキャベツから試している。

 フォークだけでは危ないと思ったみさとは、ナイフを持ってきた。

 「ジェミニさん、これも使って。」

 「ありがとうみさと、これはナイフだね。

 実はさ、どう使うか知らないんだよ。」

 「そっか、見ててね。

 こうやって持ってこう切ると、一口サイズになるよ。」

 みさとは、自分の分で実践し、一口サイズになったロールキャベツをパクっと食べた。

 「ほぅほぅ、成程ね。」

 みさとが美味しそうに食べるのを見て、ジェミニも早速やってみる。

 自分で切った1切れをじっくり眺めてから、口へ入れる。

 「うん、美味しい!

 頼んだ甲斐があったよ。

 次はこれにしようかな。」

 ジェミニは、角煮を取った。

 シビックを見ると、一口で食べているところだった。

 真似して一口でいこうとすると、大きくて入らなかったようだ。

 仕方なくそのまま齧ったら、ほろほろと溶ける食感。

 「何これ、大きいのに柔らかいねぇ。

 うち好きだな、これ。」

 ジェミニは、食べかけをフォークで持ったまま、ナイフでもうひとつ角煮を確保する。

 シビックも狙っているので、ぼやぼやしてたら無くなりそうだ。

 不毛な闘いになる前に、シェフからの一言。

 「皆で、美味しくいただきましょうね。」

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