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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 135

 「是非是非、行きましょう!」

 「それは良いけど、みさとに依頼は途中だよ、大丈夫?」

 「時間はかけずに、戻ってきましょう。

 みさとさん、続きはそれからでもいいでしょうか?」

 「もちろんです、善は急げでしょ。」

 これで決定。

 一応連絡しとくか。

 (おはようデックス、拓海だけど少し良いかな?)

 (うぉっ、拓海だな。

 おぅ、どうした?)

 (今クレスタと居るんだけど、注文があるらしくて。

 そっちに行ってもいいかな?)

 (おぅ、良いぞ。

 試作品も作ってるから、意見も欲しいしな。

 是非来てくれ。)

 (じゃあ行くね。)

 「来ていいって言ってくれたから、行こうか。」

 そうして3人で、転移した。


 デックスの元に転移すると、今日も別館で試作三昧のようだ。

 いきなり現れた俺達に気づき、驚きを隠せないデックス。

 「ぎゃあ、た、拓海か。

 驚かすなよ。」

 「いや、さっき行くって言ったじゃん。

 あれ、今日はデックス1人?」

 「あぁ、ルクラは嫁さんのとこに帰ってるよ。

 毎日ここまで通ってるんだ。

 もうすぐ来るんじゃないか。」

 「いい旦那さんだね。

 あれ、使ってるの?」

 「おぅ、二輪型使ってる。

 帰ったら、家の中にしまってるそうだ。」

 「いい実験になってるんじゃない?」

 「そうなんだ。

 耐久実験も兼ねてるな。

 で、今日はどうしたよ。」

 手を完全に止めたデックスが、みさととクレスタにも向く。

 「報告と要望があります。

 先ず、切れ味最高です。

 豚の解体も時間が速くなったくらいです。

 うちの作業担当の間で、あの包丁を取り合いになってます。

 要望は2つです。

 大きい刃渡りのもの作って欲しいのと、早く増産して欲しいです。」

 「成程な。

 大きいって、どれくらいだ?」

 「試作で貰ったものの2倍かもう少し大きいか位ですかね。

 大きい肉の塊は、小さい包丁では大変なんですよ。」

 クレスタは刃渡りのサイズを手で示してから、今度は豚肉の塊のサイズも示した。

 「随分でかい肉だな。

 俺より大きいのか、そりゃ大変だ。

 剣と変わらんな、よし、作ってみるか。

 その後の細工は、ルクラ次第だ。」

 「おぅ、おはようさん。

 何だ、勢揃いだな、何かあったのか。」

 丁度二輪型を携えて、ルクラが入って来た。

 「お前がいい旦那だって話してたんだよ。」

 「何だそりゃ、馬鹿言うんじゃねぇ。

 そ、そうだよ、試運転兼ねて戻ってるだけだよ。

 それより話変わるけど、うちの嫁さんが包丁使いやすいって、切れ味最高だって言ってたぞ。

 商品化進めていいんじゃないか?」

 「そうですよね、物凄く切れ味良くって、うちでも大好評です。

 なので、大きいの作って欲しいのと数増やして欲しいとお願いに来ました。」

 「そうかそうか、忙しくなるなぁ、デックス。」

 「お前もだよ。

 大きいのを作るとなると、切れ味もだけど折れにくいも付けないとだろ?

 剣と同じさ。」

 「あー、4つまでなら付与できるけど、大きさによるな。

 デックス、どうだ?」

 「充分な大きさにするから、安心しろ。

 数熟さないといけないのはお前も同じだろう。」 

 「やっぱり他にも付与できる奴探した方が良いか?」

 「お前ひとりでやりたくなければな。

 俺も、数打てないようなら他に頼らないとな。

 それは良いんだろ、拓海?」

 「製品の質が保てれば、問題ないでしょ。

 だよね、クレスタ。」

 「その通り。

 販売出来る数量ないと、商売にならないもの。」

 「若しくは、出来る数に限りがあるので予約制で待たせておくのも価値でそうだよね。」

 お取寄せ感覚でふと口にしたが、感心した顔でデックスが俺の方を向いた。

 「成程、お前頭いいな、拓海。」

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