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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 163

 「あらあらみさとちゃん、準備期間無いから簡単に出来るものでお願いしたいわ。」

 「じゃあ、パンの用意が出来れば、卵サンド2種類かな。

 出汁巻き玉子と玉子サラダでそれぞれ美味しいよ。

 作ってみようか。」

 さっきご飯を食べたばかりなのに、もう食べ物の話を始めている。

 みさとは既にプロでいいんじゃなかろうか。


 ターセルを伴い、キッチンにやって来た。

 「ターセルさんの考えるパンて、どんなのかな。」

 幾つか街中で購入したパンを出してみる。

 「そうねぇ、こういう大きいパンが良いけど、サンドイッチには向かないかしらね。」

 「薄く切ればいいかな。

 こんな感じ。」

 ドワーフ謹製の包丁で、ことも無く切っていく。

 ターセルは、先ずそこで驚いた。

 「あれまぁみさとちゃん、よく切れる包丁ね。

 何処で売ってるのかしら、私も欲しいわ。」

 これは宣伝チャンスかな?

 「これは、クレスタさんとこで買えますよ。

 武道大会で初お披露目のはず。

 お試しで買わせてもらったんだ。」

 「良い伝手持ってるわね、私も後で買いましょう。」

 よしよし、興味は持ってもらえたみたい。

 「じゃあ卵の調理ね。

 先に、茹で卵作ります。」

 卵5・6個鍋に入れて、水を張って火にかける。

 沸騰してから6分位で、火を止め水に浸す。

 軽く罅を入れて、殻を剥きやすくしとく。

 「冷やしてる間に、出汁巻き玉子ね。」

 鰹節と昆布で取った出汁・塩・醤油を卵と混ぜ、丁寧に焼いていく。

 「因みにこの出汁の材料も、クレスタさんとこだよ。」

 「クレスタさんは手広くやってるのね。

 ちょっとまとめ買いでお安くしてもらおうかしら。」

 「あはは、いいんじゃない?」

 四角い卵焼き用のフライパンは無いので、分厚い卵焼きに出来るように慎重に。

 焼けたものは一旦落ち着かせる。

 その間、玉子サラダの方に戻る。

 固茹で卵も作っていて、そちらは細かく刻む。

 マヨネーズは折角卵あるし、作り方から伝える。

 卵・酢・塩をよく混ぜ、油も追加して更に混ぜる。出来上がりの味も見てもらう。

 「これ、卵から出来るなんて不思議ね。美味しいわ。」

 「卵サラダの決め手ですよ。

 私も大好き、何にでも合うしね。」固茹で卵を細かくした物をボウルに入れ。マヨネーズと塩胡椒でよく混ぜる。

 一旦ここでも味見をしてもらい、更に半熟卵を大きめに切ったものを軽めに混ぜる。

 こっちも味見してもらうと、ターセルはびっくり。

 「あらあら、半熟卵が入ることで卵感が増すわね。

 とても美味しいわ。」

 「早速サンドにしましょうか。」

 薄く切ったパンに、卵サラダと出汁巻き玉子を挟む。

 それぞれ味見用に小さくカット。


 またもや呼び鈴が鳴った。

 「こんにちは、拓海・みさと、いるかい?」

 俺は玄関まで行くと、今度はカムリが居た。

 「ターセルのとこ行ったらさ、こっちだって聞いてね。

 居るんだろ?」

 「来てるよ、どうぞ入って。」

 そのままキッチンまで案内。

 「みさと・ターセルさん、カムリさん来たよ。」

 「いらっしゃいカムリさん。」

 「おやカムリ、来ちゃったの。」

 「そりゃ来るよ。

 自分ちに呼んどいて居ない方がどうかと思うよ。」

 「まだ早いでしょう。」

 「何だい、抜駆けかい?

 いい香りするねぇ、美味しそうなのもあるし。」

 「目敏いねカムリ。

 武道大会の出店用の料理を教えてもらってたの。」

 「そういうのを抜駆けって言うんだよ。

 みさと、うちも出したいんだけどさ、何かいい料理ないかい?」

 ターセルの話を聞いて、ここぞとばかりに主張するカムリ。

 「そうだな、簡単にできて食べ歩きできるもので良いんだよね。

 んー、薄いパンケーキで細くしたチーズ巻くのはどうかな?

 甘じょっぱくて良いんじゃない?」

 「流石みさと、それ良いね。

 でも、チーズは細かくするのは出来るけど、細く切るのは難しいんじゃないかい?」

 「大丈夫、それくらい切れるよ。」

 以前カムリから買っておいたチーズを取出し、ドワーフ包丁で切ってみせる。

 「何だいその切れ味、凄いねぇ。」

 「えっと、クレスタさんとこの包丁だよ。

 武道大会時期に販売予定らしいよ。」

 「うちも買おうかね、それ。」

 「私も買うんだ、真似しないでよ。」

 「真似じゃないさ、良いものは使わないと。

 冷蔵庫だってそうだろ?」

 「あれはホントに便利だよね。

 助かってるわ。」

 「ところでカムリさん、試作食べる?」

 カムリとターセルの掛け合いに割って入るみさと。

 「勿論!お願いするよ。」


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