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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 183

 「おはようございます、遅くなりました。」

 「おはようございます、今日は宜しくお願いします。」

 俺とみさとがレジアスの家に着くと、既に勢揃いしていた。

 「拓海・奥方、よく来てくれた。

 ヒミコも楽しみにしている、宜しく頼む。」

 「みさとさん、今日も沢山教えてくださいね。

 早速行きましょうか。」

 ヒミコはそう言うなり、みさとをさっさとキッチンへ連れ去ってしまった。

 ヒミコには、みさとしか見えていなかったようだ。

 「私は挨拶する暇も無かったのぅ。

 拓海、仕入れ含め助かったぞ。」

 「以前知合いになったところから買えたからね、問題ないよ。」

 「そうか、いろいろ活動しとるようだしのぅ。

 顔も広くなってくるじゃろ。」

 「クレスタ経由だけどね。」

 そんな話をしていると、執事のコルサがお茶の用意をしてくれた。

 「皆様、みさと様からのご伝言です。

 朝食の準備もしているので、少しお待ち下さいとのことでした。」

 「おぉコルサ、楽しみにしとると伝えてくれんか。」

 「畏まりました、旦那様。」


 暫くして、朝ご飯が運ばれてきた。

 焼きおにぎり・鮭にぎり・肉巻きおにぎりと、出汁巻き玉子・豆腐の味噌汁・セプターの漬物。

 俺達は、朝食を食べつつゆっくり待つことになった。


 朝ごはんも食べたところで、早速料理教室開始。

 今日の担当料理人はセプターとオーパ。

 「先ずは今日の食材ですが、お豆腐です。

 大豆から出来てる、凄く柔らかいものです。」

 「味噌汁に入ってた白いやつですね。」

 オーパの言葉で、朝食を思い出したヒミコ。

 「あれですか。

 他とも調和がとれる、良い食材ですね。

 あら、蕎麦とか言うものではなかったのですね。」

 ヒミコの言葉に、ハッとした私。

 すっかり忘れてたぁ。

 「ごめんなさい、ヒミコさん。

 すっかり忘れてました。

 次回こそ、お蕎麦にしましょうね。

 今日はこっちで許して。」

 「うふふ、次回のお約束頂けたし、構いませんよ。」

 「では続きですが、これ工夫次第で色々できるんですよ。」

 寸胴鍋を2つ出し、1番上の豆腐を取出す。

 「そのためにも、油揚げと厚揚げ作ります。

 実はもう用意してあるんだけど、作り方を伝えたいので、作ってみますね。」

 揚げ物用の鍋を火をかけ、温度を上げる。

 油揚げ用と厚揚げ用で厚さを変えて切ったものを鍋に投入。

 暫くして、厚揚げ、油揚げの順で取出す。

 ひとくちサイズに切ったものを、皆で味見。

 「あの柔らかかった豆腐が、硬くなってる。」

 「サクサクに変わりましたねぇ。

 魔法みたい。」

 「生姜醤油も合いますよ。」

 私は3人に小皿の生姜醤油をそれぞれ渡した。

 「つけ過ぎるとしょっぱいので程々で。」

 最初に試したのはヒミコ。

 チョンチョンと油揚げを付けて、口に運ぶ。

 「あら、これだけで風味変わりますね。

 お酒にも合いそう。」

 「厚揚げも美味いです。」

 「俺は後で塩も試してみよう。」

 オーパとセプターは、うんうんと頷き合う。

 私は、事前に用意しておいた厚揚げと油揚げを出して、早速料理に取り掛かった。


 朝食を食べながら、俺達は情報交換…のはずだったが、オロチは朝食に興味津々。

 「これは美味いな。

 味噌汁というものはおにぎりに合う。」

 「そうじゃろそうじゃろ。

 おにぎりは他にも色々あるんじゃよ。

 肉巻きおにぎりも美味いのぅ。」

 「俺は出汁巻き玉子好きだな。

 武道大会の出店で、パンで挟んだものも美味しかったし。」

 「なんじゃと拓海、それは本当か!

 人混みが嫌で出歩かなかったんじゃが、そんなものまであったとは。」

 「ふふん、お前は出不精だな。」

 「大変な人出なんじゃ、動くに動けんわ。」

 あれ、朝食の話は何処にいったのやら。

 「出店の為にみさとが作り方教えてたから、後で聞いたら良いんじゃない?」

 「「それだ!」」

 やっぱり仲いいね、2人共。

 大人しく食べてたシビックは、既に食べ終わっていた。

 「お昼は大量に出るから、待ってな。」

 ちょっと足りなさそうな顔のシビックに、俺は声をかけた。

 「拓海様、足りないようであればおかわりをと、みさと様から用意された物がございます。

 お出しして宜しいでしょうか。」

 「コルサさん、ありがとう。

 お願いします。」

 「多めに作ってあるので、皆様でどうぞとのことでした。」

 コルサは、大きい皿に全員分を合わせたくらいに盛ってある物をテーブルに置き、トングも添えてある。

 「みさとは気が利くのぅ。

 私は、肉巻きおにぎりを1つもらうかの。」

 「俺は魚と焼きおにぎりだな。」

 「僕は、全部1個ずつ欲しい。」

レジアス・オロチは自分で取り分け、シビックの分は俺が取り分ける。

 「俺はお昼を楽しみにして、今はやめとこうかな。」

 それを聞いたレジアス・オロチは、はっとした表象。

 「わ、私はこれで腹八分ってところじゃのぅ。」

 「うむ、勿論昼には食べられる腹づもりだ。

 そんな心配は微塵もしてないぞ」

 「じゃあ僕が全部食べて良い?」

 「待て待て。

 コルサさん達の朝食分は用意ありますか?」

 「はい、ご心配には及びません。

 私共も頂戴しております。」

 「わかりました。

 レジアス、オロチさんも、もういいの?」

 2人して、うんうんと頷く。

 「シビック、お腹壊さない程度で食べるんだぞ。」


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