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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 173

 「やっぱり家は落ち着くね。」

 転移で戻ってきたので疲れはしないけど、我が家の安心感を満喫する。

 「ねぇねぇたっくん、さっきの短剣見たいな。」

 「良いよ。」

 俺はウエストポーチからだして、みさとに手渡す。

 飾り気は無く、実用的な一品に見える。

 みさとは鞘から抜いて、刃の部分も眺める。

 「綺麗だけど、普通だね。

 なんか効果付いてるのかなと思ってたんだけど。」

 「どれどれ。」

 みさとが持っている剣を、改めて鑑定。

 初手は必ず成功する?

 それだけ?

 「うーん、売っても良いんじゃないかな。

 初手だけは成功するみたいだよ。」

 「えっと、隠し武器的な使い方なら良いのかな?」

 「成程ね。

 いざという時のか。」

 「増やしたらさぁ、必ず当たる投げナイフみたいな使い方出来るんじゃない?」

 「みさとが投げても当たるかなぁ。」

 「ちゃんと届くよ!

 寧ろ今なら、貫通しないか気を付けないとだけど。」

 「軌道修正もしてくれるなら、それなりに有効か。

 それなら置いとくか。」

 「後で試してみる?」

 「ダンジョンで、だろ。

 勿論やろう!」


 翌日、解体をお願いしていたものを取りに行った。

 「おはようございます。

 出来てますか?」

 「おぅ、来たか。

 出来てるぞ。

 言われた部位は取っといたのと、売ってもいいやつ換算したら、手数料引いてこれくらいだな。」

 手渡された袋には、金貨4枚入っていた。

 「凄いですね、ありがとうございます。」

 「肉も素材も売れるからな、助かるよ。

 また大物期待してるぞ。」

 「肉も売れるということは、美味しいってことですかね。」

 「そうだな。

 魔物肉は貴重だから中々出回らないが、すぐに買い手がつく。

 1回食ってみろ、やみつきになるぞ。」

 「そうなんですね。

 美味しかったら、また解体で持込みますね。」

 「おぅ、待ってるぞ。」


 依頼部位も手に入れたので、今度こそ完了報告に行く。

 冒険者ギルドの職員に、改めて依頼完了の報告。

 「該当部位切り出してもらったので、確認してもらえますか。」

 「畏まりました。

 こちらのトレーにお願いします。」

 早速ウエストポーチから、角と爪を貰った分だけ出す。

 「あれ、多くないですか?」

 数えていた職員に、意図を説明する。

 「依頼書には、10本以上とあったので、多ければその分追加で対象になるかなと思って。

 解体お願いした分の対象部位は、全部貰ってきたんだ。

 どうかな?」

 職員は改めて、依頼書を見る。

 「確かに書いてありますね。

 依頼者に追加分の金額聞いてきますね。」

 パタパタと裏に消えていった職員は、あまり待たせることなく戻ってきた。

 「お待たせしました。

 余剰分も値段付きますので、対象部位全てに依頼相当の金額出しますね。」

 職員は忙しく計算して、報酬を出してくれた。

 「こんなに用意してもらえるとは思ってなかったみたいですよ。

 倒すの大変なのもわかってたみたいで。

 多い分には大歓迎と言ってました。」

 依頼主に確認した際の言葉を伝えてくれた。

 1回で倍以上の報酬になった。

 「ありがとう。

 因みに、直ぐに出来そうな高ランク依頼ってまだあるの?」

 「その言葉待ってましたよ。

 ありますあります、次はですね、街道整備したいのですが魔物が出て進まないので早急に倒して欲しいそうです。」

 「え、そっち先でもよかったのに。」

 「昨日拓海さん達が帰ってから来た依頼なんですよ。

 首都に馬車で来る際の道に崖崩れがあるんですが、それを引き起こしたのもその魔物ではないかという見立てです。

 お願いできますか?」

 「わかった、何処?」

 「西門から出た道の先です。

 何でも、崖の上と下で魔物が居るのが確認されてるとか。」

 「魔物の情報見たいから、依頼書欲しい。」

 「これです、宜しくお願いします。」

 受け取った俺達は直ぐ西門に向かう。

 倒した後に崖崩れもどうにかしないとだから、遅くなると武道大会見たい人が間に合わなくなる。

 西門へは転移して、門の外でナビに聞く。

 『およそ100キロ先に、崖崩れがあります。

 魔物は複数確認、15体。』

 ありがとうナビ、助かるよ。

 「ちょっと遠いから、車で向かおうか。」

 人目がなくなった辺で、車に乗り込み現場まで向かう。

 上から確認したところ、どうやら魔物は2種類、お互いを倒そうとして周囲にも被害が出ているようだ。

 「ねぇシビック、全部倒しても大丈夫なやつかな。

 前回みたいに素材になるとかで全滅はさせないほうが良いとかさ。」

 俺は念の為シビック先生に聞いてみる。

 面倒くさそうに答えが返ってきた。

 「あぁ、猿と熊なら他にもいるはずだから、問題ないよ。

 ここは全部倒せば済むでしょ。」

 「そうか、それなら話が早い。

 ありがとな。」

 えぇ、あんなでかいのが猿と熊って、どうなの?

 取敢えず即死魔法で強制終了させ、魔物は持ち帰る。

 大分離れたところにいた作業員らしき人に伝えると、とても感謝された。

 だが、皆疲弊しきった様子。

 聞いてみると、作業を終わらせて直ぐ帰るつもりで、あまり食料と水を用意してなかったそう。

 俺達はすぐ来られたが、普通は何日か掛かって到着するので、現状報告に1人馬を走らせても2日は掛かるそう。

 聞くやいなやみさとが人数分以上に食料と水分を渡し、この後の作業方法を聞いてみる。

 谷側に全て落とすしかないそうなので、手伝うことにした。

 みさとは片っ端から落としていき、俺は上から落ちてこないように念の為防御魔法を展開。

 何も無く終わった事を確認し、通行が出来ること・魔物もいなくなった事を作業員も一緒に確認して、通路を開放する。

 無事に通れることを報告して、任務完了。

 当日中に完了して、呆れつつもほっとしたような職員の顔で、すぐ行ってよかったと感じた。

 「では、これで完了ということで。」


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