表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

148/335

お試しにも程がある 148

 「美味かったなぁ、もう終わっちまった。」

 全て平らげたボンゴは、まだ食べられそうだった。

 ミレーニアはタルタルソースを気に入ったようで、みさとに作り方を改めて聞いている。

 クレスタは、干物の魚でのサンドイッチをどう販売しようか画策中。

 シビックは、全部食べたけど物足りなさそうな顔。

 「帰ってから、また食べような。」

 「魚、美味しいね!

 丸ごと一匹でも入るよ、きっと。」

 「丸呑みは辞めた方がいいんじゃないか?」

 「みさとに料理してもらうよ。

 肉もそうだけど、料理されてる方が美味しいからね!」

 「舌が肥えてきたな。」

 俺はシビックの口を拭きながら、この後の行動を考える。

 デックスとルクラには、頑張ってもらわないとな…

 「クレスタ、俺はデックスのところに鋸包丁の話してくるよ。」

 「わかった、僕も行っていいかな?」

 「勿論どうぞ。

 みさと、後で迎えに来ようか?」

 「ううん、一緒に行くよ。

 じゃあ、ミレーニアさん・ボンゴさん、また来るね。」

 「あぁ、何時でもおいで、歓迎するよ。」

 「拓海、包丁宜しくな。

 クレスタは明日来るんだろ?待ってるぞ。」

 「はい、宜しくお願いしますね。」

 それぞれ挨拶を交わし、ボンゴの家から御暇する。

 転移先は、デックスのところ。

 まだ作業小屋の方に居たようで、転移したら二輪型に乗って自由に走り回っていた。

 「デックス、来たよ。

 ちょっといいかな?」

 「おぅ、また来たのか拓海。

 泊まってくか?」

 「いやいや、それはしないけど。

 仕事を貰ってきたんだけど、聞いてくれる?」

 「何だ、仕事か、勿論聞かせてくれ。」

 二輪型から降りて、聞く体勢になった。

 「実はさ、巨人族に大きめ包丁がぴったりだったみたいで、売ってくれって話になった。」

 「ほぅ、それはありがたいな。」

 「追加でね、鋸包丁作って欲しいそうだよ。

 折れたから代わりが欲しいそうで、実物借りてきた。」

 ウエストポーチから、折れた鋸包丁を取出す。

 俺から見ても大きいけど、デックスから見たら自分より大きいんじゃないかな。

 「こりゃまたでかいなぁ。」

 「偶々行った時に鯨の解体してて、大きめ包丁使ったらスムーズだったみたい。

 そこに居た人達皆から包丁希望されたのと、この鋸包丁も作り直さないといけないから、折角なら作って欲しいって。」

 「お、おぅ、有難い話だな。」

 「値段も決まってないのと、いつ頃用意出来るかも分からないよとは言っておいた。

 大きめ包丁はクレスタが販売、鋸包丁だけは持ち運び大変だろうから俺が持ってくよ。

 どうかな?」

 話の展開の速さに、もはや呆れて聞き入るデックス。

 「クレスタはそれで良いのか?

 優先順位はどうするよ?」

 「他の物と全部同時進行は難しいですよね。

 出来るなら、包丁優先。

 普通サイズ、大きめサイズの順で。

 勿論、発注品は別で考えてくれて良いですよ。」

 「忘れてた、デックス。

 ボンゴは、大きめ包丁優先で鋸包丁は後でも良いと言ってた。」

 「成程。

 纏めると、普通サイズ・大きめサイズを程々に数揃えてから、鋸包丁だな。

 そうなると外注を早めるか。」

 「何処かあてがあるの?」

 「あぁ、俺の元いた工房だよ。

 腕だけは確かだ。」

 「腕だけって、他に何があるのさ。」

 「そりゃ、正確な納期・生産性・均一性も必要だろう。」

 「言われてみれば、そうだね。」

 「あそこは、人数が多い。

 新人も取っているようだし、手数が見込める。

 武器は新人にはまだ早ぇって、やらせてないはずだ。

 練習としては丁度いい。

 勿論品質は守ってもらうがな。」

 「この間の工房長のとこだね。

 契約できそうなの?」

 「ほれ、恩を売ってあるからな。

 あいつにも利益になるし。」

 俺とデックスで、ニヤリと顔を見合わせる。

 「包丁はいいとして、刻印はどうなんです?

 ルクラさんひとりで追いつくんですか?」

 「そこはよ、ルクラの方でどうにかなると思うぜ。

 あそこの嫁さんも、実はルーン文字の職人なんだ。

 意気投合して、結婚したそうだぞ。」

 「そうなんだ、そんな馴れ初めがあったんだ。」

 「それに、嫁さんの実家もそうらしい。

 親父さんが見切りを付けてやらなくなったと言っていたが、必要と言われれば腕が疼くんじゃねぇかな。」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ