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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 160

 「じゃあ、転移してみるか。

 庭で車出すよ。」

 「わくわくするのぅ、界渡りが出来るとは。

 急ぐぞ、拓海。」

 相変わらず元気だ、レジアス。

 皆でぞろぞろと庭に移動。

 ウエストポーチから車を出し、全員乗ったことを確認し透明化後転移発動。


 着いた先は、聡太のマンションの屋上。

 上には、空も広がっているがビル群も聳え立つ。

 車を降りる前に全員に透明化の魔法をかける。

 レジアスは周りの風景に興味津々。

 降りて車をしまい、建物の中に入り人が居ないことを確認。

 先ずは、聡太の部屋に向かう。

 入ってから、透明化を解除。

 「聡太、向こうの街中見られなかったから、希望あればもう一度連れて行くぞ。」

 「あはは、今はもう異世界はお腹いっぱいだからいいかな。

 父さん帰った時に、例のやつ試してみてよ。」

 「わかった。

 レジアス、落ち着いた?」

 部屋の中を見て回ったレジアスは、向こうの俺達の家には無かったものを見つけて確認中。

 「なぁ拓海、この四角い箱は何じゃ?」

 「ん?テレビだね。

 絵が動くんだよ。

 聡太、付けてあげて。」

 言われるがままにリモコンで電源入れる聡太。

 「なんじゃこりゃ!

 絵も動くが音もするではないか!」

 「テレビだからね。

 これはそういう仕組みなんだ。

 魔法じゃないよ。」

 レジアスは聞いているか分からない様子で、画面を触ったり裏側に回ったり忙しい。

 「僕も見たときびっくりしたから、わかるよ。

 オデッセイ様のところの写し鏡みたいって思った。」

 「そうなんだ、そんなのあるんだ。

 凄いねぇオデッセイ様は。」

 「そうなんだ、みさと。

 凄くいい方だったんだ…」

 少し離れたところで、シビックは抱えてるみさとと話している。

 レジアスの耳には全く入っていなさそうだ。

 「車で空中散歩くらいなら出来るけど、行ってみる?レジアス。」

 「勿論行くぞぃ!」

 家電探索も満喫したみたいだし、外に連れ出そう。

 「聡太、ありがとな。

 序でだ、一緒に行くか?」

 「行く!」

 面倒なので、ここから透明化の魔法を全員にかける。

 また屋上に行き、透明なままの車を出す。

 乗ったことを確認し、空に進む。


 「うわぁ、ホントに飛んでるよ。

 俺も後でやってみよう。」

 「高過ぎて飛行機とぶつからないようにな。

 赤外線サーチで戦闘機に追いかけられてもつまらんだろ。」

 「聞いといて良かった。

 やりそう、俺。」

 聡太は飛ぶことで楽しんでいるが、レジアスは建物や景色に夢中だ。

 「四角いものだらけだな。

 高いの低いの色々じゃ。

 あの同じ方向に幾つも動いているのは、これと同じ車なのか?」

 「そうだよ。

 本当は、この車もあんな感じで地面しか走れないことになってるんだ。

 魔法様々だね。」

 「もっと長い四角も動いとるな。

 こっちは繋がっているようじゃ。」

 「電車の事かな?

 電車はね、レールって言う走る道が決まってるんだ。

 あの四角の中に、人がいっぱい乗ってるんだよ。」

 「狭いのではないか?

 皆同じ所に行くのかのぅ。」

 「駅という止まる場所は決まってる。

 そこから同じように別の場所に違う電車に乗るか、歩くか車か何かしらで移動するのさ。

 この世界でも移動は大変だよ。」

  

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