お試しにも程がある 181
「はーい、豆腐料理だよね。
ヒミコさんに会うのも久し振りだなぁ。
楽しみだね。」
「疲れてない?大丈夫?」
「大丈夫だよ。
たっくんこそ、またお料理中は魔王様のお相手宜しくね。」
「そこはレジアスもいるから大丈夫。」
「ねぇ、明日の材料のお豆腐の用意どうするか聞いた?
こっちじゃ売ってないでしょ?」
「確かにそうだね。
ちょっと待ってて。」
(レジアス、少し良いかな?)
(なんじゃ、拓海。)
(明日の食材の豆腐ってどうするの?
売ってるところ知ってる?
この辺じゃ持たないから売ってないんじゃないかと思ってね。)
(なんと、そうなのか。
あの店ではどう仕入れていたのかのぅ。)
(じゃあ、レジアスんとこ行く前に仕入れていくでいいかな?)
(宜しく頼む。
多めに買っておいてくれて良いぞぃ。)
(わかったよ。
じゃあ明日ね。)
「みさと、直接買いに行こうか。
多めに買いたいから、今日の内に相談に行こう。」
「ソアラさんとこ?行く行く!」
直ぐ様転移で移動。
夕方で豆腐の販売所は暗くなっていたが、併設されてる食事処はまだ明るかった。
「こんばんわソアラさん、お久し振りです。」
「いらっしゃい、拓海さん・みさとさん。
こんな時間にどうしたんだい?」
「明日朝に豆腐を買っていきたいんだけど、大丈夫か確認に来ました。」
「朝なら大丈夫だ、任せとけ。
どれくらいいるんだい?」
俺はみさとの方を向く。
「うんとね、木枠で2つ分くらい欲しいかな。
大きめのボウル持ってくるから、そこに水入れた状態で入れて持って帰る予定。」
「沢山必要だぞ、みさとさんよ。
盥でも持ってくるんかい。」
「そこはご心配なく。
運ぶのも手は打ってありますよ。」
「じゃあ、その分は取っとくよ。
朝、お天道さんが昇りきったくらいにはできてると思うぞ。」
「頃合いを見てまた来ますね。
宜しくお願いしまーす!」
これで、豆腐は確保できた。
家に帰ってから、明日作るものの復習をしているみさと。
麻婆豆腐・衣笠丼・厚揚げの肉詰め・豆腐の旨煮・いなり寿司・厚揚げピザ・豆乳のジェラート・ブラマンジェ・ずんだときな粉の団子・呉汁・ポルテさんの鍋。
だいぶあるなぁ。
みさとは、リュックの中をゴソゴソし始めた。
枝豆の状態の枝ごと以前貰っていたらしい。
それがあることを確認してから、以前クレスタの所で木枠毎入れた豆腐を取出す。
適度な大きさに切って、水切り。
油を熱した鍋に入れて、厚揚げと油揚げを作る。
「調理に必要だけど、全部作ってたら大変だからね。
作る手順は一通り教えて、差し替え予定なの。」
「料理番組みたいだね。」
「みさと、僕カリカリの油揚げ欲しいな。
茶色いのも塩かけたのも美味しかった。」
「揚げたて良いよね。
ちょっとおやつで出そうか。」
「それなら俺も食べたい。」
「良いよ。
明日のメニューにはないしね。」
みさとは、調理しつつ生姜醤油と昆布塩も用意。
「熱々ならチーズ乗せても溶けるかな。」
「試してみますか。」
俺の一言に、みさとは反応。
チーズも用意して、油揚げをひとくちサイズに切り、3つの皿に盛る。
それぞれで味を分けて、テーブルへ出す。
「まだまだ揚がるから、熱いうちに食べててね。」
そう言うとみさとは、揚げ物をしに戻ってしまった。
俺はシビックにフォークを渡し、自分の分も出す。
チーズ乗せたものが美味しかったので、みさとにも食べてもらうために1切れフォークに刺した。
「はい、あーん。」
「あーん。
むぐ、これ美味しいかも。
揚げたて様々?」
「良いよね、これ。
焦げ目付いてるチーズも好きだけど、これはこれでありかな。
ねぇみさと、厚揚げとかはリュックで増やしても良いんじゃない?」
「折角切っちゃったし、揚げといて全部リュックに入れようかなって思ってた。」
それなら、オートで出来る方法考えねば。
顔に出ていたようで、みさとに先手を打たれた。
「これくらいなら魔法は要らないよ、大丈夫。」




