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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 158

 「拓海君たら口が上手いねぇ。

 聡太君もどんどん食べな、育ち盛りだろ?」

 上機嫌のカムリ。

 みさとはシビックの分も含め、何も入れない牛乳をお代わり。

 「クッキーと牛乳合いますよねぇ。

 大好きです、この組合せ。」

 楽しいお喋りと美味しいおやつで、時間はあっという間に過ぎていった。


 カムリのところを出て、街中に行こうとなった。

 「歩くとかなり時間かかるけど、転移だと場所を決めないといけないなぁ。」

 「レジアスさんとこでも行く?

 転移しても文句は言われ無さそう。」

 「一応聞いてみるね。」


 (レジアス、今いいかな。)

 (どうした拓海、何かあったか?)

 (今から街中にぶらっと行きたいだけなんだけどさ、レジアスのとこに転移してもいい?)

 (良いぞ。

 今日は家にいるから、問題無い。)

 (ありがとう、直ぐ行くね。)


 「レジアスに許可貰ったから、行こうか。」

 早速転移で向かう。


 向かった先では、レジアスと執事のコルサが一緒に居た。

 「こんにちは、レジアス、コルサさん。

 お邪魔しますね。」

 「よく来たな、拓海。

 おや、そちらの御仁は?」

 「うちの息子の聡太だ。」

 言われてから一歩前に出た聡太は、レジアスに向かって挨拶する。

 「初めまして、星野聡太です。

 いつも両親がお世話になってます。」

 「これはご丁寧にどうも、レジアスじゃ。

 お主の父君・母君とは、仲良くさせてもらっておる。」

 「レジアス様の執事のコルサと申します。

 聡太様、どうぞ宜しくお願い致します。」

 「ところで拓海よ、何しに行くんじゃ?」

 「聡太に街中見せに来ただけだよ。

 ぶらぶらしてご飯食べて帰るかな。」

 そんな話の間にも、コルサは全員分のお茶とお茶菓子を出している。

 「急がないのであれば、少し座っていけ。

 ちと話もあるでのぅ。」

 「何々、どうしたの?」

 俺が座ったことで、みさとも聡太も腰を掛ける。

 「何、オロチからせっつかれてな、奥方がまた料理を教わりたいそうじゃ。

 みさと、何かあるかのぅ。」

 「そうですね…珍しいから豆腐料理が良いですかね?」

 「地方の料理出す店舗でやってたやつか?

 それは良い。

 一応聞いてみて、向こうにそういった食材が無いか確認しとく。

 前回と同じく家でやるから、うちの者にも一緒に教えてもらえると嬉しいぞ。」

 「勿論ですよ、楽しみにしてます。」

 「豆腐料理だと色々あって迷うね、みさと。

 レジアスは何が美味しかった?」

 俺からの問いに、レジアスは腕組みしながら考える。

 「あの店で出されたものはどれも美味かったからのぅ。

 全部でも良いくらいじゃ。」

 麻婆豆腐・衣笠丼・厚揚げの肉詰め・豆腐の旨煮・いなり寿司・厚揚げピザ・豆乳のジェラート・ブラマンジェ・ずんだときな粉の団子・呉汁・ポルテさんの鍋…

 レジアスは全部食べたのかな?

 「じゃあ、全部やりましょっか。

 たっくん何か追加ある?」

 「俺は揚出し豆腐食べて欲しい。

 みさとのは絶品だから。」

 「あはは、ありがとう。

 聡ちゃんは好きな豆腐料理あるかな?」

 「俺は豆腐ステーキかな。

 勿論、俺も揚出し豆腐好きだよ。」

 「大人気じゃな、揚出し豆腐とやらは。

 それと、聡太坊のお勧めも追加しようじゃないか。」

 「決定かな?

 連絡はレジアス宜しく。

 因みに、武道大会時期は外してね、忙しいから。」

 「何じゃ、おぬしらまた出るのか?

 反則級じゃとわかっているだろうに。」

 「え、そんなに強いんですか?」

 殆ど信じていなかった聡太が、改めてレジアスに聞き返した。

 「あぁ、勝てるものはおらんよ。

 拓海もみさともな。」

 「ま、俺じゃなくてシビックだけどな。」

 呼ばれたのがわかったのか、お菓子を頬張りもぐもぐしながらキョロキョロするシビック。

 「呼んだ?」

 「君が強いって話してたんだよ。

 もう1つお菓子いる?」

 「食べる!」

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