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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 159

 「今年の大会は、接戦になりそうじゃの。

 賞金も喜ばれるじゃろ。」

 「そうだよね。

 俺達は賞品はちゃんと家建てたけど、賞金殆ど使ってないしね。」

 「土地と家とそれぞれ賞品だもんね。」

 「あの家も反則じゃよ、全く。

 ま、遊びに行くにはちょうどいいわい。

 風呂も気持ちいいしのぅ。」

 「うちは宿屋じゃないけど?

 レジアスも増やせばいいじゃん、部屋。」

 「うちはうち、他所は他所じゃよ。

 次建てる機会あれば、考えるがのぅ。」

 「家も反則なの?」

 話について行けない聡太からの質問が飛ぶ。

 「あの家はな、外から見ると普通のサイズなんだよ。

 お前はいきなり中からだったから、違和感無かったろ?」

 「うん、物凄く大きな家だなとは思ってた。

 魔法で広くしたってこと?」

 「そうそう。

 便利だよな、魔法って。」

 「帰ったら、外から見てみないとか。

 俺のマンションも出来るかな。」

 「やってもいいけどさ、引越時は元に戻さないと大変だぞ。」

 「快適になったら忘れそう。」

 「ところで聡太坊。

 おぬし、魔法使えるんじゃな。

 拓海が何かしたのかのぅ。」

 その問いには、聡太ではなく俺が応える。

 「あ、バレた?早いなレジアスは。

 俺と同じ位に出来るようにしてみた。」

 それを聞き、頭を抱えるレジアス。

 「親子揃って問題児か、困ったもんじゃのぅ。」

 「まだ聡太は何もしてないけど?」

 「お前が2人居るようなもんじゃろ。

 無自覚に魔法が使える時点で、問題児じゃ。

 他人にはそんなことせんでくれよ。」

 「出来ると思ってなかったからさぁ、あはは。」

 「やれやれ。

 何かあれば、親が何とかするんじゃろ?ん?」

 「そうだね、そこは見とくよ。

 向こうの世界じゃわからないけどな。」

 「何、拓海、界渡り出来たのか?」

 「そうだね、出来るようにしてもらえた。

 行き来も実験して、この間2回目に帰った時に連れてきた。」

 「ふむふむ、成程。

 私も連れてってもらえんかの?」

 「行ってみる?」

 「今行くと、聡ちゃんのマンションの屋上かな?」

 「前回転移した場所に戻るから、そうなるね。」

 「ほぅほぅ、そんな仕組みなのか、面白い。」

 ワクワクしているレジアスには申し訳ないが、行く前に確かめないといけないことがある。

 「まだ待ってて、レジアス。

 聡太、念話出来るか試したいけど、いいかな?」

 「念話?ファンタジーだね。」


 (聡太、聞こえる?父さんだけど。)

 いきなりした声に、キョロキョロする聡太。

 俺の顔を見て、納得顔になる。

 (父さんからは聞こえたよ。

 俺のは聞こえる?成功してるかな?)

 (おぅ、成功だな。

 実はさ、この世界で使えるから、こっちとあっちでやり取りできるか試したいんだよね。)

 (成程ね。

 何かあったとき用だね。)

 (そうだな。

 さっきレジアスが言ってた界渡りだけど、今のところ俺しか使えんのよ。

 お前に何かあった時に、お前がこっちに魔法で来られるとも限らないからさ。)

 (ヤバイね父さん、ホントに凄腕なんだ!

 自慢したいけど信じてもらえねー。)

 (そうだよな。

 向こうでは魔法、ホントに気を付けろよ。)

 (わかってるよ。

 嫌な奴ぶん投げないよう気を付けるよ。)

 (車で空中散歩も出来るからな、透明化して犯罪にならない程度に楽しむように。)

 (はーい。)


 「実験終わり、出来て良かった。」

 「聡太坊は優秀じゃのぅ。

 いつから魔法を使ってるのじゃ?」

 「今日からです。」

 聡太の返事に、驚きが隠せないレジアス。

 「何とまぁ、そうかそうか。

 魔法は想像力じゃからな、うん。」

 「ほら、俺の子だからかな。」

 「お前のは単なるズルじゃろうて。」

 「向こうの世界はね、魔法は使えないけど、こんなふうに出来たら面白いなって想像がたくさんあるんだよ。

 俺は、それを真似してたんだ。」

 「不思議な世界じゃな。

 使えないのに想像するとは。

 想いが強ければ、実際に発動しそうじゃがのぅ。」

 「物語だよ、空想するのさ。

 魔法だったり、ロボットだったり、それこそ異世界だったりとかさ。」

 「それは、発想が豊かになるわけだ。

 聡太坊も、想像は好きか?」

 「はい、大好きです。

 本を読むのも、アニメを見るのも、話を聞くのも好きです。

 だから、この親にしてこの子ありって感じですかね。」

 「それは、俺がヲタクってことかな?聡太くん。」

 「否定はしないでしょ?」

 「するわけないじゃん、大のヲタクだもん。」

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