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ちょっとそこの異世界まで  作者: 三毛猫


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お試しにも程がある 128

 「必要は発明の母でしょ。

 こう出来たらいいな、ああ出来たらいいなを実現させただけだし。」

 「そう言われるとそうなんだが、釈然としねぇよな。」

 デックスのジト目に、レジアスに助けを求める俺。

 「まぁ、何じゃ、拓海だからで済む話じゃよ。

 こやつの規格外ぶりは、今に始まったことではないしのぅ。」

 「言われてみれば、そうだよな。

 この小屋も魔石もそうだし。」

 2人で頷くさまを見て、ちょっと納得いかない。

 解せぬ…

 「皆仲良しさんだね。」

 みさとの笑顔を見て、まぁいっかと思わされる。

 これこそ、魔法じゃないかと思うけどね。


 「話戻るけど、魔石取り外せなくなった乗り物毎盗まれる事は、考えにくい?

 俺の元の国は、そういったことも考えないといけないところだったんだが。」

 「確かにそれはあるな。

 何処に入っているか分かるなら、壊して盗んでいくかもな。」

 「そんなこと考えもしなかったよ。」

 「言われてみれば、冒険者や魔道士等、力を持つ者しか持っておらんな。

 一般の物が持つとどうなるかは考えたことも無かったわぃ。」

 平和な国に問題の一石を投じてしまったか?

 「余計なお世話だったら悪かったよ。

 こっちはそういう心配ないなら、良いんじゃないか。」

 「いや、充分考えられる事だ。

 最近職にあぶれてる奴も増えてるから、そういった手段で稼ごうとするかも知れんし。」

 「対策は必要だぞ、どうするデックス。」

 腕組みして悩む2人。

 俺は車の鍵をイメージして、提案してみた。

 「それなら、利用者が魔石を持運びして、使う時だけ嵌め込むようにすれば?

 それなら、別の属性の人が同じ乗り物でも乗れるし。」

 「成程な。

 魔石を入れ物に入れてそれを嵌め込むと動く仕組みか。

 降りる時も、魔石を外して持っていくと。」

 「それは良いね。

 中身が見えない箱にして、箱毎嵌め込めば簡単じゃないか?」

 「魔石が見えなければ属性も分からないし、良いかもな。」

 「大きさが違っても入るような入れ物にしないとな。」

 デックスとルクラで、どんどん話が進んでいく。

 「技術的に出来そうなの?」

 「おぅ、今の話の内容くらいなら、どんと来いだ。」

 「そうだなデックス、やるか。」


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